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【討議資料】改憲・戦争と民営化、労働組合つぶしを狙う道州制 絶対反対!(全国労組交流センター教育労働者部会発行)

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■世界大恐慌のもと、教育労働者は闘って生きぬこう!

●教育労働者の大量首切りの時代が始まった
「100年に1度」の世界大恐慌が「派遣切り」から「正社員切り」、さらに「公務員切り」に向かっています。
民間の一時金の大幅削減を理由に、公務員労働者の夏季一時金の0・2カ月カットが強行されました。法人税収の激減を理由に大阪10%、北海道8%など31県で一般職員が賃金カットされています。
米カリフォルニア州では、教育労働者の大量首切りに抗して、ロサンゼルス統一教組(UTLA)が5月15日、全校ピケットと統一学区当局前の座り込みに立ちました。
教育労働者も、闘わなければ生きられない時代です。正規も非正規も民間も公務員も、団結して、生存権も保障できない資本主義体制を変えるために闘いましょう!

●道州制導入は、憲法改悪と戦争国家化のため
大恐慌下で崩壊の淵にたつ大資本は、唯一の延命策として「道州制」導入に走っています。
道州制とは「地方分権」でも何でもありません。究極の民営化、戦争国家化・改憲、国鉄分割・民営化型の日教組・自治労つぶしの攻撃であり、住民自治を完全に一掃し、道州を資本の専制王国とするものです。
麻生政権は、自衛隊をソマリア沖に派兵し、北朝鮮「人工衛星ミサイル発射」への迎撃体制発動など、憲法改悪・戦争国家づくりに向かおうとしています。そのために、戦後的な日本の社会のあり方を根本から覆す道州制導入に踏み切ろうとしているのです。

●狙いは日教組と自治労をつぶすこと
国鉄の分割・民営化から22年がたちました。当時の中曽根康弘首相は「国鉄労働運動をつぶして総評を解散させ、社会党をつぶす」と言っていましたが、国鉄1047名闘争がその狙いを破産させてきました。
公務員一旦全員首切りの道州制で日教組と自治労をつぶす、「足下を固めて」戦争国家体制をつくる、これが攻撃の核心です。絶対に許せません。教育労働者は道州制反対闘争の先頭に立とう!

(A4判6ページ、A3判で作成)

 《討議資料》

改憲・戦争と民営化、労働組合つぶしを狙う道州制 絶対反対!

■世界大恐慌のもと、教育労働者は闘って生きぬこう!

●教育労働者の大量首切りの時代が始まった

「100年に1度」の世界大恐慌が「派遣切り」から「正社員切り」、さらに「公務員切り」に向かっています。
民間の一時金の大幅削減を理由に、公務員労働者の夏季一時金の0・2カ月カットが強行されました。法人税収の激減を理由に大阪10%、北海道8%など31県で一般職員が賃金カットされています。
米カリフォルニア州では、教育労働者の大量首切りに抗して、ロサンゼルス統一教組(UTLA)が5月15日、全校ピケットと統一学区当局前の座り込みに立ちました。
教育労働者も、闘わなければ生きられない時代です。正規も非正規も民間も公務員も、団結して、生存権も保障できない資本主義体制を変えるために闘いましょう!

●道州制導入は、憲法改悪と戦争国家化のため

 大恐慌下で崩壊の淵にたつ大資本は、唯一の延命策として「道州制」導入に走っています。
道州制とは「地方分権」でも何でもありません。究極の民営化、戦争国家化・改憲、国鉄分割・民営化型の日教組・自治労つぶしの攻撃であり、住民自治を完全に一掃し、道州を資本の専制王国とするものです。
麻生政権は、自衛隊をソマリア沖に派兵し、北朝鮮「人工衛星ミサイル発射」への迎撃体制発動など、憲法改悪・戦争国家づくりに向かおうとしています。そのために、戦後的な日本の社会のあり方を根本から覆す道州制導入に踏み切ろうとしているのです。

●狙いは日教組と自治労をつぶすこと

国鉄の分割・民営化から22年がたちました。当時の中曽根康弘首相は「国鉄労働運動をつぶして総評を解散させ、社会党をつぶす」と言っていましたが、国鉄1047名闘争がその狙いを破産させてきました。
公務員一旦全員首切りの道州制で日教組と自治労をつぶす、「足下を固めて」戦争国家体制をつくる、これが攻撃の核心です。絶対に許せません。教育労働者は道州制反対闘争の先頭に立とう!

