■労働者の目

2019年7月31日

月刊『労働運動』30頁(0288号01/01)(2014/03/01)

■労働者の目

都知事選を闘った総括は「今こそ労働組合を復権させよう」だ!
赤羽 進彦 常任運営委員、青年部長 精研労組
 はじめに、2・9都知事選を最先頭で闘い抜いた鈴木たつお候補の渾身の決起と、鈴木候補を全力で支え抜いた街宣隊やウグイス隊、選対事務所を含めて都知事選を闘った全ての人の自己解放的決起を確認したい。
 鈴木候補は、青年をはじめ労働者階級の怒りを体現し「被曝させない・戦争させない・貧困過労死許さない・だからオリンピックはやらない」を掲げ、1万2684票をかちとった。
 都知事選挙は第一に、猪瀬打倒に追いつめられた安倍政権が、全矛盾を労働者に強制し、延命を図るために、民営化・非正規職化と労組破壊、改憲と戦争、治安弾圧の新自由主義攻撃をかけてきたことを真正面から見すえ、東京の労働者に「労働者こそ社会の主人公だ」「労働組合を復権させよう」と真正面から訴えた。
 第二に、民営化・外注化・非正規職化の新自由主義攻撃に真正面から闘い続けてきた動労千葉を先頭とした国鉄闘争を軸に、選挙闘争は切り開かれた。「全てがウソだった」ことが明らかになった3・11情勢下、被曝の強制と非正規職化の中で、青年をはじめ労働者階級が生きられない現実に対して、「もうだまされない」という決起だった。「全ての矛盾はオリンピックに凝縮している」。イギリスRMTは、ロンドン地下鉄の7割を止める48時間ストライキに決起した。ロンドンオリンピックの赤字のツケを労働者への解雇に転嫁しようとしていることへの反撃だ。
 第三に、階級的労働運動路線による職場での闘いが選挙闘争を切り開いた。もちろん鈴木さんは〝本物〟ではあるが、同時に職場で闘ってきた内容が鈴木さんをつくったのだ。だからこそ街頭で鈴木さんを初めて知ったという人、政見放送を見た人、ポスターを見た人が、一発で鈴木さんに決めるということが無数に起きた。それが最も顕著に表れたのが労働組合の反応だ。多くの労組が「動労千葉、9・25判決を知っている」と反応。各地区交流センターの日常的な闘いが、大動揺した労組の足元から御用幹部の制動を打ち破る各支部との合流としてかちとられた。
 その上で、6000万労働者は、鈴木候補の圧倒的な正しさと、他方で1万2684票という現実に「ショックだ」という思いを持っている。しかし、日帝・安倍政権によるオリンピックをテコにした非正規職化と原発再稼働、戦争への突進は変わらない。だからこそ都知事選の意義はこれから日々明らかになるし、むしろ鈴木候補のスローガンである「労働組合を復権させよう」ということが展望になるのだ。過労死を許さない14春闘を、都知選の第2ラウンドとして交流センターは闘おう。