座談会 職場闘争で橋下を打倒!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0295号03/01)(2014/10/01)

座談会 職場闘争で橋下を打倒!

 座談会 職場闘争で橋下を打倒!

職場闘争で橋下を打倒!

-団結権侵害を許さず、不当労働行為を弾劾!-

参加者

中村吉政さん(港合同委員長)
木下浩平さん(港合同執行委員)
安田 匡さん(大阪交通局労働組合)
赤田由行さん(大阪市職員労働組合)
沼田祐子さん(大阪市教職員組合)
深町加代子さん(豊中市職員組合)-司会

自己紹介

○中村さん 昨年10月の港合同の大会で委員長に就任しました。それまで副委員長でした。大和田さん、辻岡さんが逝去し、体制を刷新して、争議も解決して、大会で選出されました。
○木下さん 昨年の港合同大会で執行委員になりました。昌一金属支部で書記長をしています。
○安田さん 大阪市交通局労働組合に入っていて、政治活動アンケート、入れ墨アンケートを拒否して処分を受け、不当配転があり、計3つの訴訟をしています。
○沼田さん 大阪市教職員組合員で、小学校に勤務しています。橋下市長が登場した直後の卒業式に、初めて君が代起立斉唱の職務命令が出されました。それまで多くの教育労働者が不起立で闘っていたのですが「ゼロにしよう」という攻撃だったと思います。職務命令を拒否して戒告処分を受け、人事委員会で闘っています。
○赤田さん 大阪市建設局で事務職をしています。もとは浪速区役所支部で本部ユース部の常任委員でしたが、徹底議論した末に組合の方向性が相容れないと支部長に立候補し3分の1の票を獲得しました。その後、組合を作り変えることを目指して支部・分会を軸に闘っています。入れ墨調査を拒否して、市職の中で処分撤回を方針化するため闘っています。本部執行委員長に初めて立候補し1051票を得ることができました。

(写真 深町加代子さん)

○深町さん(司会) 豊中市職の保育労働者です。女性部の書記長・部長をやっていました。保育所の民営化攻撃があり組合本部と激突しました。橋下が知事になりサービス残業当たり前という発言をして、絶対許さへんと豊中市職女性部よびかけで道州制反対の3・6橋下打倒集会をやり、本部と激突しました。その報復で4月24日子どものケガを理由に解雇攻撃を受けました。裁判も高裁まで闘いました。女性部も廃止させられました。裁判支援陣形を民営化反対陣形にし、豊中市職の権力をとる会としてやっています。

橋下の異常な攻撃

○司会 橋下の攻撃の異常さ、登場当時やってきたことを話して下さい。

(写真 赤田由行さん)

○赤田さん 橋下が市長になり、職場の仲間がニュースの取材で(市長の言う民意は)「私の考えている民意とは違う」と応えたことに対して、橋下はその職員を探させて反省文を書かせたと聞きました。身近な人がやられて「やばい」と黙ってしまう状況が生まれました。
○安田さん 平松選挙を大阪市の職員がやったということを理由に橋下は弾圧をかけてきました。勝手に名簿を捏造して弾圧し、政治活動アンケートもやりました。維新の会の市会議員が職場に来て、組合の部屋をのぞき、書類がないかとか、私物を撤去しろと言ってきた。夏場は風呂に湯を張るのを止め、シャワーだけにしろとやられました。民営化のためにリストラをやられた。
○沼田さん 橋下は教育現場に憎悪を持っていて、「クソ教育委員会」と罵倒しました。教育委員会不要論で、教育委員会を自分の思い通りにしようとしました。知事から市長になって、職場支配権を奪おうとしたのです。職員会議は校長の伝達機関だから、職員会議の司会も校長がやれ、議論をするなと。橋下は、アメリカ型の教育の民営化をはっきりと打ち出していた。学力テストの公開は、学校同士を選別・競争にさらすためです。子どもが集まらない学校は淘汰されて、統廃合し、民間活力のノウハウを入れる。しかし一番破産しているのは民間校長です。校長を公募し2年間雇ったのですが不祥事で破産しました。職場の闘い、地域の反乱で破産したのです。
○赤田さん 区長の公募はどこも破産しています。区役所の仲間は今も振り回されています。
○安田さん 素人で、経歴を詐称しているし、教育のこともわからんままでした。
○赤田さん 誰が区長になるのかを直前まで非公表にするでたらめさだった。闘ってきた歴史のある被差別部落の拠点を売却することだけはどこの区長も共通してやった。区長公募の唯一の利点は橋下直轄で団結破壊できることだ。
○司会 橋下は、解放運動つぶしもしましたよね。現業の闘いをつぶす攻撃が始まったと思った。
○安田さん 大交の中でも闘う気がなくて、民営化を彼らは推進していました。
○赤田さん 時間内喫煙禁止と言って、タバコ一本吸ったら1年停職処分。最近も環境局の25人が停職処分にされた。早出時の出動前に「勘違い」で吸っていただけ。それでも処分される。当初は「健康維持」目的の禁煙だと言い訳していたのに、まったく違うものになっている。
○中村さん チクリが賞賛されチクる者が優等生になる職場にしようとした。みんな萎縮してきた。

