8・15労働者・市民のつどいに580人

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0306号08/01)(2015/09/01)

いよいよアベを倒すとき 戦争法成立阻止、安倍70年談話粉砕!
8・15労働者・市民のつどいに580人が結集

北島邦彦(東京西部ユニオン副委員長)

 猛暑の続く8月15日の東京。錦糸町のすみだ産業館に向かう「戦争法案成立阻止!安倍70年談話粉砕!8・15労働者市民のつどい」参加者の胸には、みな一様に勝利の歓喜が刻み込まれていました。前日に閣議決定された「戦後70年談話」に心の底から怒るとともに、安倍政権が追い込まれている崖っぷちの危機をその談話に見ていたからです。
 そしてその勝利を象徴するかのように、障害者福祉作業所「オープンスペース街」弾圧を、19日間におよぶ完全黙秘の闘いで勝ちぬいた2人の仲間が帰ってきたからです。いつものように集会妨害をこととする公安刑事たちですが、参加者と視線を合わすことさえできない体たらくです。
 8・15集会はその冒頭から、安倍「戦後70年談話」に対する怒り!怒り!怒り!に貫かれていました。近代の日本帝国主義によるアジア・太平洋への侵略戦争を居直り・正当化し、「積極的平和主義」という軍事力行使=戦争への宣言が、この「戦後70年談話」に他なりません。「4つのキーワード」が入るかどうかなどといった、文言の問題ではありません。しかし、安倍首相によって読み上げられたこの談話が、いかにも空疎に響くのはなぜでしょうか。日本帝国主義の国益―新自由主義の擁護者としての迫力はまったくなく、ただただ表層的な字句を連ねたものでしかありません。この談話を具体的・物質的に担保するはずだった安保法制強行への凶暴な安倍政治も、いまやその帰趨はまったく不透明なものに追い詰められています。
 主催者挨拶・葉山岳夫集会実行委員会代表、刑事司法改革関連法案成立阻止を訴える武内更一弁護士、国会傍聴16年の平和遺族会全国連絡会・西川重則代表、森川文人弁護士のアピールと、一貫した弾劾・提起が行われました。
 8・15集会は現在の階級情勢―安倍打倒の革命情勢を体現するものでした。もとより、階級情勢の大激動は、〈動―反動―動〉のすさまじい過程として進んでいくものであり、その渦中で「街」弾圧も仕掛けられました。だからこそこの弾圧を粉砕した勝利は、安倍打倒の大反攻として輝いています。

(写真 【写真 民主労総ソウル本部の女性委員会キムジンスク委員長】)

 動労千葉を先頭にした日本の労働者と民主労総との国際連帯活動も、すでに12年余になります。その端緒をつくり出したのは、20周年を迎えるこの8・15集会です。民主労総から発言されたキムジンスク・ソウル地域本部女性委員長は、英資本テスコ傘下の大型スーパー・ホームプラスで労働組合結成に参画し、10人から始めた組織化はいまや2500人にまで広がっています。その経験から打ち出される非正規職撤廃と並ぶ「最低賃金1万ウォン」の要求は、パククネ政権が強行している「労働構造調整」の根幹と対決する闘いであり、パククネ打倒闘争そのものの柱をなす闘いだと感じられました。民主労総との国際連帯は、さらなる深まりと広がりを築いています。集会翌日には、合同・一般労働組合全国協議会との間で、より濃密な議論・交流も行われています。
 動労千葉・田中康宏委員長は、日本のマスメディアが民主労総のゼネストを一行も報道しない現実は、すでに戦争が始まっていることの隠しようもない表われだと喝破しました。私たちこそ民主労総のゼネスト闘争を広く伝えていくことが必要で、労働組合のゼネスト闘争こそ必ず戦争を止めることができると確信したと訴えました。安保法制のねらいが「朝鮮有事」にあることは、安倍首相自身が国会で答弁しているところです。すなわち、民主労総のパククネ打倒闘争に対して、日本が軍事介入して壊滅させると言っているのです。自国政府打倒戦―戦争絶対反対で国際連帯を実現するゼネストを打つ階級的労働運動を、国鉄労働者とともにつくり出していく課題がますます鮮明になりました。
 動労水戸・石井真一委員長が発言しているように、安倍政治―戦争への広範な怒りがあるが、その勝負は労働運動の動向にかかっており、その核心に国鉄労働運動解体攻撃を阻んできた国鉄労働者の闘いがあるということです。ふくしま共同診療所・布施幸彦院長の報告から浮き彫りにされたように、動労水戸の闘いは原発労働者・除染労働者、福島県民との広範な団結にまで発展しつつあります。
 沖縄からはIJBS労組・富田晋委員長が登壇しました。辺野古新基地建設工事の一時中断は、国会前の怒りと沖縄の辺野古新基地阻止の闘いが一体化しようとしていることへの恐怖によるものであると述べ、基地労働者の異動―非正規化への怒りを粉砕できていないという安倍政権の無準備を鋭く突き出しました。また、Seals指導部の体制擁護的発想に触れ、沖縄は70年間「平和」だったことなんかないと弾劾。安倍を倒すためには全体を獲得すべき闘いであるゼネストしかないと、沖縄労働者の決意を発言しました。
 それを受けて自治体で働く青年労働者・齋藤知春さんから、「街」の弾圧を通して自らの仕事と戦争のつながりを実感したとの発言があり、法律で決められようが逮捕されようが、絶対反対で闘うことが自分たちの闘いであるとの若々しい決意に、会場全体が奮い立ちました。
 すべての原発いますぐなくそう!全国会議・東京の佐藤賢一代表、全学連・斎藤郁真委員長の発言に続き、集会のまとめを合同・一般労働組合全国協議会・小泉義秀事務局長が行いました。安倍「戦後70年談話」は軍事=戦争によるブロック化の宣言であると規定し、戦争絶対反対の闘いでこれを迎え撃つ闘いをつくる。そのためにも国鉄決戦が軸であり、「国鉄1047名解雇撤回!外注化・非正規職化阻止!動労千葉鉄建公団訴訟最高裁棄却弾劾!8・23報告・決起集会に参加し、動労総連合建設をやりぬいて、安倍打倒へ突き進もう」と訴えました。最後に、民主労総から教えてもらったスローガン「粘り強く闘えば勝てる!」を韓国語で述べ、闘う意欲と勝利感に満ちた8・15集会を貫徹しました。

レポート,記事0306

Posted by kc-master