■特集- 3・10新潟 新津車両製作所分社化反対―製作所デモ

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0290号03/04)(2014/05/01)

■特集 国鉄分割・民営化は破綻! 職場に闘う労働組合を!

3・10新潟 新津車両製作所

分社化反対―製作所デモ方針が誇りと怒りを解放
 

 

 3・10新津車両製作所へのデモ直後の組合員の声です。「お疲れさまでした。久しぶりに国労らしかったですね! でも一番はデモコールでしょう! やっぱり国労決める時は決めますね!」「俺が参加したってことは、国労はフル動員だね」「大成功ですネ! 人数が少なくても頑張る! 大切ですね。しかも人数も多く! 地域のみなさんにも感謝です」「昨日はお疲れ様でした。ほんとに久しぶりに身体の底から達成感を感じました! 今日は東日本大震災の日、昨日の感動を被災した人たちに分けて上げられればなぁ」
 ここには、国労として闘ってきた「誇り」がにじみ出ています。2010年政治決着から4年、闘う方針を勝ち取った現場組合員は、水を得た魚のごとく生き生きと闘う団結をよみがえらせました。4・9体制下で「闘いは終わった」「このまま国労は自然消滅する」という現実的思いと、しかし悔しいという思いを製作所決戦=反合理化闘争の中で解放できたのです。
 もうひとつ、2月下旬、職場に「3・10製作所デモ」の掲示が出されると大きな反響が生まれました。なんと! 幾つもの職場で他労組の青年達が、「参加してもいいですか」などと組合員に質問していることが報告されていました。支部は、国労内に「東労組にいた時には、挨拶もしなかった奴らがなんだ!」という声もある中で「組織的参加ではなく、個人的参加にしてほしい」という方針をとりました。ここでも、青年の怒りとJRにデモをかける吸引力は絶大なものでした。当日、デモ終着点の製作所正門前に隊列が陣取ってコールを上げると、製作所内から拍手と歓声が湧きました。他労組の青年達もデモを闘った感動を共にしました。

全責任を取りきる立場に立ちきること

 4・9和解と組織減少の現実の中で、責任をとる学校も活動家もいなくなっています。県支部の1月執行委員会で分社化反対決議をあげて反対闘争に取り組んできました。当該・製作所分会(製作所320名中3名)の現状も考慮して、分会を激励して団結を形成する方針を考えました。
 2月執行委員会で、①部分外注から全面分社化という乱暴な合理化反対、②「就職サギだ」と怒る青年の声に応える、③何よりも国労の団結を強化する闘いとして位置付けた「3・10デモ」方針を提起しました。「デモ?!寒いのに」「距離が長い」「駅でもチラシ配布を」「事務所でやっても集まらない」など積極的討論を経て、駅頭街宣―集会―デモ方針を決定しました。
 2・22国労新潟地本の地方委員会では、地本の「事務所で集会」方針に対して、支部としてデモ方針を提起。貨物協代表と貨物分会から賛同発言があり、「建設的提起がありました。後日、地本の態度を決めたい」という地本答弁を引き出しました。
 さらに2・25支部主催の分会代表者会議での方針具体化です。「デモのビラは明日掲示していいのか」「本部集会にもビラを配布しよう」「分会の旗も出したほうがいいよな」。ここでも分会長クラスの積極的意見が交わされました。地本はこの段階でも態度決定しなかったものの、分会代表者会議の活発な議論は、事実上3・10デモ方針を決定しました。
 2月末には、執行部で地区労などへ「本来なら、分社化反対共闘会議を組織するべき課題です」と緊急の支援要請を行いました。3月初め80人規模のデモ申請をすると、地本は否定的・心配だらけの反応をしましたが、支部はデモ方針の求心力を十分に感じとっていました。横断幕の作成や、長いこと使われなかった団結ハチマキの洗濯など準備も進みました。
 3月7日には、支部としての製作所門前ビラ配布に決起。30年ぶりに製作所門前に組合旗が翻り、支部と製作所分会のビラ配布が展開されました。当該分会の決起は、JRに大打撃でした。終了間際には下請けの東日本トランスポーテック(E-TEC)の仲間との交流もできました。
 すべての闘いの根底に、昨年9月以来の交流センターのビラ入れと国労共闘の闘い、全国の団結した力など、責任を取りきるあり方が貫かれました。

労働者が示した労働運動のダイナミズム

 3月10日17時、「分社化反対! 許すな偽装出向! 貨物の賃金抑制絶対反対!」の横断幕が新津駅西口広場に掲出され、国労地本、支部、新潟駅、東新潟機関区などの組合旗が寒風に翻りました。赤旗が囲む中で、車両製作所分社化反対と貨物の賃金抑制反対の駅頭宣伝が支部役員のマイクで始まりました。製作所から帰ってくる労働者にビラも配布されました。仕事上がりの組合員・支援が次々と詰めかけて西口広場の半分を埋め尽くすなか、総決起集会です。地本副委員長の主催者挨拶、支部書記長の経過と方針提起、貨物協議会の賃上げ闘争報告、参加した自治労・教組など多くの支援労組が紹介され、新津地区平和環境労組会議から共に闘う発言を受けました。組合書記は「予定の2倍の参加ですね」と驚きと感激の口調でした。
 いよいよデモ発進。新津駅から車両製作所に向けて、組合員と青年労働者を引き付けた怒りと団結の行動です。国労組合員30人(新潟地域組合員の4割超)を中心に、地域の仲間約60人、三桁に近いデモは、JRの独身寮や社宅の脇を行進して「鉄道の町・新津」を揺るがしました。「車両製作所の子会社化反対」「新津にJRの製作所を残そう」「外注化反対」「全ての労働者の大幅賃上げを勝ち取ろう」「秘密保護法反対」「原発再稼働反対」「3・11福島原発事故を忘れないぞ」。響き渡るコールは参加者の団結を強化しました。40分余のデモ行進は、終始シュプレヒコールを発して製作所と地域の仲間に訴え、終着点の製作所正門前では、期せずして製作所内から拍手と歓声が湧きました。
 「労働運動はこういうことが起きるんだ!」という実感をもった闘いでした。

星野文男(国労新潟 駅連合分会)

特集0290

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