徳島刑務所包囲闘争-9・10徳島刑務所包囲闘争の報告

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0331号16/01)(2017/10/01)

地平線
青年が牽引した徳島刑務所包囲闘争!-星野文昭さん奪還9・10徳島刑務所包囲闘争の報告

(写真 徳島刑務所包囲闘争)

狩野満男(全国再審連絡会議共同代表)

 9月10日、徳島刑務所包囲闘争は、9日の徳島駅頭街宣、11日の刑務所申し入れ、差し入れ行動など全体を通して、怒涛の熱気と解放感に満ちた闘いとなった。加えて7月に続く高松の更生保護委員会への要請行動も攻勢的に勝ち取られた。
 今回で5回目となる包囲デモに向けて、刑務所周辺の住人の署名が画期的に獲得されている。着実に徳島の地での幅広い認知と共感を掴みつつあることを知り、「この闘いで星野文昭さんを取り戻せる」と実感する闘いであった。
 鮎喰川河原での集会は430人の結集で、軽トラック2台をつないだステージ、4張りのテントが準備された。反戦の最前線に立つ韓国ソンジュのサード配備反対闘争や三里塚を想起させる、現地野戦闘争の設定だ。ここに大坂正明さんの存在と闘いとの合流に追い詰められた警視庁公安7人が初めて姿を現し、権力の意思を晒した。警視庁、検察庁、裁判所との決戦情勢を示す号砲が打ち鳴らされたということだ。
 集会は全ての人が自らの闘いを胸に星野さんとの団結、合流を求める場となった。「激励」を超えて、皆が「星野文昭」として駆けつけている。発言はこの思いが貫かれていた。
「ここに来て、ますます頑張ろうと思いました!」。都庁レストラン解雇撤回を闘う柿沼庸子さんの刑務所裏手丘からの呼びかけは圧倒的な決意の表れであった。新たな闘いが星
野闘争の主体として屹立している。
 徳島では日々、国鉄闘争と共に星野闘争が闘いの中心軸に据えられている。星野闘争を主体的契機とする青年労働者の闘いが昭誠館闘争として粘り強く闘われている。人事評価制度との対決や組合結成を口実とする不当な賞与金カット、団交拒否との闘いは、星野さんとの強い団結で不屈に貫かれている。
 徳島行動は10日早朝の昭誠館門前闘争で火ぶたを切った。当該を先頭に包囲闘争に結集した関西、中四国、動労水戸など全国から42人が立ち上がり声をあげた。一人の決起に星野闘争そのものとして全国の仲間が駆けつけたのだ。星野さんの存在と闘いは、困難な壁があっても強固な土台となり支えとなっている。要請を貫徹し、闘いきった当該のすがすがしい笑顔がなによりの勝利の証だ。星野奪還は誰もが本来持つ、人間としての本質を取り戻す闘いであり、社会変革を担う自己解放と団結を取り戻す闘いだ。ここにもうひとりの星野さんが生み出されている。
 今回の徳島行動をけん引した力は、星野さんの闘いを我がものとする青年の闘いだ。それは徳島を先頭に、動労総連合青年部を核とする西日本の青年労働者、学生達の闘いだ。
 7月に続き、全国総会で初となる青年集会が勝ち取られた。「青年こそ星野闘争を担う」決意が、徳島行動全体を担いきった。さらに斬新なスタイルも含め、その戦闘性によって私たちの闘いは大きく飛躍するだろう。この1年間の闘いで、絶対に星野さんを取り戻そう。

地平線,連載0331

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