公務員の大量首切りが始まった!

●銚子市立病院では188人が分限免職に
公立病院が次々と民営化されている。すでに24病院が民間委譲、47病院が公設民営化、18病院が統廃合された。銚子市民病院は昨年9月に休止され、医師、看護師など188人が分限免職に。再就職先がまだ決まらない職員も多い。
●夕張市は賃金3割カット、退職金が4分の1に
職員の賃金は30%カットで年収平均4割減、退職金は57カ月分から順次20ヵ月分まで減額。「生活できない」「体が持たない」と退職者は止まらず、220人いた職員は今や半分に。
●社会保険庁は、民営化で被処分者を選別し排除
社会保険庁は10年1月に民営化され「日本年金機構」に移行する。これまでに戒告以上の懲戒処分を受けた者は不採用。約1千人の被処分者全員が分限免職となる可能性が高い。

(写真 米カリフォルニア州で財政破綻を理由に教員2万6千人に解雇予告通知が出され、全米で57万人が解雇されようとしている。写真は、ロサンゼルス教育委員会の「6千人削減案」決議に対して、組合員が会議場を占拠して阻止闘争に立ったUTLA【3月10日】)

道州制の導入で、教育労働者はこうなる

学校は公設民営化、教育労働者は低賃金・首切り自由の不安定雇用に

■道州制とは何か

◎都道府県は廃止、全国を10程度に区分する「道州制」を新たに設置
◎国は、外交・防衛などの役割に専念し、有事(戦争)体制を強化
◎「財源委譲」を掲げつつ、国の借金を地方に押し付け
◎道州は、大資本のためのインフラ整備、大型公共事業を担う
◎国民生活に関わる政策は基礎自治体の「自己責任」に。民営化で「生産性、効率性アップ」の名で資本による営利事業に丸投げ

■道州制の導入で教育労働者はどうなるか

①低賃金・首切り自由の不安定雇用へ

今年度本格実施された教員免許更新制は、教育労働者を「10年の有期雇用」とする重大攻撃です。
しかし今、道州制導入で狙われているのは、もっと激しいことです。
道州制が導入されれば、国庫負担金・補助金は全廃。国は義務教育の財政責任を取らず、基礎自治体の「自己責任」にされます。これにより各基礎自治体は、教育労働者の労働条件の切り下げを競い合わされることになります。

●教育財政は「自助努力」と「創意工夫」に

「地方交付税と補助金は廃止」「基準財政需要額のすべてを満たすような調整は避ける」「足りない部分はそれぞれの地域の自助努力と創意工夫で調達すべき」(『地域主権型道州制』江口克彦著)
●義務教育の規制緩和で標準定数・設置基準・教員資格を弾力化・解体
「義務教育において教員免許を持たない地域人材の活用が積極的に行われ、また校舎など学校施設についても地域の実情に応じて各種基準が柔軟に定められる」(『道州制の導入に向けた第2次提言』日本経団連、08年11月)

●教員免許制度そのものの解体

「常勤教員への免許義務付けの廃止と教員任用におけるより厳格なチェックの導入」「現行のように、資質の見極めなど現実には不可能な短い試用期間を経て、実質的には永久雇用を保証するような仕組みの下では、免許制度をいかにいじろうとも不適格教員の排除などありえない。正しい解決策は、新規採用3年から5年間程度は任期付きとし、その後任期のない雇用に移行したとしても、適格性がないと判断された場合には、速やかかつ容易に解雇が可能な労働法制の仕組みである」(『教育バウチャー』著者は規制改革会議委員・福井秀夫)

(写真=新聞記事 始まった公務員の大幅賃下げ 夏季一時金の減額に絶対反対!