(写真 安田 匡さん)

○赤田さん マイカー通勤もチクらないとわからない。管理職が駐車場で待ち伏せするとか。タバコもゴミ箱をあさる監察部隊をつくって、全局をまわって吸殻探しをやった。
○安田さん 交通局でも全営業所を回ってゴミ箱で吸い殻探しをやった。警察官OBを雇い、運転士が時間調整中に外でタバコを吸った写真を撮り報告した。1回目は1ヶ月の停職処分、2回目は3ヶ月の停職処分、運転中に吸った労働者を1年間の停職処分にした。
○司会 その後、政治活動規制条例をつくりましたが現場はきつかったですかね。

(写真 中村吉政さん)

○安田さん 端緒となったのは「勤務時間内に大交の役員が職場と別の所に行っていたのは政治活動じゃないのか」と。手続きで打刻修正すれば問題なかった。
○中村さん 橋下のやり方を許せば、大阪中の全労働者に波及すると思った。橋下は就任した過程で、「職員はシロアリや」と言った。社長がなんぼ組合嫌いでも、自分の職員にこんなことは言いませんわ。けしからん奴やというのが我々のまず印象です。その後も毎日どのチャンネルを回しても橋下の顔でした。大和田委員長が「橋下がこない言いよったな」とか毎日言うんです。僕は地域に出て公務員の連中と会うので「組合員はどない言うてるんや」と気がかりにしていた。じっとしとったらあかんというのが、最後の講演までの話でした。僕は港地区の議長をやっていて2012年2月に総会をやった。橋下が爆弾を落として、職員がまだ危機感をもっていない時だった。橋下の攻撃をどう見るか学習会を提案して、やりましょうとなった。翌日、委員長に「夕べえらい盛り上がり、元気やったんで学習会しようとなったんです。できたら委員長やってもらえませんか」と言うたらやると言ってくれて講演となった。委員長は「橋下のような、人を人とも思わない奴は許せない。職員は会社でいうたら財産ですがな。行政であっても職員がおらんかったら前にいかない。そんな人たちをシロアリだと言う。こんな奴は許せへん」というのが委員長や港の考えだった。それで学習会になった。
 港地域は長い間、官民連帯をしてきました。70年代初めから民間組合として争議をして、公務員の人たちからずっと応援してもらって来てた。マンション建設反対や自己破産、暴力ガードマン反対の闘いなど、いろんな争議に地域の公務員部隊が応援してくれた。今こそ運動で返さないかんのやと。橋下と闘うというのは当たり前の気持ちなんです。そうせんと、われわれがやられてしまうという感覚です。向こうは「大阪市の組合は自治体の中でも強い。これをうんと言わせたら日本の自治体労働組合をつぶせる」と。具体的にやるのは当事者です。いつも委員長は「どない言うてんねん」と聞いてきて、「嵐が過ぎるの待つと言うてますよ」と言うと、「嵐は大きなってくるやないか」という話です。この闘いを絶対やっていかなあかんというのがずっとありました。
 今、職員アンケートが廃棄処分になり、入れ墨アンケートにも6人が反対をして、その中に同じ南大阪地域の事務局をしているTさんが拒否して処分された。2012年11月に懲戒処分を許さない南大阪の会をつくって今日まで来ています。赤田さんや安田さんなど、建設局にも交通局にもおるし独自の動きをしていたんですが、みんな一緒になってやることになった。安田さんの闘いは大きな道を開いてくれた。橋下追放まではいっていませんが、手の届くところにきていると思います。
○司会 官民連帯、平和人権センターが他では機能していない。南大阪は機能している。
○中村さん 南大阪では、70年代から大阪港の軍港化反対闘争をやってきて、年1~2回自衛艦や米艦が来た時に地元でずっとやってきた。総評解散後も平和人権センター以外にもつくってやってきた。橋下が就任するまで毎年500人規模で年1~2回集会やってました。加えて民間組合の争議支援もずっとやってきた。橋下が就任して以降、ちょっと弱くなっている。情報が入ってこなくなったからだ。前は米艦の情報は1か月位前には入っていたが、今は3日前デモ申請ができない位情報収集力が弱っている。それが弱点です。
 地域のもうひとつの特徴が、民間組合で港合同や関西生コン、全港湾大阪支部という民間組合が南大阪に集まっている。そういう利点もある。
○司会 大阪市職自身は、あまりやりたくないが、背中を押されてやるようになったんですかね。
○中村さん 市職の組合が南大阪の事務局で、南大阪平和人権センターの事務局が大阪市職の組合です。民間があるところは民間の人が議長になる。港地区は積極的に一緒になってやってきたというのが3年前までの話です。なぜ今できないか。職員基本条例、政治活動規制条例でがんじがらめにされているんだろうなと。
○赤田さん 集会参加も自粛の指示が出ている。
○司会 当時、大阪市の職員は自粛モードで橋下打倒集会ビラも受け取らなかったですね。
○赤田さん 声をあげる人がいなかったからだ。
○中村さん 僕らいろんな集会企画をTさんと一緒にやったでしょう。会としてつくった「反橋下」「反維新」と書いたビラを支部を通して本部に見せて聞くらしい。昨年5月位まで、身動きがとれないようだった。慰安婦のこと以降、風が変わってきた。ちょっと元気になってきたが、まだ3割だ。
○赤田さん 僕に対して「政治活動規制条例」を盾にして3回、速記者付きの取り調べがあった。「自治労4・26ストライキ方針」さえ取り調べの対象にされた。大和田委員長が言っている団結権を対置して「不当労働行為だ」と追及したら、何も処分がこなかった。その時の闘い方がこの中にあったんだと、いま聞いて思った。
○中村さん 僕は赤田君のことを心配ばっかりしていた。半分期待もしていた。処分されるんじゃないかと。大丈夫かなと。(一同笑い)
○木下さん 赤田君が40人くらいおったら市職が変わるねんけど。(笑)
○中村さん 10人反対がおったら全然変わったと思う。人事委員会まで行かなかったと思う。

