猪瀬―石原―安倍を許すな! 都知事選情勢に真っ向から切り込んで闘おう!

2019年7月31日

月刊『労働運動』26頁(0286号05面01)(2014/01/01)

猪瀬―石原―安倍を許すな! 都知事選情勢に真っ向から切り込んで闘おう!
 

 

 

北島邦彦(東京西部ユニオン副委員長/都政を革新する会)

 12月19日、東京都知事・猪瀬直樹が辞職を表明した。都政史上最高得票を獲得しての当選からわずか1年、まさしく「凋落」と言うにふさわしい醜態である。この事態を受けて、2月9日を投票日とする選挙準備がスタートしている。首都・東京のトップがわずか1年で辞職という事態は安倍政権を直撃しており、2014年早々からの政治的大激動は不可避である。全国労組交流センターはこの情勢にしっかりと切り込んで、14春闘―3年目の「3・11」過程を闘い抜こう!

猪瀬―石原―安倍の金権腐敗は一体

 猪瀬と徳洲会との金権にまみれた関係については、都政を革新する会の「弾劾声明」もご参照いただきたい(→http://www.tokakushin.org)。メディアによれば、「辞職によって疑惑の解明が不徹底に終わるのではないか、そうさせてはならない」などと報道されている。もとより、猪瀬が徳洲会との間に結んでいた金権腐敗の実態については徹底的に明らかにされなければならないし、監獄にぶち込んで責任を取らせなければならない。しかし事の本質は、そうした「猪瀬×徳洲会」関係にだけあるのではない。そもそも猪瀬が辞職を決意したのは、前日に日本維新の会共同代表・石原慎太郎と面談して話し合ったからだと言われている。ハッキリしているのは、そこで石原が言ったであろうことは、「俺に火の粉が降りかかる前に引責辞職して幕引きしろ」ということに違いない。誰もがそう確信している。
 そもそも、東京都知事・石原(当時)が猪瀬を副知事に抜擢したのは、道路公団民営化における推進役としての猪瀬の働きを高く評価してのことだった。国鉄分割・民営化攻撃を見れば一目瞭然であるが、民営化攻撃は一方で労働者の団結破壊・労働組合解体攻撃であると同時に、他方で莫大な利権を生み出す―公共財の民間大資本による強奪攻撃でもある。猪瀬の醜悪な金権腐敗体質は、民営化攻撃によってつくり出された利権構造から発生し、石原―小泉―安倍と続く、日本帝国主義の危機突破をかけた新自由主義政治によってどす黒く育成されてきた。猪瀬直樹は石原慎太郎自身であり、安倍晋三自身なのである。
猪瀬は議会やメディアの攻撃にさらされながら、「なぜ自分だけが? 石原と同じことを続けてやっていただけじゃないか」と憤懣やるかたなかったことだろう。
 自民・公明・民主などの都議会勢力が、清廉潔白ぶって猪瀬を弾劾しているのも怒りに堪えない。労働者民衆の側から見れば、「おまえたちも石原都政を支えてきた同じ穴のムジナだ!」ということだ。猪瀬辞職による「幕引き」を許さず、石原(的政治)をも串刺しにして弾劾・打倒しよう。それはまた、金と利権にどっぷりと浸かった日本の政治そのものを、根底から批判・打破する闘いでもある。都労連に結集する労働者を先頭にして、共に闘おう!
 「首都大激動」は、安倍政権の危機をますます深めている。臨時国会―秘密保護法決戦は、安倍政権の権力基盤の脆弱性を露呈させた。12月6日、国会前に詰めかけた4万人の労働者民衆の間には、従来型の党派的抑圧・制動はほとんど見られなかった。連合的―社民党的な制動は完全に空洞化し、崩壊している。一見混沌としているのだが、そこには解放感が満ちあふれていた。「闘いはこれからだ! 安倍政権打倒だ!」の地響きだ。

(写真 猪瀬の辞職表明直後の12 月21 日未明から始まった終夜バスの運行。猪瀬の狙いは都バスの民営化だった【東京新聞12 月21 日付夕刊】)

都労連の労働者と共に民営化反対で闘おう!

 安倍政権の危機性―脆弱性を規定しているのは、第一に世界大恐慌のさらなる深化である。超金融緩和政策は超インフレと国債暴落、国家財政の破産へと導く道筋は明らかである。
 第二に、中国―北朝鮮=東アジアにおける戦争切迫の情勢である。このような情勢下で1月24日に通常国会の開会が予定されており、臨時国会でやりきれなかった反動攻撃の再開と、予算審議を行なわなければならない。ここで国鉄決戦を軸とした14春闘、3年目の「3・11」を迎える反原発闘争と安倍政権は真正面から激突せざるをえないのだ。さらには4月消費税アップ、介護保険制度改悪方針確定などの生活破壊攻撃が続き、労働者民衆の怒りの爆発は不可避である。
 2月都知事選挙は、ブルジョア議会主義的観点からすれば、オリンピック利権や東電―原発利権の分捕り合い選挙となるだろう。しかし、階級的労働運動の観点からすれば、政治的大激動の渦中で闘われる政治決戦である。都知事選情勢に真っ向から切り込んで、国鉄決戦を闘いの軸として拠点建設をやりぬこう!
 とりわけ、都労連に結集する労働者との切り結びは重要だ。猪瀬の都知事辞職という事態は、7月参院選における山本太郎選挙に続いて、連合東京の求心力の「ゼロ化」をさらに促進させる(前回の都知事選で連合中央の意向に反して、連合東京が民主党候補ではなく猪瀬を支持したことを想起しよう)。今こそ首都・東京の中心である都庁に階級的労働運動の拠点を誕生させ、安倍政権打倒の出撃拠点としよう!

(写真 「秘密保護法採決強行弾劾!」「安倍倒そう!」―闘いはこれからだ【昨年12・6 国会前】)

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