人事院が国家公務員の一時金を約1割減額する臨時勧告したことを受けて、全国の自治体の人事委員会が次々と一時金減額を決定、0・2カ月分減額した一時金支給を強行している。人勧制度の建前もかなぐり捨てた賃下げ攻撃には、ストライキこそ階級的正義だ。絶対反対で闘おう!

②国立・公立学校の公設民営化と株式会社経営で、資本が教育を食い物に

▼関西経済同友会の提言「5年以内に『連邦的道州制』へ移行せよ」(06年4月)
「国立・公立学校を私学化するなど組織を公設民営化」
「教育公務員等126万人の現業公務員は、国立・公立学校を私学化など公設民営化した上で再雇用の機会を与える」
「既存の公立学校を独立行政法人化、私学化、市場化テストの対象化できるよう制度改革を求める」
※公設民営化とは…地方公共団体の設置した学校について、株式会社・NPOに対し包括的に管理・運営委託させるというもの。

すでに始まっている学校の民営化

★構造改革特区で進む株式会社中学校・高等学校の設立
04~08年度の間に全国で16校が設立され、中には、コンビニのように学校をフランチャイズ化して、利益をあげている学校もある。
★特別免許状による安上がりの即席教員づくり
構造改革特区の通信制高校で、特例免許状を授与したケースでは、こんな例が明らかになっている。
◎声優の経験があるので国語の免許状を授与
◎家庭の特別免許状を授与した者が歴史や文学を教授
◎認定地方公共団体と関わりのない者に授与
★授業の外部委託、学習塾との連携事業
◎千代田区は九段中等学校で早稲田アカデミーが土曜予備校講座。
◎港区は全10中学校で早稲田アカデミーが土曜特別講座。
◎江東区では、小学校10校で平常授業(習熟度別学習の上位クラス)を塾講師が担当。
◎杉並区和田中の「夜スペ」。講師は進学塾「SAPIX(サピックス)」からの派遣。有料の特別授業で、月謝は1万8000円~2万4000円。

道州制-教育の民営化を先取りする東京・杉並区

★「つくる会」歴史教科書の採択
山田区長は教育委員を「つくる会」派に入れ替え、05年夏に「つくる会」歴史教科書を採択。
★労働組合つぶし
杉並区教組の役員・組合員は区外に強制異動。
「つくる会」教科書に採択に反対した教員も区外に異動された。組合事務所からの追い出しも策動。
★杉並師範館で区独自の教員養成
杉並師範館で養成した教員をこの2年間で31校に配置、2010年度には全校に配置する計画。山田区長が師範館の理事長にすわり、師範館出身の教員を担任にして、都採用の教員を担任からはずす。
★民間人校長が教育の民営化を推進
03年度に杉並区立和田中学校に「リクルート」出身の校長として藤原和博が登場。PTAを解体し、地域本部(学校支援本部)を立ち上げ、企業の寄付で教育費をまかない、民間塾と提携した「夜スペ」など、教育の民営化を先端で進めてきた。藤原は現在は、大阪府・橋下知事の「教育顧問」に登用されている。和田中は、藤原の後任も民間人校長。
★中学校の生徒を自衛隊との共同訓練に動員
「災害訓練」の名のもとに、中学校の生徒を「レスキュー隊」として、自衛隊との共同訓練に駆り出す。現代版「鉄血勤皇隊」だ。

学校現場で激増する非正規雇用労働者

 

  本務総数 一般教諭 臨時任用 期限付任用 非常勤講師等 非正規比率
03年度 57743 48294 845   8727 16.5%
08年度 58623 45134 1327 639 9891 21.0%

