闘う合同一般労組 故田口組合員の不当解雇撤回を勝ち取った

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0338号11/01)(2018/05/01)

闘う合同一般労組
故田口組合員の不当解雇撤回を勝ち取った! 次は職場支配権の奪還と組織拡大だ!

(写真 5・1メーデー集会で発言する鈴コン分会)

吉本 伸幸(東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会書記長)

 鈴コン分会は約9年間の第一次争議に完全勝利決着を勝ち取りました。苦しいこと辛いこと折れそうになることがたくさんありました。しかし鈴コン分会は、3代目鈴木善弘分会長を中心として団結が崩されず、負けませんでした。全国の闘う仲間の皆さんから多くのご支援と連帯を頂き勝ち取れた勝利だと思っています。心から感謝申し上げます。
 「非正規が闘って勝った!」 この言葉は、鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議花輪代表の言葉です。鈴コン分会の長期にわたる闘いを共に命をかけて闘って貰いました。第一次争議は決着しましたが、本当の職場での第二次闘争はこれからが本番です。花輪代表と鈴コン分会支援・連帯共闘会議呼びかけ人皆さんと共に、これまでに受けた支援を運動でお返ししていきます。
(第一次争議完全勝利内容は3月20日付の勝利宣言参照)

60歳定年と減額就労へ怒り

 職場では、60歳定年と減額就労が最大の問題になっています。職場の仲間の声は、「生コンを運ぶ重要な運転業務の運転手が全員アルバイトなのはおかしい」「我々運転手を何だと思っているのか」「賃金は一切上がらず、60歳になったら正社員にならって定年とし、賃金を下げて働く。納得がいかない。ふざけるのもいい加減にしろ」と怒りと不満の声が爆発寸前の状態になっているのです。
 根本的原因は「会社を守り支える会(SJK)」が2014年10月17日就業規則の改悪に合意し始まったのです。
 SJK代表の花石と鈴木富美子社長が、就業規則にアルバイトの「60歳定年」「60歳以降の労働条件は60歳前の条件とは異なる。それを会社が決める」「満65歳に達した日で退職」と明記したのです。不当な就業規則の改悪です。職場の運転手仲間の怒りの矛先がSJKに向けられるのは当然です。当たり前ですが3か月契約雇用に定年はありません。故田口組合員の約9年間の解雇撤回闘争の柱は「60歳定年、減額就労の不当労働行為」でした。東豊商事の鈴木富美子社長も2009年7月24日、第1回団交で「正社員の定年と勘違いしていた。アルバイトには定年はなかった」と明言しています。
 3か月雇用契約を交わし、60歳以降も定年や賃下げもない雇用契約で、故田口組合員は就労していたのです。

運転士蔑視発言への怒り

 さらに、昨年12月の団交での鈴木雅章氏(現:鈴木コンクリート工業社長兼東豊商事社員)の「運転手蔑視」発言が職場の怒りに火をつけたのです。「運転手は運転しか出来ないからアルバイトなんだ」。鈴コン分会が職場で「鈴木雅章氏が運転手についてふざけた発言をした」と皆に話しました。怒らない運転手は一人もいません。自分の腕に自信と誇りを持って輪っぱを回しているのです。「あの野郎、まともに運転も出来ないくせに運転手をコケにしやがって!」「運転手が生コンを運んでいるんだ。じゃあ奴に生コンを運んでもらうか」「運転しか出来ないと言うのだから、はつり作業(生コン車タンク内の掃除)は野郎にやってもらおう」等、怒りの声が沸き上がっています。

SJK解散過程を作り出した

 就業規則改悪への矛先が「SJK」に向かう中で、3~4月の間、職場でSJKと思われる者に聞いて回りました。「おまえはSJKだな」と言うと、面白い答えが返ってきたのです。「鈴木富美子社長から名前だけSJKにしといてね。名前を貸すだけでいいから」と言われたというのです。会社は「SJKは職場での過半数を有する労働組合だ」とほざいていますが、SJKは代表の花石と副代表のF、書記長のAの3人しかいないことが判明したのです。副代表のFも書記長のAも2009年7月鈴コン分会結成当時からの仲間でした。しかし、鈴コン分会を裏切り、会社に転んだ連中です。しかし、副代表のFが俺のところに来て「鈴コン分会を真っ先に抜けたのは俺だ。皆を裏切って組合を抜けたことは反省している。ハッキリ言うが、そもそもSJKは、鈴木富美子社長が鈴コン分会を潰すためにお願いだから協力してと言って出来たものだ。吉本の言うようにSJKは過半数どころか実体など何もない。吉本達3人が解雇を撤回し4年くらい前に職場復帰してからは、SJKは壊滅状態だった。俺はSJKを脱会する。SJKなど意味が無い。鈴木富美子社長の言葉を信じて面倒見てくれると信じていたが何も無かった。信じてバカだった。SJK解散に協力する。しかし何かあったら協力してくれ」と言ってきたのです。「わかった。良く決心してくれた。鈴コン分会は何があってもお前を守り闘う」とSJK解散に向けて動き出したのです。

職場支配権の獲得へ前進

 鈴コン分会の正義がSJKの崩壊を作り職場全体を獲得する闘いが始まったのです。
 職場の怒りの声、SJK副代表Fの脱会を受けて、鈴コン分会の俺、SJK代表の花石、鈴木雅章の3人が社長室で話をしました。「就業規則改悪過程は、SJK会員は誰も知らなかった。なおかつ鈴コン分会も知らない。こんな就業規則は無効だ。SJKが過半数を有していない。副代表のFが脱会した。Fが明言したが、SJKは鈴木富美子社長の命令で作られたことがわかった。こんなSJKは無効であり、即刻解散しろ」と俺は言ったのです。しかし、花石も鈴木雅章も「Fが言っているだけだ。SJKは職場でたくさんいる」と開き直り、怒鳴りあいになりました。
 しかし、このやりとりの中で、鈴木雅章が「60歳定年減額就労は、会社が皆さんにお願いしての『慣例』となっている」と発言したのです。今まで一度も言っていなかった言葉です。「慣例」なら従う必要はないのです。このことを職場の仲間に報告したところ、職場で怒りの炎が燃え上がっています。「もう黙って会社の言うことを聞く必要がない」「我々が生コンを運ぶ根幹をなす運転手だ」の声が上がりだしたのです。あと少しで、職場支配権を我々の手に取り戻せるところまできました。鈴コン分会の第二次闘争が開始されています。
 改憲・戦争を止め、労働法制改悪を阻止する力は、職場の仲間と共に声を上げ闘い、前進することです。そして、鈴コン分会にもう1人を獲得する闘いに全力をあげます。
 鈴コン分会は負けなかった。闘えば必ず勝利する。「解雇撤回・非正規職撤廃」の先頭で闘って行きます。共にこの道を進もう!

鈴コン分会勝利報告集会

○6月10日(日)14時~
○赤羽会館(赤羽駅徒歩5分)

皆さんの参加をお願いします。