「戦略事業」のJPEXが完全破綻/民営化は破産

2019年7月31日


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 2009年9月25日発行

「戦略事業」のJPEXが完全破綻

 郵政民営化は破産した

 非正規職の大量首切りを承認してきたJP労組中央と執行部は総退陣せよ!

 JPEXが完全破綻へ
―郵政民営化そのものの破産だ

 民営郵政の「戦略事業」だったJPEX子会社化計画の「10・1事業統合」がついに完全に破綻しました。現場労働者の怒りと闘いの前に、総務大臣は9月8日の会見で、事業認可の最終的断念に追い込まれたのです。日本郵政・西川社長は、JP労組中央本部の「承認」を取り付けたことを盾に、直前まで「10・1スタートの強行」を強く主張していました。しかしすさまじい労働強化と賃下げ、8割を非正規職に置き換える『首切りの自由化』であるJPEX計画への現場労働者の怒りが、この「労使一体」体制を最後的に打ち砕いたのです。JPEX計画全体の破綻も必至の情勢です。


z090925b.jpg(JPEX計画の破綻を報じる各紙)

 小泉政権以来の郵政民営化攻撃全体が破産したのです。「民営化絶対反対」の闘いが、現場労働者の怒りと結びつき、政府および郵政資本と「労働貴族」JP労組中央の巨大な壁を崩したのです。
郵政民営化に賛成し、JPEX攻撃の手先となり、「スト絶滅宣言」まで出して日本郵政・西川体制を支えてきたJP労組中央本部と本部派執行部はただちに全員退陣せよ! 闘う労働組合を現場労働者の手に取り戻そう! 動労千葉を先頭に、世界の闘う現場労働者が産別の枠を超え、国境を超えて集まる11・1労働者総決起集会(日比谷野音)に、多くの全逓労働者の参加をかちとろう!

 計画を挫折(ざせつ)させた現場の怒り

 新聞報道では、JPEX計画を挫折させた原因は「移籍要員がそろわず、現場の混乱は避けられない」こと。つまり現場労働者の怒りと抵抗でSD(サービスドライバー)要員、とりわけ非正規職の移籍要員が確保できなかったということです。「新事業に必要な業務研修がわずか1時間(!)しか行われていない」ことも報道されました。認可も下りない事業の「研修」を強要する当局に、多くの現場労働者が抗議の声をあげたからです。そして「JPEX推進」を決めたJP労組中央の裏切りにもかかわらず、郵政当局が解雇や雇い止めを乱発しながら行った「JPEXへの出向・移籍の意向調査」に対し、大半の労働者が怒りを込めて〈出向・移籍には応じない〉意志を表明したのです。またこの過程で、非人間的な低賃金と雇い止め攻撃に日常的にさらされているゆうメイト(非正規職)の若い青年労働者たちの大衆的反撃が始まりました。JPEX攻撃は、職場の半数を超える非正規職の仲間に「生活できない」レベルの賃下げと雇い止め攻撃として襲いかかりました。「6、7時間勤務契約から4時間勤務への契約変更」などを一方的に通告され、「この契約がいやなら辞めてもらって結構だ」という理不尽きわまる攻撃です。しかしこれに対し、現場の若い労働者たちが御用執行部の制動と分断をはね飛ばし、ついに職制に対する抗議闘争を始めたのです。郵政民営化に「絶対反対」で立ち向ってきた仲間たちの職場闘争が、ついに広範な労働者の怒りと結びついたのです。
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民主党・連合政権の「郵政見直し」とは何か

 8・30総選挙で自民党政権がついに崩壊しました。小泉政権以来の郵政民営化攻撃に対する怒り、膨大な失業者を出し、年間3万人もの自殺者を生み出し続ける自民党政権に対する労働者民衆の積年の怒りが『一票革命』となって爆発したのです。この闘いは、一握りの大資本や資本家だけが生産手段(大工場や資源、鉄道や郵便制度など)と富を独占する仕組みの資本主義社会を終わらせるまで、止むことのない闘いの始まりです。
民主党・連合政権が掲げる「郵政事業の抜本見直し」なるものの中身を見て下さい。郵政・金融担当大臣となった亀井静香(元警察官僚)は開口一番「昔に戻すことはしない」と明言しました。そして資本家たちとその代弁者は声をそろえて「郵政会社の経営の効率化」を叫んでいます(朝日9・15社説)。「郵貯、かんぽ株上場凍結」は、300兆円もの労働者民衆の資産を、誰が奪うかという支配階級内部の争いです。
労働者の怒りに圧倒され「4分社化の見直し」は始まるでしょう。しかし郵便事業(郵貯、簡保を含む)を一握りの資本家が私物化する「民営化」は、民主党・連合政権でも撤回されるどころか、新たな装いで貫かれようとしているのです。
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自民党を倒した力がここにある! 10・11三里塚(成田空港)現地闘争へ!