 (都教委2008年度公立学校統計調査報告書「学校調査編」より)
※実際の現場には、このデータに現れない形で、「フレッシュ教員」「コーディ ネーター」「介助員」など諸々の職名で、非正規雇用労働者が激増している。

 いつの間にか、公立学校も常勤講師や期限付任用教員が教育活動の中軸を担い、塾による土曜補習など授業の民間委託も進んでいます。そして、道州制でいよいよ義務教育を民営化のターゲットにしようしているのです。

道州制の導入で、教育労働者はこうなる

国鉄分割・民営化型攻撃で日教組を解体、戦争と改憲に向けた愛国心教育を強制

③市場・競争原理による徹底した民営化と首切りの推進

――学校選択制、学校評価・教員評価制度(学力テストの結果公表)、バウチャー制度

財界は今、「学校選択制、学校評価・教員評価制度(学力テストの結果公表)、バウチャー制度」という手法で教育の民営化を推進しようとしています。その行き着く先は、先行して行われたイギリスやアメリカの教育改革が示しています。
▼閣議決定「規制改革推進のための3カ年計画(再改定)」(09年3月)
・学校選択制の普及促進
・児童生徒・保護者による学校評価制度・教員評価制度の確立
・全国学力・学習状況調査における学校ごとの結果公表等
・教育バウチャー制度の研究・検討

イギリスでは学力テストと学校査察制度にストで反撃

イギリスの教育改革は、①全国共通のナショナルカリキュラムと到達目標を定め、②全国統一学力テストを行い、学校別の成績一覧表を公表、③学校選択制度と生徒数に応じて予算配分を導入、④教育基準局による学校査察制度で達成度が低い学校は廃校にする、というもの。96年には1万5000人の教育労働者が「失敗教師」とされ、また05年9月までに1549の公立学校が「失敗学校」とされ、246校が廃校に追い込まれた。
こうした教育改革による労働条件の劣悪化に対して、08年4月、NUT(全国教職員組合)が21年ぶりに24時間全国ストライキで反撃に立ち上がった。

「貧困大国アメリカ」で進む「教育の民営化」の実態

★公立学校の民営化と軍隊への生徒勧誘を進める
「落ちこぼれゼロ法」
2002年に制定された「落ちこぼれゼロ法」。これは、すべての学校で毎年、学力テストを行い、テスト結果が基準に満たない学校は、補助金を打ち切られ、教育労働者は減給または解雇される。ひどい時には学校自体が廃校にされる過酷なシステムだ。教員たちは職を失うのを恐れ、点数を上げることだけに必死になった。生徒の92%が生活保護を受けているシカゴのある学校は、「落ちこぼれゼロ法」による学力テストの結果、学校ごと海軍に譲渡されたケースもある。
「落ちこぼれゼロ法」では「軍の新兵募集(リクルート)目的のために生徒の個人情報を取得する権利」が認められ、「情報提供に従わない学校は連邦の補助を受けられない」という条項がある。貧困地域の高校生が帰国後の就職や進学を条件に軍にリクルートされ、イラクなどへの侵略戦争に動員されている。
★大量解雇と組合つぶしのチャータースクール
(公設民営の学校)導入 
2005年8月のハリケーン・カトリーナの大被害の直後、ブッシュ政権がまず手をつけたのが教育の民営化だった。ニューオリンズにある公立学校128校中107校がチャータースクールに切り替えられ、校長や教員など約7500人が職を奪われた。その多くは家も財産も失った人びとだった。
チャータースクールとは、独自の教育方針を掲げ、非営利法人など民間の運営主体が自治体から特別認可を受ける公設民営学校。授業内容や教員人事は自由に決められる一方、基準に満たない学校は淘汰される。
ルイジアナ州の組合加入教員数は、4700人から500人以下に激減した。今や多くの教育労働者がワーキングプアか生活保護を強いられている。

