改憲・戦争・原発・首切りの安倍をともに倒そう!8・17集会に1830人

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0294号04/01)(2014/09/01)

改憲・戦争・原発・首切りの安倍をともに倒そう!8・17集会に1830人

(写真 無実の星野さんを取り戻す歌「ソリダリティ」を唄う)

●日比谷宣言を採択

 8月17日正午より「改憲・戦争・原発・首切りの安倍をともに倒そう! 大集会」が日比谷公会堂で開催され、1830人が結集。8・17集会の代表呼びかけ人の一人である鈴木達夫弁護士が起案した「8・17日比谷宣言(案)」を集会参加者の拍手で採択した。
 「日比谷宣言」は「東京・日比谷公会堂に集まった私たちは、集団的自衛権行使容認のための『7月1日閣議決定』の即時撤回と安倍政権打倒にともに立ち上がることを、全国・全世界に呼びかける宣言をここに発します。今夏、被爆69周年の広島・長崎に強くかつ深く刻みこまれた被爆者と日本人民の『二度と戦争をさせない』という不動の信念をひきついで、本宣言を発します」を端初とし、「その実践と持続的発展をめざして『改憲・戦争・原発・貧困許さない大行動』(略称『許すな改憲大行動』)を立ち上げます。安倍政権打倒の大運動に日本のみならず全世界の賛同を訴えます。怒りの声は社会の隅々に広がり、誰もが根底からの変革を求めています。国際連帯と労働運動の力で、この戦争の危機の時代を乗り越え、労働者人民の団結で人類の新たな歴史を切り開きましょう」を結びとする。
 「日比谷宣言」は世界の人々に戦争に走る自国政府打倒のために立ちあがり、労働運動の再建で全ての攻撃に反撃しようと訴えた。

●「ソリダリテイ~団結~」を合唱

 集会は医療労働者の永野佳世子さんの「とり戻そう星野」で始まり「ソリダリテイ~団結~」を集会参加者で合唱した。星野文昭さんの絵がスライドでスクリーンに映される。
 続いて福島の佐藤幸子さんの娘である佐藤美菜さんの「美菜からの手紙」の朗読。「標的の村」という映画を観ての感想を起点とした3・11以来の思いを訴えた。
 集会の司会は8月15日に東京拘置所から保釈・奪還された法政大学の武田雄飛丸君のお母さんの武田茜さんと、森川文人弁護士だ。代表呼びかけ人として高山俊吉弁護士、杉井吉彦医師、椎名千恵子さん、吉本伸幸さんが発言し、城臺美彌子さんが「特別発言」を行い、「『蟹工船』から見えてくるもの」という表題で小樽商科大学教授の荻野富士夫さんが講演を行った。このあと、代表呼びかけ人の一人である西川重則さんが発言した。
 休憩後、松元ヒロさんが「アベこべ政治をひっくりかえそう!」のコントを行い、「8・17日比谷宣言」起案の後、韓国・民主労総地域本部のチョヨンナンさんが「労働者民衆が望まない戦争と原発はなくすべき」のタイトルで講演。続いて国鉄千葉動力車労働組合執行委員長の田中康宏さん、日本IBMビジネスサービス労働組合執行委員長の富田晋さん、「君が代」不起立被処分者の根津公子さん、全学連中央執行委員長の齋藤郁真さん、全国労働組合交流センター代表運営委員・動労水戸副委員長の辻川慎一さんが発言し、司会の森川弁護士の閉会宣言で集会を終えた。

(写真 「被爆者の声が後押しした」と語る城臺美彌子さん)

●改憲・戦争阻止の闘いと職場での闘いは一体

 集会で最も注目を浴びた城臺美彌子さんは「被爆者の声が後押ししてくれた。止めることはできなかった」と振り返った。「平和への誓い」の原稿から削除されて当日発言できなかったこととして、政府に求められているのは「近隣諸国の脅威をあおらず、対話、理解、歩み寄り」であると述べた。

(写真 戦争、新自由主義に反対」と語るチョヨンナンさん)

 チョヨンナンさんは韓国民主労総ソウル地域本部統一委員長であり、数年で3万人の学校の非正規労働者を組織したオルガナイザーだ。彼女は「韓半島の戦争を引き起こしかねない閣議決定の即時撤回を要求する」「私たちは戦争と原発、新自由主義の攻撃から命を守るために闘っている」「共に戦争に反対し、新自由主義に反対する国際連帯の契機になればと思う」と述べた。私が印象的だったのは新自由主義攻撃と闘うことを強調した点だ。
 動労千葉の田中委員長は「7・1という歴史的な大きな分岐点に立った。二度と産業報国会の道は歩まない。労働者の団結を取り戻し、戦争までして生き延びようとする政府に立ち向かう。私たちが民主労総のように闘う労働組合を日本に甦らせよう」と述べた。
 根津さんは「学校は戦時下教育をやるようになる。教員が戦争反対の闘いに立たねばならない。城臺さんは長崎県教組の組合をずっとやってきた。命令されても教員が拒否抵抗すればいいわけです。国家に加担しない闘いをやっていくことが必要」と訴えた。
 富田さんは「非正規職撤廃の闘いを具体化・実体化しなければならない。すべての人々を労働者として組織してその闘いをもって辺野古新基地建設を止めよう」と訴えた。
 辻川さんは「7・1集団的自衛権容認に対する労働組合の闘いは自分たちだけでなく全ての人々の闘いに影響を及ぼす。安倍はすでに打倒されている。資本主義の終わりに階級的労働運動を貫くことが回答だ」と喝破した。
 8・17集会の発言者全体に通底していたのは、改憲と戦争阻止の闘いが、国鉄分割・民営化をめぐる労働運動の攻防にあること。戦争国家への転換は労働者の諸権利の剥奪・非正規化攻撃と一体であり、それが「現代の蟹工船」をもたらしている。したがって戦争と改憲を阻止する闘いと外注化・非正規化を打ち破り、労働運動を再建していく闘いは一体であるということだ。
 鈴コン分会書記長の吉本さんは「戦争か革命か、これに歴史的決着をつける。安倍を打倒する力はすべての労働組合が大同団結してストライキで闘うことだ」と発言。集会参加者全員の気持ちを表現していたと思う。

(写真 「安倍を倒そう」と参加者全員でシュプレヒコール)

小泉義秀(東京労組交流センター事務局長)

レポート,記事0294

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