4・3那須電機鉄工本社抗議行動 不当解雇を撤回し、不当労働行為を謝罪せよ!
東京労働組合交流センターは全国金属機械労働組合港合同の闘いに連帯し、4月3日に今年2度目となる那須電機鉄工本社に対する抗議行動を行いました(写真)。
大阪の架線金物製造会社である株式会社昌一金属が23年末に突如、民事再生法の適用を申請しました。その目的は23年11月に年末一時金ストライキに立ち上がった港合同昌一金属支部を解体することにあったことは明らかでした。経営を再建すると称してスポンサー企業に名乗りを上げた那須電機鉄工株式会社は、「新会社では労働組合活動は認めない」と言い放って、昌一金属支部の組合役員を選別解雇したのです。この不当労働行為に対する反撃が全国で開始されると、那須電機鉄工はスポンサーから撤退し、団体交渉も拒否して、いまだ謝罪もないまま組合つぶしの責任を居直り続けています。不当労働行為は犯罪です。労働者が不当に解雇され、不当労働行為を行った那須電機鉄工の本社役員はこれまでと変わらず平然と生活している。こんな転倒したあり方を絶対に認めることはできません。
抗議行動は正午から、東京・新宿御苑駅駅前の本社前で始まりました。行動には、動労千葉やJAM日本機械工業労組、一陽会労組、東京各地区で闘うユニオン、全学連など50人が結集しました。JAM日本機械工業労組の山口弘宣委員長(東京労組交流センター代表)は、「中国侵略戦争に向けた労組破壊攻撃の横行を許さない。労働組合として不当労働行為に断固立ち向かう」と訴えました。さらに、動労千葉の川崎昌浩執行委員は、那須電機鉄工経営者に対し「労働組合を敵に回せばそれなりの報復があることを覚悟しろ。我々は何度でもここに来る」と突きつけました。また、この日の朝、東京学芸大学の入学式情宣において全学連の仲間が不当に逮捕されており、学生からは「弾圧を団結に転化して反戦闘争を巻き起こして反撃する」との決意が語られました。一陽会労組、多摩連帯ユニオン、東京西部ユニオンが戦時下での労組つぶしを打ち砕く決意を語り、「社長は出てこい。交渉に応じろ」と怒りをたたきつけました。
民事再生法を使った中小企業の淘汰を許さない
昌一金属の民事再生の過程で行われた一旦全員解雇・新規採用、労働組合役員の選別解雇を行うというやり方は国鉄分割・民営化とおなじ手法です。2000年に施行された民事再生法は1987年の国鉄分割・民営化をモデルに労働組合をつぶす目的で作られた法律であり、今回も労働委員会が「事業を継承する那須電機鉄工、那須電機商事は労組法上の使用者に該当しない」と主張している根拠も国鉄改革法でした。
「民事再生法を使えば企業の都合の良いように労働者を使い捨てでき、労働組合を潰せる」というあり方が20年以上も続けられて労働者の雇用や賃金が破壊されてきたのです。「民事再生法を使えば不当労働行為をしても会社は責任を取らなくて良い」「逃げれば勝ち」という仕組みそのものを労働者の怒りと闘いで絶対に終わらせなければなりません。
さらにいま、政府・財界によって「成長産業への労働移動」が叫ばれ、新たな中小企業の大規模整理・淘汰が「国策」としておしすすめられようとしています。石破政権や経団連の言う「成長産業」とは軍需産業です。いま、三菱重工業や川崎重工などの防衛関連企業が空前の大軍拡により「戦争特需」とも言うべき利益増加・株価高騰に沸き立っています。第2次大戦中には国家総動員法のもとで「企業整備令」が出され、中小企業の大規模な淘汰が行われ、ヒト・モノ・カネをすべて戦争へ、軍需産業へ投入する政策がとられました。那須電機鉄工との闘いは、米日の中国侵略戦争と一体の現代版「国家総動員法」との闘いです。
ストライキを甦らせ、大失業攻撃と闘おう
連合が3月14日に発表した春闘第1次集計は、賃上げ率にして5.46%と「34年ぶりの高水準」などと報じられました。しかし、厚生労働省が4月7日に発表した毎月勤労統計調査では2月の実質賃金が前年同月比1・2%減となり、名目賃金の伸びが物価に追いつかない現状が浮き彫りとなっています。さらにここにトランプ関税による物価高騰、倒産、大失業が襲い掛かろうとしており、「賃上げ」ムードなど一気に吹き飛んでいます。石破政権はトランプの対日圧力に打撃を受けながら、これを「国難」「野党を含めた超党派で対応する」と言って労働者の闘いを抑えつけようと動き始めています。これを打ち破る労働者の実力闘争を作り出さなければなりません。動労千葉の3月14日~16日の48時間ストライキに続いて、動労西日本、動労連帯高崎がJR職場でストライキを闘い、医療職場や合同労組などでも春闘ストライキが闘われました。
東京労働組合交流センターは5月1日に新宿反戦メーデーを呼びかけています。港合同とともに、労働者全体の未来をかけて、那須電機鉄工の不当労働行為の責任を追及し、謝罪・解雇撤回を勝ち取りましょう。
<要項>
5.1新宿反戦メーデー
時間:14時からリレートーク、15時10分からデモ行進
場所:JR新宿駅東口広場(どなたでも参加できます)
主催:5.1闘うメーデー実行委員会(東京労組交流センター呼びかけ)