■闘う合同一般労組 吉崎製作所の会社解散攻撃ー絶対許せない!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0299号13/01)(2015/02/01)

■闘う合同一般労組 吉崎製作所の会社解散攻撃ー絶対許せない!

■闘う合同一般労組

吉崎製作所の会社解散攻撃ー絶対許せない!

越智 義明(東京東部地域合同労働組合東部ユニオン吉崎製作所分会執行委員)

■2014年11月25日

―突然会社解散を発表!

 東部ユニオン吉崎製作所分会は、千葉県白井市に工場を持つ自動車部品メーカーで働く労働者で作る組合です。主にホンダの自動車部品を製造しています。金属プレス加工を行っており、客先にてゴムが付けられて防振ゴム(エンジンの振動を抑える役目)となり、自動車のエンジンルームなどに取り付けられます。 2012年10月に客先である山下ゴムに会社が買収され、翌年1月に東京都葛飾区にあった葛飾工場から白井工場への移転・統合を契機に結成されました。組合を結成してからは、有給休暇をとっても皆勤手当が付くようにし、夏の過酷な労働状況(場所によっては40℃を超え、過去には病院に運ばれた人もいた)のためにウォーターサーバーや熱中症チェッカーを取り付けさせました。また安全委員会を設けて工場・倉庫内の安全対策を強化するなど、さまざまな活動を行ってきました。その吉崎製作所分会は、今、突然の会社解散攻撃に対して、懸命に闘っています。
 11月25日に冬季一時金についての団体交渉を行う予定でしたが、その団体交渉の冒頭に会社側からこの会社解散の件を突然申し渡されました。しかも解散時期は15年の6月末とのこと。
 最初会社側は、15年6月末に従業員に退職金と基本給3か月分に相当する加算金、15年6月末時点で残っている有給休暇の買い上げの支給を行うので、会社解散の同意を12月10日までにして欲しい、さらには会社解散の同意を12月10日までにした者には、加算金諸々を12月の給料支給時に1か月分前倒しで支給する。しかし、12月に同意書に署名・捺印しない者には一切加算金を支払わないという分断攻撃を仕掛けてきました。この分断と会社解散前提の提案に対して組合側は猛反対。その12月10日までの同意という話は撤回させました。
 葛飾工場から白井工場への移転の時も、実は同じパターンの攻撃がかけられました。その時は、移転の説明が行われてから1週間以内に白井工場へ行けるか行けないかの回答をして欲しい、といった具合でした。しかも暮れに近い11月4日にその説明があったのです。
 吉崎製作所は、2012年10月に山下ゴムに買収され、山下ゴムの100%子会社になったので、経営陣はすべて山下ゴムから送り込まれている者たちです。その親会社である山下ゴムは2014年3月業績において、何と経常利益が39億2000万円で前期比155・8%増、という空前の利益を上げています。それもそのはず、山下ゴムはコストダウンのために国内の工場で働いている労働者を次々とリストラし、人件費の安いインドネシアやベトナムなどの海外に生産をシフトして利益を上げているのです。労働者の生活など一顧だにしていないのです。労働者をまるでモノのように扱っている会社なのです。
 トヨタやホンダといった自動車メーカーは、円安の効果もあり史上空前の利益をあげていますが、我々末端の自動車部品メーカーにはその恩恵が届かないのです。コストダウンを強いられ、搾れるだけ搾りとられているのです。まさにアベノミクスと言われている、新自由主義政策の悪影響なのです。
 吉崎製作所の会社解散の理由は、「赤字だから」ということですが、親会社である山下ゴムはこのように利益を上げているのです。企業経営努力もろくにせず、「赤字」を我々労働者に押し付けて、あげくに解散をするというのは本当に許せません。
 また、6月頃から労働者にバレないように300㌧以上の在庫を作り、計画的に会社解散の準備を進めていたのです。このやり方も本当に許せません。12月11日にこの件で団体交渉を行いましたが、この会社解散はあくまで山下ゴムが決めたこと、の一点張り。我々労働者の雇用責任については「雇用のこの字」も出ませんでした。
 吉崎製作所の経営陣は会社解散となっても親会社の山下ゴムへ帰れるのです。しかし、我々労働者は会社解散となったら解雇と同じ、路頭に迷ってしまうわけです。この会社解散は何としても撤回させなければならないのです。
 100%子会社ということは、雇用責任は親会社である山下ゴムにあるので、そこで12月25日に山下ゴムへの団体交渉要求を出しました。

■山下ゴム、団体交渉を拒否!!

 しかし、山下ゴムは12月25日の団体交渉について、回答期限であった12月22日に何と「拒否」と言ってきました。100%子会社である我々吉崎製作所の雇用責任の追及、会社解散の撤回をさせるべく、山下ゴムとの団体交渉を要求していたのですが、見事に蹴ってきたのです。「こうなったら山下ゴムに乗り込んで社前抗議行動だ!」と組合員は意気揚々としています。
 早速、団体交渉予定であった12月25日に1回目の山下ゴムの社前で抗議行動を行いました。東部ユニオンの仲間も駆けつけてくれました。「私たちは、会社解散反対・解雇阻止で団結して闘い、絶対に吉崎製作所と親会社の山下ゴムに雇用責任を取らせます。山下ゴム本社周辺にお住まいの皆様、ご支援をお願いします」と最後に訴え、30分間熱弁をふるいました。そして山下ゴムの周辺住民にはビラを配りました。受け取ってくれた方からは、共感と激励の言葉もいただきました。本当に励みになりました。
 本年最初の闘いとして、1月17日に吉崎製作所の社前で抗議行動を行い27人が結集しました。「山下ゴムと吉崎製作所は我々労働者の雇用責任をとれ!」「吉崎製作所の会社解散を撤回しろ!」「労働者をなめるな!」と訴えました。また山下ゴムの社前でも近いうちに抗議行動を行う予定です。
 とにかく山下ゴムが団体交渉に応じるまで、そして会社解散を撤回するまでは、この山下ゴム・吉崎製作所双方での社前抗議行動は続けていくつもりです。我々吉崎製作所分会は、会社解散の撤回に向けて闘い続けていきます。
 多くの仲間のご支援をよろしくお願い致します。