入れ墨処分との闘い、不起立決起の大きさ

○赤田さん 入れ墨処分との闘いが軸になったと僕は思うんです。政治活動アンケートで1000人が瞬間的に決起し、シュレッダー行きにして闘いは勝利した。橋下はその敗北を取り戻すために入れ墨調査をしかけてきた。それに対する闘いの中で、裁判で初めて安田さんと会った。市バス運転手がたくさん来ていた。また、市職大会でも入れ墨処分をめぐって大論争になり「なんで闘わないんだ」て5支部くらい発言した。攻撃は激しく職場ではなかなか声が上がらない状況だったが、入れ墨の闘いを一歩前に進める中で、誰もが反撃のチャンスを伺っているのがわかった。
○安田さん 初めは政治活動アンケートを拒否した。締め切りの日に組合から電話がかかってきて「頼むからお前一人だけ残っているから書いてくれ」と言われた。裁判やってわかったことは、市職も市従も組合役員は回答を拒否していたし、足並みはそろえていた。勝てるはずです。
 入れ墨調査は意趣返しで来るだろうと思っていたらほんまに来た。どうやって闘っていくかと悩んでインターネットで調べた時に、大和田委員長の講演の記録を見て勇気づけられた。初めての裁判に赤田君や木下君が来てくれて、そういう所もあるとわかった。Tさんとも知り合いになって、集会にも呼んでもらって縁があった。分会は元から南大阪の会だったので、はまる所にはまったと思った。6人が横一線で連絡網ができて本気で闘っていける態勢ができ、すごくよかったと思っています。また、労働組合活動も一人で回答拒否したところからスタートし、民営化で配置転換、早期退職をやり出したところで、バスの運転士を集めて労働弁護団の先生に来てもらい勉強会をやった。身分はどうなんやと勉強した。簡単にクビ切れる「分限免職」という制度があり、どうしたらいいのかと聞くと、組合として闘うしかないと言われた。その時の自動車部の選挙で圧倒的多数がとれた。こちらの側の人間を送り込んで勝てた。意味ある闘いができたかなと思います。
○中村さん 僕らは、抵抗したのは6人だけや、と思っていた。この間わかったことは、現職らも最後まで抵抗して、最後は区長や上司に呼ばれて別室で「なんとか頼むわ、俺が書いとくから承諾してくれ」と言われた。管理職もおったが、6人だけじゃなかったと。僕ら自身が力を得た。
○赤田さん やっている人も言うところがないんですよ。市職大会であそこまで大論議になると思ってなかった。ぱっと立つ人が一人おったら見える。これが労働組合の役割だと思ったんです。
○中村さん 不当労働行為と認定した判決がばんばん出ている。有利な状況ばっかりだからな。

(写真 沼田祐子さん)

○沼田さん 私も市教組の中で職務命令を拒否したのは一人やったが、一人でスタートしたことが今さらに正しかったと思う。不当労働行為、団結権侵害の判決が出ているが、私の「君が代」不起立の闘いは、労働組合をつぶすためにかけてき攻撃だから許せなかった。それを市教組の仲間に訴えて闘った。一人でも労働組合の闘いとして2年間闘ってきた。組合は労使関係条例や政治活動規制条例で、橋下打倒を言えない組合になっている。私が橋下打倒集会のビラを職場で配ったら「えー!」と(笑)「こんなん配っていいの」と言いながら喜んで見てくれる。真っ向から言える組合が官民そろわないといけない。
○中村さん 弁天町駅でビラまきやっているでしょう。僕の一番下の子どもの同級生の親が、市教組のこのエリアで、お母さん、先生です。週4回中1回位しか会わへんけど、橋下のこと書いてあるとごっつう喜んで「もう一枚頂だい」と持って行ってくれる。みんな思いは持ってんねんけど、周りがそんな雰囲気になってないからね。
○沼田さん 労使関係条例で、大阪市教組には教研集会、分会会議も職場を貸さない、便宜供与しない。とんでもない不当労働行為をいまだに続けている。全国の人にもぜひ知ってほしい。市教組本部は裁判頼みになっている。年内に不当労働行為認定の判決が出るんじゃないかと。本当に組合員の力で団結権破壊を許さない闘いにもっていくことが組合に必要なことだと思う。
○司会 橋下の攻撃は激しかったけど、すべて不当労働行為と言える中身で、勝っていった。労働組合の中で、不当労働行為で闘っていったのは大きかったと思う。攻撃としては激しかったけれど実は脆弱だった。
○中村さん 委員長も言うてるんやけど、「最初は、橋下の攻撃も巨大に見えた。しかし、冷静に考えたらどんな巨大な敵にも弱点はある。一点を突いていったら必ず勝てる。知恵や行動力、団結力でやっていったら勝てる」。「不当労働行為だ」と言えんかったら、いつまでも寝とかなあかん。そんな紙一重の状況にあった。6人の判決が出たら、わーと変えていくようなことをせなあかん。笑い話やけど、橋下問題で2012年5月24日集会で僕が司会をした。かなり激しい時です。「かがり火たいてわーわーやっても、中は葬式みたいになっとるやないか、それではあかんのや」と。それから司会の役がないんですわ。(笑)

