関西のたたかいの中から 関生支部弾圧粉砕11・16集会に1200人

2019年12月24日

月刊『労働運動』34頁(0357号07/01)(2019/12/01)

関西のたたかいの中から!
関生支部への弾圧粉砕!11・16集会に1200人!

(写真 11・16集会で発言する関西生コン支部の武洋一書記長)

冨山 小太郎(関西労組交流センター)

戦後最大の労組破壊攻撃に反転攻勢

11月16日、大阪・西梅田公園にて「声をあげよう! 弾圧ゆるすな! 11・16全国集会」が開催されました。この集会は、実行委員会の呼びかけで、関生支部とともに闘う労働組合や市民団体など1200人が結集し大盛況となりました。
昨年より始まった、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)に対する労組絶滅攻撃は、1年以上がたってもなお継続しています。集会直前である14日には、和歌山県警が新たに執行部2人を逮捕し、昨年からの逮捕者数は述べ89人となりました。これは、15日に国家賠償請求の原告尋問を控えていた中での明確な政治弾圧です。
この間、不屈の関生支部の闘いを前に、弾圧が完全に行き詰まり、反転攻勢が始まり
ました。10月21日には大阪府労働委員会で、大阪広域生コンクリート協同組合(広域協)の輸送業務を請け負っている株式会社徳島に対して、「関生支部の日々雇用労働者を就労から排除したのは不当労働行為」とする救済命令が出されました。
これまで広域協は最も不安定な立場である日々雇用の組合員を標的に、就労排除をすることで組織破壊攻撃を進めてきました。この卑劣な脱退工作に対して、大阪府労働委員会ですら救済命令を出さざるを得ませんでした。命令には「平成30年3月以降、再度、就労させるまでの間、組合員が得られたであろう賃金相当額の5割を支払わなければならない」という地位保全項目もあります。関生支部は同様の労働委員会を多数闘っており、その最初の命令で勝利したことは決定的です。これから不当労働行為が認定されれば広域協は完全に崩壊します。
さらに、15日から一人最大750万円にも上る高額な保釈金や、労組に近付くことすら許されない保釈条件そのものが不当な労組破壊弾圧であるとする、国賠訴訟もはじまりました。闘いが国家権力と資本を完全に追い詰めているのです。

弾圧粉砕の声が全国に拡大!

こうした中で闘いとられた11・16全国集会は、闘う団結が大きく拡大していることを感じさせる集会となりました。「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会」は観光バスで大挙結集し、改憲・戦争阻止!大行進の仲間も全国から250人が参加しました。
集会は、司会あいさつの後、呼びかけ人を代表してフォーラム平和・人権・環境共同代表の藤本泰成さんが主催者あいさつを述べ、続いて全日建連帯中央本部の菊池進委員長がこの間の弾圧の経過を報告を行いました。この中で登壇した関生支部の武洋一書記長は、保釈中の仲間が「組合員と会ってはならない」という不当な保釈条件によって、集会に参加することすらできないことを徹底弾劾し、「今後も闘う」と力強く決意を述べました。
圧巻だったのは、沖縄から駆けつけた沖縄平和運動センター議長の山城博治さんの発言です。山城さんは沖縄闘争と関生支部との固い団結を確認しながら、「関生支部への弾圧は私たちにたいする弾圧」「黙秘で闘いぬいている獄中の仲間を守り抜くために外にいる私たちこそが頑張ろう」と熱烈にアピールしました。さらに「辺野古でも、立っていれば公務執行妨害、おばーが痛いと手を振り上げれば暴力で逮捕、どうなっているのか」「沖縄は74年前に地獄を見た。天皇が戦果を挙げるために、20万人の沖縄の命が捨てられた」「いま再び戦争のために命を差し出せという。冗談じゃない。どんなに弾圧されようとも、私たちは闘いぬく」と発言。関生支部への弾圧と沖縄新基地建設、安倍政権の戦争政策は完全に一体であることを感じさせる発言となりました。
続いて「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会から高橋良平さんが発言に立ち、愛知トリエンナーレへの弾圧について、「植民地主義」と「天皇制」という視点からアピールされました。
その後、川口真由美さんのコンサートが集会を盛り上げると、弁護団の中井雅人弁護士(大阪労働者弁護団)から法廷闘争の報告がありました。中井さんは、関生支部への弾圧の不当性を強調した上で、武委員長との接見について報告され、獄中においてさえ、立場の弱い外国人拘留者の待遇改善を訴える武委員長の姿勢への感動を語りました。
集会は最後に集会決議を上げ、実行委員会事務局長で全港湾の小林勝彦さんの閉会あ
いさつで締めくくられました。
集会終了後は、大阪地方裁判所まで梅田の繁華街をデモ行進し、圧倒的な注目を集めました。

追い詰められた安倍政権を打倒し改憲・戦争を阻止へ!

11・3全国労働者総決起集会から、11・9ソウル、11・16大阪へと続く11月の連続した闘いは、安倍政権の改憲・戦争攻撃と対決する、労働組合の闘う姿勢を示しました。
安倍政権は、閣僚の辞任や大学入試における民間試験導入の破産、さらには「桜を見
る会」を巡る公金による支援者の買収が暴露され、完全に崩壊しています。いまや「安倍を監獄へ」の声は全社会に満ちています。
香港やチリ、スペインをはじめ全世界で、労働者階級・民衆は命がけの決起を開始しました。すさまじい弾圧を受けながら日夜闘いぬいている、関生支部の仲間に思いを寄せ、弾圧を粉砕する闘いを全国で巻き起こしましょう! この闘いは、必ずや日本における労働運動の復権への号砲となると思います。
職場や地域から声を上げよう! 「カンナマとともに!」全力で闘いましょう!

(写真 デモに出発した労働組合隊列)