福島圧殺と被曝強制を許すな!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0301号04/01)(2015/04/01)

福島圧殺と被曝強制を許すな!

国鉄労働者を先頭に1100人が結集!

3・11反原発福島行動’15の報告

 藤井千賀子 ふくしま合同労組書記長(郡山市在住)

 3・11の大結集のために、昨年の11月から準備が行われました。実行委員会では毎回激論しました。「周囲の人たちがあきらめモードになっている。しかし福島の70%くらいの人たちは、外部被曝や内部被曝を不安に思っている」。「仮設の人たちは4年も時間の止まった中におかれ、心も体もボロボロになっている。そういう人たちが、動労水戸のストライキを大歓迎してくれ、ふくしま共同診療所の訪問には『やっと信用できる病院を見つけた』と喜んでくれる人がどんどん出てきている」「だから自分たちは、絶対にあきらめてはいけない! 国や県や市や町が日々あきらめムードをあおりたてている中、これに断固として対抗する軸を立てていこう。それが各地域の各職場の労働組合だ」と、自分たちの立ち位置、何のために3・11をやるのかを確認しながら進めてきました。
 毎週水曜日と日曜日は街頭に出て宣伝し、労組まわりも行なってきました。全国の仲間の応援もあり、これまでにない70か所以上の労組に訴え、交流を深めることができました。
 3・11前日には30人以上の仲間が集まり、郡山駅前街宣が圧倒的に行われました。
 そして当日を迎え、ものすごい大雪で新幹線も止まるという悪天候の中、集会の始まりから終わり近くまで、ぞくぞくと会場に入ってくる全国の仲間の隊列が続き、1100人が結集しました。
 主催者あいさつに立った国労郡山工場支部の橋本光一さんは「アキラメの強制が日に日に大きくなっていく中で、絶対勝てるんだという確信と闘いの方向性を与える『実体』をつくりあげていこう。一つは動労水戸の存在。被曝労働との闘いを今こそ反原発闘争の軸に据えること。もう一つはふくしま共同診療所の存在。公安調査庁が名指しで診療所を攻撃している中、開催された3・8医療シンポジウムは圧倒的な成功だった。ふくしま共同診療所は、今や絶大な信頼を福島において、いや全国においてもかちとっています。動労水戸やふくしま共同診療所のような福島の怒りと結びつく『実体』をさらに大きくしていくとともに、皆さんの職場に、皆さんの地域に次々にその『実体』をつくりあげなければならないと思います。そしてその運動を発展させる中で、原発を必要としない社会への変革を勝ち取る必要があります。あらゆる人たちと連帯し、反原発運動を拡大発展させ地球上から原発を無くしていきましょう」と高らかに呼びかけられました。
 集会は、沖縄の労働組合の青年労働者と長崎の反戦被爆者・城臺美彌子さんの発言があり、福島からのアピールへと続きました。中でも高校生からのアピールは「世界の人たちとつながって原発反対の運動を今こそやっていきましょう!」と力強い発言でした。
 いよいよ待ちに待ったデモです。東京の集会並みの公安警察に会場出口で迎えられましたが、力強いデモコールの一声でブッ飛ばし、意気揚々と郡山市内デモに出発しました。いたるところで郡山市民との交流が始まりました。自転車に乗った若者2人がデモ隊と一緒に笑顔でコールに唱和していました。飛び入りで中学生や若い女性もデモに合流してきました。事前にあいさつ回りをして3・11の手ぬぐいを配っていた商店街では、外に出てきて声援を送ってくれる人も現れ、2階から窓という窓にたくさんの顔が張り付くような感じで大注目でした。デモ隊は旗や手を振りながら、「一緒にデモしましょう!」呼びかかけなら行進しました。
 郡山駅前に到着すると、かんしょ踊り隊がぐるぐる回りながら闘いの広場をつくりました。青年を先頭に小集会が開かれ、労働組合の力で原発の再稼働・戦争・首切りを絶対阻止し、新たな社会をつくり上げようと力強い檄が発せられました。

郡山駅前プレイベントの報告

 山口照晃 全国農民会議事務局(福島市在住)

 3・11郡山駅前プレイベントは雪が舞う中での、感動的なイベントとなりました。全国、そしてなによりも福島で3月11日に反原発集会をやる事の意味をそれぞれの方法で、本当に楽しく、真剣にアピールしました。
 ふくしま共同診療所を「希望診療所」として歌い上げた東京の労働者、獄中40年の星野文昭さんを取り戻す歌「ソリダリティ」を歌う動労水戸の組合員。神奈川のバンドはその「ソリダリティ」をかっこよいロック調にし、また関西のバンドは最後の最後に「国境をなくそう」と高らかに歌い上げて、3・11本集会への参加を力強く訴えていました。
 また動労水戸の石井委員長がこの1年でのストライキの闘い、そして新たな青年を組合に獲得する過程を話してくださいました。「被曝労働」が平気で許されているこの現実を、労働組合が力を持って闘った時に変えられるんだと誇り高く報告されました。
 この郡山駅前でのプレイベントでは、全国から駆けつけてきた学生の力によって、多くの労働者や学生、市民が注目して下さいました。その中では、当日3・11の集会に向けてビラ撒きを手伝うと言った青年、またプレイベントを見て、本集会へ参加を決めた中学生が登場するなど、最後の最後まで集会への組織化の場所となりました。
 「希望診療所」の歌詞には「みんなの希望集めて 作ったこの場所 ここから 新しい未来 一緒に歩いていこう」との歌詞があります。その通りに郡山駅前での3・11プレイベントによって、多くの福島の希望が集まり、それが3・11本集会への一緒の行動に結実したと思います。
 最後に大変寒い中、プレイベントを共に成功させて下さった出演者、全スタッフ、そして多くの聴衆の皆さんに感謝します。ありがとうございました。