組合役員選挙で闘う仲間が結集

○司会 それでも不当労働行為だと闘い続け、現場で議論しビラをまき、橋下打倒集会を繰り返す中で、目に見える形になったのが組合役員選挙だったと思いますが、実感はどうでしたか。
○赤田さん 僕と一緒に闘う仲間が出てきたことです。労働組合活動も経験したことのない人たちです。自分の評価結果に怒り、評価制度自体を問題にして、分会長になって頑張っている仲間もいる。我慢のならない怒りが具体的に形になって僕と一緒に動き始める中で、全体の心をつかむことができた。ある人から「1051票はこれでは終わらない。絶対全部ひっくり返る」と3時間の飲み会で30回くらい言われた(笑)。ある支部長からも「今度会いにきてくれ」と言われた。
○中村さん 今情報が入っていないのが最大の問題。支部長クラスに何も情報が入っていない。
○赤田さん 下水道外注化(経営形態変更)が動いていますが、支部にも何も知らされないらしい。闘う方針を出すべきだと支部で意見を言っても、組合は「まだ何もわからない。勤務労働条件に関わる問題があれば動く」と言うが、ごまかしだと思う。現業労働者は経営形態変更で「一旦退職届を出せ」と解雇まで言い渡されている。集会なりストライキなりやるべきなのにごまかしている。市職と市従で別だから「市職の組合員は派遣で出向じゃない。労働条件も変わらないし解雇もされない」と方針を出さない。組合側から分断に与している。下水道部門を全部切り離すという問題であり、誰もが解雇攻撃に直面する。市職組合員は外注先に指揮官として派遣される。現業の解雇攻撃の手先になるのかということ。
 「情報が入ってこないから闘えない」じゃなく労働組合として民営化・外注化反対とはっきりさせることが敵にとって打撃だし、今すぐにできる。
○司会 資本や当局は労働組合を味方につけなければ絶対貫徹できない。大阪市職自身は自治労本部そのものだから闘う方針はゼロだ。職員の首はつなぐかもしれないけれど、現業の民営化を当局と一緒に進めようとしている。橋下は保育所も幼稚園も全部民間に売り、売れない所は全部捨てると言っている。市の業務もプロポーザ方式で、業務丸ごと民営化していくやり方です。水道で起こっていることは丸ごと民営化で、組合がのんでいる。交通局の方はどうですか。
○安田さん 交通局の民営化は市議会が通らないと無理。ただし市議会で否決されても、橋下がいなくなった時にやろうとしている。自民党、民主党、公明党すべて。大交の推す民主党は、民営化を政策課題に掲げている。転籍とかわけのわからないことを言っているから、僕は「ちゃんとクビにしろよ。やれるものならやってみろ」と言っている。「そんなこと言わんといてくれ。俺らクビにされたくない」と言うけれど「クビにならないと民間には行かれへんねんで」と言うてます。自主退職で軟着陸させようとしている。今、俺は当局の意向で運転手仲間から隔離されている。
○赤田さん 転籍と言っても一旦解雇ですよね。
○安田さん 自主退職したらあかん。「分限免職にしろ」としか言えない。「ただし双方にとって分限のハードルは高い」。現場に戻って言わないとあかん。

