ひめじょおん―女性部から 神戸市職労「ヤミ専従」問題と保育民営化は組合潰し

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0347号17/01)(2019/02/01)

ひめじょおん―女性部から
神戸市職労「ヤミ専従」問題と保育民営化は組合潰し

(写真 「ヤミ専従」を掲載した神戸新聞)

 野田 里美(関西労組交流センター女性部)

 昨年9月以来、 連日報道(神戸新聞)されている神戸市職労の「ヤミ専従」問題。議会では自民党と維新の会が「組合加入は強制的だった」として組合費の給与天引き廃止の条例案を提案しています。そもそも当局は、 病院や保育所の民営化にあたって執行部を抱き込み、現場の民営化反対の声を押し潰してきました。当局は「震災後の行革で33%もの人員削減(全国平均の2倍)をするために必要だった」と開き直っています。 総務省官僚だった久元市長は、国の方針のもと組合潰しを一気にしかけてきました。 空港のコンセッション方式による民営化、市の中心部の再開発、医療産業都市構想、「やめる、減らす、変える」の下に進められる「働き方改革」は「自治体2040構想」そのものです。
 神戸市職労は 、行革に対し「市民サービスの向上に関する提案については積極的に協議に応じ、労働条件の重大な変更については徹底した労使協議で解決する」と、当局との大同団結路線を唱えてきました。人員削減や評価制度、処分と闘わず、仲間の首や労働条件・賃金を差し出してきましたが、当局から切り捨てられたのです。
 11月、執行部は「ヤミ専従」問題を「謝罪」し、委員長以下5人が辞任。組合員に何の説明もなく定期大会を延期し、給与引上げを労使合意で凍結してしまいました。 組合員一人ひとりに天引きの同意をとる用紙には「組合脱退の意向」欄まであります。 「人員不足は管理運営事項だから協議しない」という当局に屈服し、現場の状況を伝えるビラ一枚まけない組合は終わっています。議会に頭を下げ、自ら組合潰しはあかんやろ!
 「ヤミ専」問題は戦争のための「労働組合のない社会」化です。神戸市で起こっていることは、JRと同じです。
 また、昨年5月、神戸市立保育所で起こった保育士の暴行事件では、いきなり警察が介入し、逮捕してきました。その後、当該は自ら辞職しています。職場の問題を個人責任にし、評価して処分や解雇をする。労働組合潰しと公立保育所潰し・民営化は一体です。労働者の団結を破壊する組合潰しと対決し、民営化攻撃を絶対許さない闘いを発展させていきましょう! そこに戦争を止める力があります。
 私たちは10月に「戦争・改憲反対!闘う労働者の会」を立ち上げ、「正規人員を増やせ」「労組破壊するな!」「民営化、外注化、非正規職化、評価制度反対で闘おう」と呼び掛け、闘っています。これに対して当局は、私たちの仲間の会員を呼び出し、処分をちらつかせて屈服させようとしてきましたが、「こんな理由で呼び出しか!」と反撃に出ています。職場近くで星野絵画展を行い、拠点建設と一体で、地域全体の組織化にも挑戦し、打てば響く結集が得られました。労使一体の組合が潰される中で、「絶対反対」の旗を掲げ続けて、ストライキで闘う団結をつくっていきたいです。