④愛国心教育の徹底と改憲・戦争国家化

▼「教育監視などを中央政府の権限とする。教育に関しては公設民営を徹底するが、教育品質の保証については中央政府が責任をもって行う」「教育と伝統の力により国家の統合を守る」(関西同友会提言(「5年以内に『連邦的道州制』へ移行せよ」06年4月)
▼「道州制の導入」「教育再生・公徳心の涵養」「憲法改正」
「新しい教育基本法の理念に基づき、日本の伝統や文化、歴史に関する教員を充実し、国を愛する心や国旗・国歌を大切に思う気持ちを育む。教育現場のみならず、官公庁や企業、スポーツイベントなど、社会のさまざまな場面で日常的に国旗を掲げ、国歌を斉唱し、これを尊重する心を確立する」(経団連「希望の国、日本」07年1月)
▼「国民が誇りを持てる国家(自主憲法の制定、日米同盟の強化、国連安保常任理事国入り)」「美しい道徳を掲げる国家(現代版教育勅語の制定)」
「日本人が本来有する美徳を取り戻すため、かっての教育勅語の良い面を取り入れ…日本人として備えるべき精神や行動規範を含めた新たな徳目集を、『現代版教育勅語』として制定すべきである」(関西同友会「目指すべき国の姿」07年5月)

⑤国鉄分割・民営化型の日教組解体攻撃

道州制―教育の民営化の最大の核心は、日教組解体―現場の教育労働者の団結破壊です。
自民党は今、衆院選に向けた政策ビラとして、「これでいいのか日教組」シリーズを発行。「携帯カメラで写そう!教師たちの違法な政治活動」「許すな。左翼的な教育活動」などと反日教組キャンペーンを大展開しています。改憲と戦争国家づくりに突き進もうとする政府・
自民党は、もはや日教組の存在をどうしても許しておけないのです。
ところが今の日教組本部は、この動きに反対の声も上げられず、一切の闘いを放棄して「文科省とのパートナーシップ」路線をひた走っています。
2月に広島で開催された全国教研では、日教組本部はなんと、根津公子さんら「日の丸・君が代」強制に反対して不起立で闘う組合員を、2100人の警察・機動隊の力を使って会場
から排除。道州制攻撃に震え上がり、闘う組合員を排除するこんな幹部たちは、打ち倒すしかありません。
闘う私たち現場組合員こそが日教組。「日の丸・君が代」不起立で闘う教育労働者の団結、賃下げ・首切り・人事評価にストライキで闘う教組の団結こそ、道州制・教育の民営化を粉砕する力です。

教育公務員等126万人の現業公務員は、全員非公務員に

道州制の導入に伴い新たな人材を募る為、41 0万人の国・地方の公務員の内、自衛官・警察などを除く3 60万人弱を関係法を制定の上一旦解雇する。85万人の定員を削減した上で、新しい時代に適した能力をもち、かつ公の意識をもつ人材を、幅広く国民から募り、新たなエリートとして中央・道州政府に登用する。……新たな政府で働く人材は、「半分の人員で倍の仕事」をする気概と能力が必要である。教育公務員等126万人の現業公務員は、国立・公立学校を私学化するなど組織を公設民営化した上で再雇用の機会を与える。(「5年以内に『連邦的道州制』へ移行せよ」関西経済同友会、06年4月)

国鉄分割・民営化の教訓に学び、動労千葉のように闘おう!