 暴力的な農地取り上げに反対して43年間も国策を阻みつづける抵抗の砦・三里塚闘争

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 農民無視の成田空港建設に反対して43年間、不屈に闘う農民団体・三里塚芝山連合空港反対同盟(反対同盟)が10月11日に集会を呼びかけています。歴代の自民党政府と闘い、今なお意気軒昂と農業を営み、日々、政府・空港公団・国家権力を追い詰め、勝利している成田=三里塚現地へかけつけよう。
43年前の1967年ベトナム戦争の渦中で、「三里塚(成田)に国際空港を作る」ということが、地元農民に一言のことわりもなく一方的に閣議決定されました。政府・自民党は「開拓農家の貧乏百姓は金を積めばたたき出せる」と見くびったのです。しかし地元農民の怒りは、全国の農民、労働者、学生の怒りに火をつけ、三里塚闘争は国家暴力をうち破る民衆の抵抗の砦として闘われてきました。国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は、反対同盟農民とともに、闘いの中で首切りを辞さず闘い、国鉄分割・民営化という「国策」と闘う力を培ってきたのです。
(写真 成田空港暫定滑走路の鳥瞰図。市東さんの畑が誘導路をへの字に曲げ、開拓組合道路が奥深く突き刺さり、東峰神社が滑走路に立ちはだかる欠陥空港の姿。)

 農地取り上げは許せない!

現在、成田空港建設に反対して、成田空港のど真ん中で生活をし、農業を営む市東孝雄さんに対して、空港の敷地内から追い出す攻撃がかけられています。市東さんの家屋と農地を空港内に取り囲んで、地域との交通を遮断する新誘導路(写真を参照)の建設が進められようとしています。空港建設に反対するだけで、こんな理不尽なことが許されるというのでしょうか。
今日、大恐慌の直撃で日本航空をはじめとして航空産業は軒並み赤字で、成田空港の発着便数も減っています。にもかかわらず、北側(写真の上側)に暫定滑走路を延長して、3本目の誘導路を建設するという。市東さんをはじめとする農民を追い出すためのだけの攻撃であることはあまりにも明らかです。
市東さんの農地と家屋はフェンス1枚隔てただけで空港です。飛行機がいつ突っこんで来るかもしれない。直線でなければ安全とはいえない誘導路は「へ」の字に曲がっています。危険を承知ですれ違う飛行機。ジェットエンジンの排気ガスと騒音は家屋を直撃しています。この現実の上にさらに、新しい誘導路を作って、市東さんの家屋と畑を360度全面的に空港のなかに取り囲んでしまおうというのです! 絶対に許すことは出来ません。市東さんの農地取り上げは、成田空港建設=国策のためなら問答無用に、暴力的に農民をたたき出す攻撃です。< /p>

 市東さんの農地取り上げは全ての労働者・農民に対する攻撃

 今日の大失業の時代、労働者に対しては、会社のいいような首切り・賃下げ攻撃が襲いかかっています。同じように、農民に対しては国策の名の下に農地を取り上げる攻撃が激化しています。大資本が生き残るために自動車などの輸出と引き替えに、安価な農産物を輸入し、農業と農民は犠牲にするという攻撃です。
日本経団連は、民営化・規制緩和と同じく、農業も市場原理にゆだねていく方針です。米の価格が半値になり、燃料も肥料も暴騰する中、安い外国産の農産物とどう立ち向かえというのでしょか。農業で食べていけなくなっている現実は、深刻です。また、世界中でも、大資本が農業を独占し、日々農業でしか生活できない人々や労働者は饑餓線上におかれています。
43年間悪行を重ねてきた自民党は、打倒されました。自民党が打倒され、民主党・連合政権の発足のなか、農民と労働者に犠牲を押しつけていく政治は、変わりません。怒りを一つに、三里塚現地闘争と11月1日の労働者集会へ集まろう。ここに、社会を変え、国家権力に打ち勝つ力があります。
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闘魂ますます盛んなり
敷地内天神峰 市東孝雄さん

 この経済恐慌の中で便数が激減しているのがよく分かる。なにしろ毎日見ているんだから。便数が減っている上に、小型機が増えている。日本航空も危ないというじゃないか。地方空港は軒並み赤字。7月29日の4者協議会(国交省、NNA、千葉県、地元自治体)で30万回にむけた協議がなされたというが30万回の需要なんかあるわけないよ。大体、北延伸で2万回増やして22万回にするというけれど、この枠を満たすのも大変だというじゃないか。
第3誘導路、あきれる。東峰部落と同じように、家を完全に空港の中に取り囲んで屈服させようとするんだけど、絶対に作らせないよ。私のスタイルは、自然体で肩ひじを張らず、自分の生き方を貫き通すというのも。口で大きなことをいうのは好きじゃない。行動で示したい。
若い人が三里塚に来てくれることは権力へのすごい脅威になる。反対同盟43年、農地死守、軍事空港反対。これからもずっと続く闘いだ。全国の労農学の力を貸してほしい。

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 集会案内

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 10・11三里塚現地集会10月11日(日)正午、成田市東峰・反対同盟員所有地にて
主催・三里塚芝山連合空港反対同盟
*東京から会場行きのバスを出します。問い合わせは交流センターまで。
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11・1労働者集会
11月1日(日)正午、東京・日比谷野外音楽堂、呼びかけ・動労千葉他

全逓

Posted by m-center