関西地区生コン支部第54回定期大会に参加して

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0344号04/01)(2018/11/01)

※関西地区生コン支部第54回定期大会に参加して

(写真 10・14 関西生コン支部定期大会で連帯挨拶)

吉本 伸幸(鈴木コンクリート工業分会書記長)

憲阻止と関生弾圧粉砕を一体で闘う決意を新たにした!

 10月14日、関西地区生コン支部第54回定期大会が、学動館にて盛大に開催された。安倍政権が警察権力を使い、関西生コン支部のストライキ闘争への報復で、武建一委員長を始め23人が「恐喝未遂・威力業務妨害・強要未遂」で不当逮捕されている中での大会だ。労働組合がストライキを行使することは正当な組合活動だ。この不当な弾圧・逮捕攻撃は、労働組合の活動そのものを一掃し、労働組合を認めず、労働組合活動に共謀罪を適用しようとする攻撃だ。関西地区生コン支部への弾圧は、安倍政権による改憲攻撃と一体の労働組合破壊攻撃そのものだ。
 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会(鈴コン分会)は、組合結成の時から会社の執拗(しつよう)で悪辣(あくらつ)な団結破壊、分断、懲戒処分、解雇など不当労働行為をやられてきた。鈴コン分会の解雇撤回闘争をはじめ、全ての闘いに関西地区生コン支部の故高英男副委員長、武谷新吾書記次長や執行部の皆さん、組合員から多くのご支援と連帯を頂いてきた。そして三役3人は3年で解雇撤回をかちとり原職復帰した。関西地区生コン支部から頂いた「ご恩とご支援」は「闘う運動」でお返しをする。鈴コン分会は小さな組合だが、義理と人情はどこにも負けない。不当逮捕、弾圧には、居ても立ってもいられず今回の定期大会に参加をさせていただいた。
 関西地区生コン支部第54回定期大会は、代議員117人、執行部約20人、来賓60人で、朝9時から開催され、午前、午後の二部体制での大会だった。
 冒頭第54回定期大会の成立が発表され、開会の挨拶が関西地区生コン支部、武洋一書記長から行われた。「13年ぶりの武建一執行委員長不在の定期大会となった。歴史を振り返ると関西地区生コン支部への弾圧は1980年代に31人が逮捕され2人が殺害された。今回は23人が逮捕されたが、7人が処分保留で釈放、3人が保釈された。今回の不当逮捕では、完黙で闘っている。大阪広域協組を乗っ取った4人組(木村、地神、矢倉、大山)は、差別排外主義者グループや右翼を取り込み、関生支部潰しに奔走している。警察権力やこいつらに我々関生は絶対に負けない。組合潰しの代償は大きいことを思い知らせてやる」と、元気に挨拶され、最後に大津警察署留置場に勾留されている武建一委員長のメッセージ(別掲)を紹介された。その後、来賓60人中、約30人が発言され午前中11時30分で午前の部が終了した。
 定期大会に参加して感じたことは、 関西地区生コン支部が弾圧に怯(ひる)むどころか意気軒高として、関生魂にあふれ一糸乱れぬ強
靭(きょうじん)な団結力があることだ。代議員の大半が青年労働者であり、非常に明るい大会だった。
 故高副委員長の「鈴コンを軸に東京生コンを再建してほしい」の言葉を忘れたことはない。11・4労働者集会を成功させ、改憲阻止と関生弾圧粉砕を一体で共に闘う決意を新たにした!

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武建一執行委員長からのメッセージ(抜粋)

 定期大会参加の役員及び組合員の仲間に大津警察留置所より同志的連帯の挨拶を送ります。
 来賓の皆様には常日頃のご支援・ご協力に心より御礼を申し上げます。
 昨年12 月13 日より5日間にわたるストライキはバラ運賃・ミキサー運賃の値上げを求めたストライキであり、大阪兵庫生コン経営者会含め3つの経営者団体の協力のもと大成功したものでした。ところが、ストライキ終結後、大阪広域生コンクリート協同組合の一部役員とヤメ検出身の弁護士により「威力業務妨害・組織犯罪集団だ」というキャンペーンを張り、木村理事長の要請により在特会、レイシスト集団瀬戸、渡辺なる者に金をやるからと協力を求め、1月大阪駅裏での決起集会を実行し、関生支部事務所への暴力的殴り込みを実行しました。
 また協同組合加盟各社に関生役員の組合員使用の車輌の出入りを禁止する。関生事務所への出入りを禁止する。関生役員との接触を禁止するとして、それに従わない会社には割付をストップすることを実行しました。これは労働組合に対する不当労働行為であると共に協同組合の独禁法違反行為であります。……関生の組合員の生活権が侵害されています。
 この攻撃に立ち上がったのがTYK 高槻生コンです。いよいよ反撃体制に入ったその時、滋賀県警による幹部4人の逮捕、大阪府警による大量逮捕です。今回の関生への敵の攻撃は反社会的勢力をも利用して関生の弱体化を図り、関生と中小企業の分断であり、その狙いは中小企業主導型の協同組合を大企業中心の産業構造に転換することにあることは明白である。「関生型運動は資本主義の根幹に触れる運動だ」との立場で権力中枢部からの攻撃と見るべきです。
 それは関生が敵の弱点に刺さり込む運動を展開し敵を追い詰めているからです。すなわち集団交渉を実現し経営間の横の繋がりを強化する中で2014 年春闘から2018 年春闘まで毎年一万円の賃上げ、日々雇用労働者日額500 円(5年連続アップ)、この財源を大企業の収奪との闘いの中で得られていること。
 これらはいずれも労使の協力・連携の成果として労使が共有していること。労使の共通理念として1社は会社全体のために全社は1社のために、競争社会ではなく共生・協働型の社会を目指していること。これは経済と産業の民主化を目指す運動です。
 安倍政権の進める大企業本位の経済政策、労働法制度の改悪、憲法改悪阻止、日米安保条約破棄、朝鮮民主主義共和国への圧力・制裁の解除、戦前の36 年間にわたる植民地支配への反省・謝罪、償いを求め安倍政権と真っ向から闘っている。
 我々は過去の歴史から学び実践に活かすことが大事であります。関生の53 年間の歴史は2人の仲間が殺され、多くの弾圧を受けながら、それらに屈することなく闘い、その結果が他の産業と比べものにならない年収、休日、雇用、福祉、職場の自由権の確保があり、中小企業の経営安定があるのです。
 今行うことは組織の拡大と質的向上、役員と組合員の一層の団結、協同体との共闘強化、学者・文化人との協力・連携、中小企業との協力・連携を強化するときです。歴史が教えていることは闘う労働組合への攻撃はその先にファシズムがあり、戦争への道です。民主主義を破壊する勢力との闘いです。関生は敵の攻撃を反面教師として闘い成果を得てきた歴史です。歴史と伝統に誇りを持ち大会を成功させましょう。関生は不滅です。大会成功万歳。
 大津警察留置所より愛を込めて。