時代に見合った組織を建設し拡大しよう!

2019年7月31日

月刊『労働運動』30頁(0288号03/01)(2014/03/01)

時代に見合った組織を建設し拡大しよう!
 

 

(写真 全国労働組合交流センター第21回定期全国総会を開催【2月8~9日 東京】)
 

田中 康宏(代表運営委員)

 私たちの闘いの到達点とこれから実現しなくてはいけない課題をみなくてはいけないと思います。国鉄分割・民営化以来の闘いは間違っていなかったと確信を持っています。だからこそ、正しい闘いと路線にみあった組織を建設しなくてはいけない。
 第一に訴えたいことは、今こそ時代に見合った組織を建設しようということです。
 情勢は激しく動いています。起きていることは反動の噴出です。安倍政権の突出であらゆるものが出てきている。秘密保護法、集団的自衛権、籾井や百田、長谷川などのNHK経営委員会の登場など。こんなことを許していいのか。これは支配の危機と崩壊としてとらえることです。だから僕らの力をもって闘えば彼らの墓穴を掘ることは可能です。
 危機感、怒りの声が満ちあふれている。この時、僕らは何をしなくてはいけないのか。秘密保護法の時に考えました。2011年3・11以降、労働者の意識・価値観は変わってきています。動労千葉に何ができるのか。労働組合の力がなくなっていることが最大の問題だ。国会で反動法案が審議されている時に、政治ストライキをうって国会に登場する労働組合が求められている。組合員に考えてほしいと提起した。時代を動かす団体、時代を変革する運動体が必要です。考えなくてはいけない。できることは絶対にある。真剣になって議論してほしい。
 第二に、僕らは、何をめざしているのか、何者なのかということです。27年前、国鉄分割・民営化の時に決断した。全国労組交流センターは、連合結成に対抗して結成した。
 新自由主義の崩壊が起きている。米では金融緩和からの撤退を始めた。日本では米以上の量的緩和を続けているが、破産していく。闘う労働運動をつくる志を議論してほしい。
 階級的労働運動をつくり直すことは多くの人は不可能だと決め込んでいる。しかし、われわれは可能だと。簡単には職場からの闘いはつくれていない。今まで乗り越えたいと思っていたのは、「闘えば分裂する」ことだった。闘って、団結を破壊され、分断させられてきた。合理化反対と言葉では言っても受動的に対応し建前と本音は違っていた。
 今まで職場の労働者にとって切実な問題が一度も労働運動の正面課題になったことはなかった。
 国鉄分割・民営化は、嵐が通り過ぎるまでは待つという組合がほとんどだった中で、動労千葉では全組合員の正面課題になった。それで全組合員と家族をオルグした。どの時期にストライキを打つのか。それは組合員全員が納得する課題が不可欠だ。当局の雇用安定協約の破棄をめぐってストライキを打った。当局が国鉄分割・民営化に賛成する組合とは締結するが、反対する組合とは結ばないと言ってきたからだ。組合員全員が怒った。
 職場で何が問題になっているのかが大事で、これは具体的問題です。切実な問題を正面課題にする。産別によって現れ方は違う。そして、それを本当に行動に組織する。組織を組織する。労働者にとって切実な問題を正面課題にすれば分裂はしない。現場の労働者が受け入れた時に、正面課題になる。
 率直に言うと、特に4大産別が頑張らなくてはいけない。全国協が頑張っているが、このままだと全国協を犠牲にしてしまう。4大産別が目の色を変えて頑張ることが必要だ。
 安倍政権が狙っている戦争と成長戦略、つまり総非正規職化との対決だ。①派遣法全面改悪との闘いが焦点だ。これからは正社員が例外になり非正規職だけになる。②多様な正規雇用、つまり限定正社員制度の導入との闘いだ。③労働時間規制をめぐる攻防だ。労働時間と賃金を切り離す攻撃との闘いだ。
 これらをやるために、公的部門の全面民営化が行われようとしている。足立区では国民健康保険や財政部門が全面外注化されようとしている。国立病院の5万5千人が非公務員化されようとしている。特区では、小中学校の公設民営化が行われようとしている。
 こうした情勢に対して、今こそ階級的労働運動をつくることが求められている今がチャンスだ。昨年4・26自治労ストライキをめぐる闘い、10万筆署名運動でつかんだものを生かす時がきている。
 鈴木選挙で問われたことは何だったか。拠点があったら、教労では「10・23通達を破棄させます」、東交をめぐっては「24時間運行を中止させる」ということを組合方針として打ち出せた。拠点を持っているかのような立場で、反対や弾劾という立場ではなく、自分たちが主体、主流派だという立場に立って闘ったことが重要です。だからこそ本当に拠点建設が課題になっている。
 結論は、各県の交流センターで以下のことを議論してほしいということです。
 月刊誌を拡大すること、爆発的に増やすことです。そして、会員を着実に増やすことです。血湧き肉躍る議論をしてほしい。今年の総会は組織建設総会です。関西生コン支部がやった闘いを交流センターでやろうということです。各地区できちんと議論をしてほしい。
 2~3月が決戦です。具体的課題は以下のことです。2・16集会に結集してほしい。そして2・23いわき闘争です。この闘いで竜田延伸を阻止できるかもしれない。さらに2・25韓国民主労総のゼネストに連帯して貨物賃下げ阻止行動を行います。そして3・11反原発福島行動に総決起しましょう。
 2・16集会では、北海道で起きていることが重大です。国鉄分割・民営化の全面崩壊です。勝負のしどころです。
 国鉄改革法は、今日の解雇自由をもたらした根本原因です。最高裁闘争をやりきりたい。外注化阻止闘争も新たな闘いを展開します。各地区交流センターで組織を拡大する熱い議論を巻き起こして下さい。(総会のまとめ)
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総会での各地区の発言 (抜粋)