10・17関西集会の展望

○司会 全国的に、原発事故以降、国の施策が丸見えになり、労働組合の闘いが登場し、地域住民が労働組合に結集する闘いが始まった。大阪では、西郡部落住宅とりあげ反対のビラをある団体が見て一緒に闘いたいと合流してきた。7・1集団的自衛権で国への怒りがある。大阪市職労、郡山工場で労働組合の闘いが始まった。
 10・17国鉄闘争全国運動・関西集会がグレードアップした。3労組共闘は国鉄の不当労働行為をめぐり始まった。本当にぶちぬけるものが国鉄闘争を基軸に関西でつくっていける。
○赤田さん 9・11郡山工場外注化阻止闘争に行って思った。JRの青年労働者10人位が最先頭で集会をひっぱっていた。青年の決起の求心力はすごいと思った。外注化攻撃と、国労本部の反動が新たな決起を生み出した。
 大阪市でも「橋下のおかげで」青年の決起が始まったと思う。体制内労働運動が通用しなくなった。国鉄でも自治体でも、部落解放運動でも、聞いたこともないようなところから闘いが始まってくる。職場での闘いは一人から始まったけれど、その背後にはずっと、膨大な人の決起があり、格闘があり、屈服させられた悔しさがある。今、入れ墨処分撤回の闘いが新しい爆発の段階に入っている。6人の原告の入れ墨裁判の集会をめぐっての議論は非常によかった。6人の中から「労働組合つぶしとの対決ということをすえるべきだ。いろんな論点はあるけれど、やはりそこをすえてやりたい」という意見が出され、すごい感動した。裁判上有利なのかどうかはあるが、組合つぶしとの対決としてやり、現場労働者を結集させたい。新自由主義攻撃への反撃がいよいよ大爆発し始めている。
○中村さん 今度の10月10日南大阪集会は、「断罪された橋下市長の職員・組合攻撃」、サブとして「団結権侵害と懲戒処分に反撃を」。団結権を守る闘いにしていかんと。

(写真 木下浩平さん)

○木下さん 10・17集会は、今の時代に労働組合がちゃんと存在していることが大事だ。労働組合が存在していたら、周囲が全く変わる。11月集会も3組合がよびかけて出発した。闘いがあり伝統があり、国鉄闘争をめぐってこれを許したらあかんと、闘いの地平を一つにまとめて大きく発信してきたことで今年10数回目になった。地域の中で、港合同や関西生コンを軸に闘って、勝ち抜いてきた。労働運動を労働者の手に取り戻していくんやと。闘う道筋を求めている人らをまとめあげていく力になるんじゃないかと思います。
 先日、「赤田君の結婚を祝う会」を田中機械ホールでやって、受付やいろんな所に、青年運動を一緒にやってきた仲間が全体責任を担いきったことが一つ。もう一つは、赤田君の前の職場と今の職場からすごい沢山来てくれた。一人立っている赤田君の、結婚を祝う会とは言え参加するのは決断のいることだ。会合も70数人でやれることができ、圧倒的に若い人だった。市職をめぐって展望が感じられる集会でもあった。大阪市職と日教組奈良市の2人で頑張る展望が見えた。
