ひめじょおん 女性部から地域産別の労組拠点へ!―医療福祉職場の安全崩壊と闘う

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0307号09/01)(2015/10/01)

ひめじょおん 女性部から
地域産別の労組拠点へ!―医療福祉職場の安全崩壊と闘う

矢田三恵(高陽第一診療所労組書記長)

 広島連帯ユニオン草津病院支部は真保書記長解雇絶対反対のストライキを打ち抜きました。高陽第一診療所労組も地域の医療産別の労組拠点を作ろうと、共に闘っています。討議と今後の展望を報告します。

 草津病院は、病院経営の生き残りをかけて、精神科救急病棟と認知症救急病棟をつくる大再編(一般入院患者の3倍の単価の救急入院)で、生き延びようとしています。矛盾は現場に現れ、合理化・人員削減のために超多忙化しています。組合の会議で休みをとっても、職場が回らないから出勤せざるを得ない状況です。安全の最低線を守ることが労働者一人ひとりの努力に担わされています。「そういう状況でストライキをやって、職場の組織化ができるのか」「日々の残業や休日出勤を拒否することが、組合の活動ではないのか」。支部やユニオンの仲間で徹底的に討論しました。職場の組合員が、日々さらされている安全崩壊の状況にどう対応するのかを話し合いました。安全崩壊の状況を作り出している病棟大再編攻撃を絶対許さない、それを推し進めるための組合破壊、真保書記長の選別解雇を絶対許さないという立場を職場の全労働者にはっきりさせ、組合は全労働者の怒りを束ねてその先頭でストライキを打ち抜くという旗を立てたとき、職場の怒りを解き放ち、労組の組織拡大が出来ると討論を積み重ねていきました。その中で金光組合員が共にストライキに立ち上がりました。韓国城西工団労組の労働者も国際連帯を貫く門前闘争を共に闘ってくれました。

 8・6ヒロシマ闘争を草津病院拠点化をめざして闘いました。新自由主義による医療・福祉労働者の分断・労組破壊に絶対反対で闘い、職場の団結を組織する路線を打ち立て、地域の医療福祉産別で闘う仲間が職場で組合の旗を立てています。

 地域の中核病院では、試用期間内の退職強要、人事評価で選別し、大量採用・大量退職が当たり前になっている。医労連が職場で経営と闘わない中で能力主義、スキルアップと競争でバラバラにされていく職場の現状が作られている。この現状を変えようと、看護師の仲間が広島連帯ユニオンの組合員通告をして団体交渉をかちとり、職場を変えようと旗を立てています。

 今年5月に広島のグループホームで入居者の転落死亡事故があり、その容疑者として「保護責任者遺棄致死」罪で夜勤をしていた介護士が逮捕・起訴されました。この「事件」では、介護士の同僚が「現場介護士の責任ではない。事故が起こっても仕方のない構造を放置し、夜勤者がいないと、一人の青年に連続夜勤を押し付けていた経営に全責任がある」と支援を開始した直後に、経営から解雇攻撃を受けました。団体交渉、地労委、門前闘争など、介護士の無罪と解雇撤回を一体でかちとろうと、ユニオンの仲間と広島全体の介護士を組織する意気込みで闘っています。

 職場で闘う労働組合の団結が、ゼネストで戦争を止める力です。国鉄闘争と一体で、国会前情勢とむすび、地域と職場を組織していきましょう。高陽第一診療所労組も、拠点として地域を組織していきます。