●大阪労組交流センター(赤田由行さん)

 2月2日は橋下を打倒した集会になりました。大阪市の現場から6人が登壇しました。20代の青年が自らの職場闘争を具体的に語った上で、学校の民営化絶対反対で仲間をつくると語っています。
 都知事選で起きたことと同じで、大阪市の体制内労組から階級的労働運動派が次々と登場し、新たな大阪市労連をつくる集団として登場しきった中で橋下は倒れたのです。大阪市のある職員が、橋下の慰安婦発言に怒り、初めて参加した市職労大会で僕らのビラを見て、学習会に来てくれました。その方が開催した交流会に数人の方が新たに参加したのです。組織化が始まっています。交通局では安田さんをはじめとして、市バス労働者、自動車部で民営化絶対反対の闘いが始まっています。執行部だけでなく分会全体の団交が始まっています。闘う労働組合が大阪市で急速に甦っている中で、橋下打倒という情勢が生みだされたのです。
 現場からの反撃の軸に僕らがいる。僕や沼田さんということではなく、国鉄闘争です。9・25判決で不当労働行為認定を勝ち取ったことが、大阪市の現場から絶対反対で闘っていいという確信を与えているのです。

●茨城労組交流センター(池田学さん)

 機関誌の拡大ということで、茨城でも初めて機関誌拡大会議を持ちました。その中で、今まで配っていたけれど誌代を回収していない、身近にいても配っていないということが出されました。一人、二人でどうするということではなく、全体で一人を獲得することでやっていくことです。動労水戸も執行部全員で月刊労働運動を取るようになりました。 
 まだ組合員でも取っていない人もいるのです。そういう人も含めて読んでもらいたい。なぜかというと内容がいいんです。鈴コンの座談会とか、アメリカンアパレルの座談会とか、具体的な身近な内容で、自分たちの闘いにあてはまる闘いをどこでもやっている。一人ひとりの会員の方を全部紹介してほしいという内容になっている。みんなが主人公になっている、全体を獲得する内容になっていると思います。

●沖縄労組交流センター(柿本博人さん)

 1月19日名護市長選挙があり、沖縄の労働者が辺野古新基地推進の相手候補を叩き落としました。名護市は6万人の人口で4千人の差ができた。労働者の怒りの決起があって大差で圧勝した。沖縄の振興策、バラマキによってつくられたものは非正規職化であり、過労であり、貧困だったのです。辺野古の命を守る会のおばあ達は「稲嶺進市長が勝ってうれしい。しかし最後の勝利は自分たちが身体を張って闘う以外にない。青年の力が絶対に必要」と言っています。北中城選挙があり、11月沖縄県知事選挙があります。沖縄センターは責任勢力として14年に躍り出ていく。
 拠点建設は、NTT拠点化に据えています。産別委員会を地区全体でスタートさせました。5・15闘争を現地勢力で三桁の動員をかけて立ちあがっていく。
 基地の島から国際連帯の島へというスローガンで階級的労働運動の飛躍をかけて5・15闘争を取り組みます。

運営活動0288

Posted by kc-master