 10・17集会はどの職場も動きが出てきた中で、以前に中之島でやったこともあるが、今回は意識的に求めている人、役員、活動家が寄れる集会になる。それに返せるものが多く作られてきた。
○中村さん 10・17集会については、原点が中曽根の発言や命令がスタートだ。争議もなく平和に暮らせたら、労働者にとって一番幸せやけども、そんな時代は一生ない。絶えず誰かが争議したり、苦労したりしつつも、やっぱりそこに大きな意味合いがあって、今こそやらなきゃならん。一人で声をあげるのは大変なことだ。労働組合の組織の中におる者こそが、その先頭に立って声をあげていくということが僕らの使命やと思うんです。僕は22歳からこの世界でやってきて、最後の奉公(笑)ぐらいの気持ちで、恩返しだ。会社倒産して支援してもらって、今は恩返しやと思って、一番前に出てやると。だから南大阪の会も事務局長に僕は志願してやったようなもんです。大和田委員長の遺言やと思うんです。橋下との闘いはどんなことがあってもやり通さないといけない。そのことが国鉄1047名の闘いにつながっていく。一カ所から突破して、全国各地の今みたいな動きが出てきたら、世の中が変わると思うし、変えなくてはあかんと思います。数少なくても、胸張って港合同やと誇りを持って、それだけは失わんと頑張らなあかんと思います。今こそ俺らが声を出さなあかん。僕らも普通の労働組合、普通の人間としてやっている。でも外から見たらやりすぎやとか。平和運動できるのは、信念を考えているからだ。しんどい思いしてないし、歌も出る位の闘いとしてやる。今の世の中は変えていかなあかん、お互いに包み込むような社会をつくらんとあかんと思う。橋下追放するまで闘う。
 沼田さんなども大変だと思う。今は6人も何人もおるからいいけれど、最初は1人の決起で、いろんな不安もあったと思う。けれどもつながりができる。その中で、市職の人たちが、最後まで抵抗してやったというのを聞いたら、僕らごっつう勇気が出た。これからも頑張らないかんと思います。
○木下さん 2012年春闘から毎週水曜日に弁天町の駅前ビラまきを、大和田委員長に了解もらって始めた。一つは、港合同の地域統一行動としてやる。定期的に全員が鉢巻きしめて街頭に労働組合の旗を立てる。組織強化・拡大が一貫して港合同の組織方針で、具体的に目に見える形でやろうと。もう一つは、橋下打倒闘争のためだ。港区役所があるし、市税事務所があるし、港湾もある。組合事務所を取られて、活動の場にも出て来れなくなってしまっている。そういう労働者が駅を通っている。橋下批判を展開することで、公務員労働者を激励しようとやってきた。毎週駅前で組合の旗を立て続けている。いつも同じ人が通るので、毎週ビラの色と中身も変えて、1時間で200~300枚まいている。労働相談ではなく、労働者として一個一個のテーマをどう考えるべきか発信していこうとやっている。