1987年の国鉄分割・民営化は、新自由主義の民営化・規制緩和攻撃の一大突破口であり、今日の貧困と格差を生み出した原点でした。国鉄分割・民営化反対運動の教訓は、労働組合にとって、時代認識や路線がいかに決定的かを示しています。動労千葉の闘いに学び、道州制・教育の民営化と闘う路線をうちたてよう。

●国鉄分割・民営化とはなんだったのか

◎バッシングから始まった組合つぶし――「国鉄職員はヤミ手当とカラ主張で金をとっている」と国鉄労働者バッシングの大キャンペーンで、「国労にいたら新会社にいけない」とあおり、組合からの脱退を強要した。
◎戦後最大の首切り攻撃――81年4月に40万人余いた国鉄職員は、87年4月の分割・民営化強行=新会社JR発足時には20万人に。「労使共同宣言」を締結しなかった国労、全動労、動労千葉の組合員など1万4千人が不採用、7千6百人が清算事業団に送られ、うち1047人が3年後に清算事業団から整理解雇された。
◎国鉄労働運動つぶし――82年に23万人いた国労組合員は、分割・民営化時には4万4千人、5分の1に。国鉄労働者200人以上が自殺に追い込まれた。
◎中曽根の狙いは改憲――「国労が崩壊すれば、総評も崩壊するということを明確に意識してやった」(『アエラ』97年1月)、「行革で大掃除してお座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」(82年5月の講演)

●組合幹部の協力で民営化は可能になった

◎動労 「鬼の動労」と呼ばれる戦闘的組合だったが、革マル派の松崎明が委員長になり、「労働運動は冬の時代」と主張、分割・民営化の手先に。「労使共同宣言」を締結、総評からも脱退。年配の組合員も「自主退職」に追い込み、革マル派組織を温存した。
◎国労 最後まで国鉄官僚にすがり、「社会党を通じて自民党との取り引きに持ち込めばなんとかなる」という発想だった。「労使共同宣言」を結ぼうとした執行部は、現場組合員に打倒され(86年10月)、「分割・民営化反対」の旗は守った。清算事業団から解雇された1047人(国労966人)の解雇撤回闘争は、連合路線に反対する労働者の結集軸となった。しかし国労本部はJR資本と闘う方針も出さず、闘争団の切り捨て、政治決着による闘争終結に向かう。これに抗議する組合員を警察に逮捕させ、今では「解雇撤回」要求も引き下ろし、政府・与党に「人道的解決」を哀願するまでに屈服を深めている。

●動労千葉のように「絶対反対」を貫いて闘えば勝てる!


動労千葉はこうした中で唯一、85年11月、86年2月の2波のストライキで国鉄分割・民営化と真っ向立ち向かいました。その結果28人が解雇され、当時1100人の組合が計34人の被解雇者を抱えることになりました。
国労と違うのは、被解雇者と組合員が一丸となって、組合の団結を守り抜いたことです。JR体制下でも春闘ストライキを闘い抜き、国鉄1047名闘争を牽引してきました。動労千葉の闘いは国際的にも高い評価を受け、韓国や米国の労働組合との日米韓国際連帯が発展しています。さらに、御用組合に組織された青年労働者が続々動労千葉に加入し始め、JR体制を打倒する闘いが始まっています。

●闘う労働組合を現場組合員の手に取り戻そう

国鉄分割・民営化における国労解体攻撃の激しさを目の当たりにした自治労や日教組の幹部は、「国労のようになりたくない」とストライキ・職場闘争を放棄、労使協調路線に転換しました。日教組本部が1995年に文科省との「パートナー路線」に転換していったのも、国鉄分割・民営化がきっかけです。その行き着いた先は、評価制度=査定昇給とも、新職=新級とも、免許更新制とも全く闘わない組合への変質です。今では改悪教基法と体を張って闘う「日の丸・君が代」被処分者を全国教研から排除するまで転落しています。
「日の丸・君が代」不起立闘争は、根津さん、河原井さんの解雇を団結の力で打ち破ってきました。道州制と教育の民営化に「絶対反対」で闘い、闘う労働組合を現場組合員の手に取り戻しましょう!
(写真 JR東労組を脱退して動労千葉に加入し、ストライキに立った青年組合員が、09春闘スト集会に勢ぞろい)

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