激動の2017年決戦へ 動労水戸第35回定期大会

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0323号05/01)(2017/02/01)

激動の2017年決戦へ!
団結の強化・拡大と国際連帯をかちとった動労水戸第35回定期大会

 西納 岳史(動労水戸書記)
 組合結成30年の節目となった2016年から年が明け、新たな「1年目」を踏み出す思いで迎えた動労水戸第35回定期大会は1月15日に開催されました。国鉄分割・民営化から30年を経て、JRが狙う「第2の分割・民営化」と真っ向から対決する路線と方針を打ち固める大会となりました。
 大会会場として今年は組合員とその家族が団結と共同性を育んできた水戸市・千波社宅集会場を選び、さらに今回は昨年の訪独で交流を深めたドイツ機関士労組(GDL)ベルリン都市鉄道支部長のクルト・シュナイダーさんを迎えての大会となりました。
 大会冒頭の委員長あいさつでは、石井真一委員長が前々日に行われた動労総連合出向無効確認訴訟で、JRによる「水平分業」=鉄道業務全面外注化攻撃の意図を暴いたことを報告。
 組合結成30年の地平に立って、「①法廷闘争と職場闘争を一体で闘い、JRによる全面外注化・子会社化断固阻止で闘う、②常磐線全線開通阻止・被曝労働拒否闘争の決定的局面として、今春浪江―小高間開通との対決を、③乗務員への労働強化・合理化と闘いライフサイクル制度撤廃へ、④エルダー再雇用問題を外注化の破綻ととらえ、当該組合員を先頭に闘う。組合差別裁判の勝利を、⑤動労総連合全国建設・動労総連合青年部結成の取り組みを青年労働者を先頭に強力に推し進める」と提起しました。
 動労千葉・動労総連合の仲間、全国で闘う仲間、地域の労働組合、支援団体の方々、それにクルトさんからの来賓あいさつの後、この日乗務員ストライキに入った国分勝之・高野安雄副委員長がそれぞれ総括・情勢を提起しました。
 木村郁夫書記長が、2017年度の闘争基調と方針を提起しました。
 その後の自由討論では、4人の青年組合員が全体をリードして発言に立ちました。
 組合加入から1年になる水戸鉄道サービス(MTS)土浦事業所の長山俊組合員は、職場での極限的労働強化と過酷な労務支配の中、1年間の闘いを通して現場労働者の動労水戸を見る目が変わってきたことを紹介。
 水郡線運転士の羽部圭介・大子支部長は、支部・職場での真摯な討論を通して団結の強化拡大に挑戦している取り組みを報告しました。
 昨年の年末年始にライフサイクル強制配転反対の闘争を当該として闘い抜き、9月にはドイツを訪問した曾澤憲一組合員は、乗務員のみならずライフサイクル配転先の職場でも組織拡大に挑戦する決意を訴えました。
 照沼靖功組合員は、青年労働者が先頭に立って動労総連合全国建設を進める決意を語り、そのための最大の方針として動労総連合青年部を立ち上げることを訴えました。
 また、組合員家族からは、ふくしま共同診療所が呼びかけている「被曝と帰還の強制反対署名」の取り組みが報告され、社宅の隣人・知人・親戚等に呼びかけて1人で100筆近い署名を集め、組合員家族全体でも200筆に届く署名を集めていることが報告されました。
 運動方針と「星野文昭さん奪還決議」「被曝と帰還の強制反対署名に取り組み2・26舞鶴―3・11福島に総決起する決議」が採択され、役員選出では新たに曾澤組合員が執行委員に選出されました。
 最後に、辻川慎一副委員長がまとめの提起として、「労働者を分断と競争に貶める資本主義社会との鮮烈な対比として、動労水戸30年の闘いが仲間との団結にかけて労働の誇りと共同性を奪い返す闘いとしてあったことを振り返り、激動の時代に生きる労働者・青年への熱烈なアピールとして我々の闘いをさらに推し進め、圧倒的な組織拡大と勝利の展望をもって2017年を意気軒高と闘い抜こう」と檄を発し、大会を締めくくりました。
 大会後の旗開きも、多くの参加者を迎えて大いに盛り上がりました。
 国鉄分割・民営化から30年を迎える今年は、JR体制の崩壊の年となるに違いありません。JR北海道をはじめとする三島会社(北海道・四国・九州)・貨物の経営破綻状態の中から、JR東日本もまた「選択と集中」の路線のもとに地方ローカル線切り捨てと安倍政権と一体となった東京五輪推進に突き進んでいます。
 なにより分割・民営化後に採用された「平成採」青年労働者に対しては、「第2の分割・民営化」としての全面外注化・分社化推進と一体で、「用済み」として切り捨てる攻撃が始まっています。その行きつく先は、すべての業務をJR子会社・関連企業が担い、JR本体はその利潤を吸い上げるだけの「ホールディングス」となることを意味しています。鉄道の安全の崩壊、労働者の生活と人生が破壊されていくことは明白です。
 同時に、「スト権投票」で混迷を極め、それでも一部幹部の生き残りに汲々とするJR東労組を筆頭に、体制内勢力を使った労務支配は完全に立ち行かなくなっています。
 鉄道労働の現場を襲う矛盾と対決して粉砕できる、「労働者自身が主人公の労働組合」として動労総連合を全国に打ち立てる時は今しかありません。
 ロシア革命から100年を迎える今年2017年は、まさに決戦の年です。全国・全世界の仲間とともに、動労水戸は今年も闘います。

(写真 石井真一委員長とクルト・シュナイダーさんの交歓)

特集0323

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