10・17関西集会から11・2全国集会へ

○司会 10・17集会から11・2集会へむけて一言ずつお願いします。
○沼田さん 7・1集団的自衛権の閣議決定以来の情勢というのは、憲法があっても戦争に向かって突き進む情勢で、戦争を阻止する力は労働者の闘いにある。労働組合が旗を立て戦争阻止の先頭に立つことが求められている。10月集会から11月集会は、世の中を一変させるような部隊が登場するということで、東京に行きたい。
○赤田さん 11・2集会は1万人を実現したい。その鍵はこれまでやってきたことを全面的にやることだ。当たり前の労働組合を体現していく。今の組合が機能停止になり、当局と一体で民営化を推進している。僕らが職場で具体的に闘う。具体的な問題を当たり前の労働組合として、合理化の結果なんだ、民営化の結果なんだということを最先頭で怒って徹底的に闘っていきたい。
○沼田さん 文科省が「学校事務職員の就学援助加配について、算定基準となる生徒数に誤りがある」と決めつけ、それを口実に府下の学校事務の臨時主事の労働者が9月末から来年3月末にかけて大量に解雇されようとしている。これは労働組合の第一級の課題です。非正規職で雇っていたこと自身がおかしい。非正規職の解雇攻撃に、市教組あげて、解雇を許さない、非正規職撤廃の闘いをやらなくてはいけない。
○赤田さん 昨日、労働学校をやって議論し、臨時主事解雇阻止を分会の方針にしようと、同時に全学校にみんなでビラをまきに行こうと議論した。橋下打倒集会をやってきてよかったのは、自治体、教育現場、地域全体をカバーできる団結ができたことです。お互いの職場の状況がすごいわかるし、学校の問題で沼田さんが書いたビラをうちの近所に入れることができた。集会のよびかけから、もう一つ具体的な職場攻防をめぐって、大阪市地域全体を組織化していくことができたらおもしろいなと思っています。それが10・17集会、11・2集会への道かなと思っています。
○沼田さん この闘いは、10・17集会への組織化の闘いにしなくてはいけないと思います。
○安田さん 入れ墨処分については、年末までに判決が出る。その結果をみんなに還元できるようにオープンにして全員にわかるようにしたい。6人でまずぶちあげようじゃないかということでやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
○司会 国鉄全国運動は官民連帯の闘いになる。こういう闘いを広げていきたい。私は保育所だから、民間の保育労働者と団結して闘うことで大きな保育運動をつくっていけると思います。その軸が国鉄ということです。社会をひっくり返すような大きなうねりをつくっていく。それが安倍打倒だと思います。職場と地域を組織して、労働組合を組織して、大阪の闘いの軸をつくりあげていく。11・2集会へ1万人を結集させたいと思います。

各地の活動0295

Posted by kc-master