2016年頭アピール ゼネストに突き進む階級的労働運動を展開しよう!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0310号02/01)(2016/01/01)

2016年の年頭アピール
動労総連合を先頭にゼネストに突き進む階級的労働運動を展開しよう!

辻川 慎一(全国労組交流センター代表 動労水戸副委員長)

はじめに

 年末も年始もない忙しさかもしれませんが、明けましておめでとうございます。
 今年は、動労千葉の国鉄分割・民営化反対第2波ストライキ、動労水戸・高崎結成―動労総連合結成から30周年。記念すべき年です。全国労組交流センターとして今一度原点に立ち戻るとともに、30年間の不屈の闘争で切り開いてきた階級的労働運動の核心的地平をはっきりさせ、その真価をかけて16年春期から勝負する時を迎えています。

動労総連合建設を軸にした青年労働者指導部建設の勝利

 世界大恐慌と戦争情勢に追い詰められた安倍政権の戦争・被曝・非正規・貧困の強制に対する怒りが国会前闘争として歴史的に爆発する情勢に対し、全国労組交流センターは、動労総連合全国建設を軸に合同・一般全国協(合同労組)建設と基軸産別拠点建設を推進し、青年労働者指導部の意識的建設をはかってきました。
 共産党やシールズの国会前闘争と職場・学園の分離による「現状の容認」に対して、資本との攻防の最前線である職場で「労働者階級として一歩も引かない」闘争を不屈に展開してきました。そこにこそ、資本主義体制の矛盾と闘いの非和解性の土台があるからです。
 明日をも知れない非正規雇用は、人間扱いもされない強権支配と使い捨てによって、他者との関係で形成される自尊心を破壊し、心を病み命を絶つ青年労働者を量産しています。同時に超低賃金は、高カロリーで栄養価のない低価格の「ジャンクフード」への依存を生みだし、栄養失調による肉体破壊を進めているのです。職場と生活の両面で若き生命力がとことん搾取と収奪され、戦争動員が狙われています。急速なアメリカ社会化です。
 私たちは、この青年たちに労働者階級としての根源的力を見い出し、労働組合を通して誇りを伝え、一人また一人と決定的な人格を打ち立ててきました。重要なことは、この組織的実践が、青年たちの指導部集団を形成しはじめていることにあります。
 民主労総は、「目に見えない小さな勝利の積み重ねの上にゼネストがある。私たちも最初は200人の活動家から始まった。あなたたちなら必ずやれる」と最大のエールを送っています。これに深く応え、動労総連合全国建設と一体で決定的勝利を一つ一つ積み上げてきたのです。この2015年で切り開いてきた核心的地平の中に、2016年春の闘いの展望があります。

体制内労働運動の否定から階級的労働運動の創造的展開へ

 国会決戦の階級的核心は、戦争・被曝・非正規・貧困をめぐる体制の打倒の問題であり、プロレタリア革命の問題です。だからこそ「民主主義を守れ!」というシールズや共産党の必死の反動が生まれたのです。彼らが守る民主主義とは、金と国家暴力に守られたブルジョア支配体制に他なりません。核心問題は、労働者階級と人民の未来そのものである青年が、この「幻想」を自立と共同を原理とする階級的団結の力で突破していくことにあります。この幻想の突破は、マルクス主義の打ち立てとラジカルな闘争の一体的展開とともに、ブルジョア支配の支柱である内外の体制内労働運動を打ち破ることを通して実現されるのです。動労総連合全国建設とは、戦後体制内的労働運動の残渣を自らの中に厳しく見据え、根本的に決別し新たな階級的労働運動を創り出していく過程なのです。それは、労働を通じて自らつくり出したものへの厳しい批判を通して、新しい自己へと飛躍する人間労働の本質を貫いた運動を展開するということです。普遍性の中に、共同性があります。
 「4・9和解」で総破産した「戦闘的労働運動」は、労働者の闘いを現状の体制内に抑えるための運動です。一見激しい戦闘的戦術も、あくまで体制と折り合うためにある。したがって、その「戦闘的戦術」の中に、ブルジョア支配からの自由はありません。労働者階級としての解放性が無いのです。ブルジョア支配からの人間的解放と切断された戦術は、根本的に不自由であり、徒労感と敗北感に満ちた展開になります。そして、自己解放でなく呪縛を生むのです。
 人類史的段階を踏まえた、労働者階級の解放を通じた人間の全的解放と切断されたいかなるあり方も根本的に不自由です。だから体制内労働運動は、現場労働者の主体性や積極性をその運動の疎外物にします。私たちはこの「戦闘的」体制内労働運動からの意識的決別と青年の歴史的主体としての確立を一体の過程として展開し、その核心をつかんできました。ここに動労総連合全国建設と一体の階級的労働運動の展開の根底的勝利があります。

JR体制破産に現れる社会崩壊時代の労働組合の役割

 資本主義社会は、過剰資本・過剰生産力の矛盾による究極の限界を迎えています。今や資本主義が前提としている労働者階級の再生産の放棄を軸に、人間社会の統一性を激しく破壊しているのです。安倍政権を支え、この労働者階級と人間社会破壊の最先頭に立っているのがJRです。
 このJRと30年間にわたって激突し抜き、新たな階級的労働運動を生み出しているのが、動労千葉・水戸を基軸とする動労総連合です。
 動労総連合は、第2の国鉄分割・民営化攻撃を巡る2015年決戦において、正規と非正規、本体と関連企業の分断を打ち破る単一の産別労働組合として自らを決定的に進化させました。それは同時に、労働者階級が労働組合を通じて社会的責任を取っていくことで、資本主義支配体制に根底から引導を渡していく労働運動の開始でもあります。労働を労働者階級自身の共同性において奪還し、とりわけ青年労働者を時代と社会の決定的主体として根底から打ち立てる労働組合を打ち立てました。「ブルジョアジーの責任だ。しっかりしろ」ではなく「私たち労働者が責任を取る。お前たちは退場だ!」への根底的転換です。
 全ての民衆の人間的存在性を背に受けて、ブルジョアとその国家暴力支配を労働者階級の団結で打ち破り新たな社会の展望を開いていく過程へ。2016年春、人間と青年労働者を時代と社会の決定的主体に打ち立て、ゼネストにつき進む階級的労働組合運動を展開する基軸こそ全国労組交流センターです。
 2月総会の歴史的成功へ!