児童館廃止・杉並丸ごと民営化 これからが正念場

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0303号04/02)(2015/06/01)

児童館廃止・杉並丸ごと民営化との闘いはこれからが正念場だ!

織田 陽介(東京西部ユニオン)

●児童館と「再編整備計画」が選挙の焦点に

 選挙結果は悔しくも26票差の次点。しかし、「児童館をなくすな」署名運動への反響の大きさを日々実感し、絶対に止められると確信できる闘いでした。北島候補の立候補によって、あらゆる党派が児童館問題を語り、選挙の焦点は完全にひっくり返ったのです。2013年9月12日の杉並区議会全員協議会において児童館全廃・杉並区立施設再編整備計画にすべての党派が賛成していました。すでに民営化に屈し、その利権にありつこうとしていたすべての党派が、「児童館全廃」という区長の方針を美化し、民営化の本質を隠し、闘う言辞で区民をだまし、労働者・住民の怒りを必死になって押さえつけたのです。私たちは今回の選挙をうけて、児童館全廃絶対反対をますます貫き、こうした欺瞞に満ちた区議会と党派関係を、労働運動の力でこそ覆す決意です。

●労働者の誇りにかけて民営化絶対反対

 児童館廃止を突破口に狙われているのは、学童クラブ、保育園、学校はじめ「道路・橋りょうをのぞく」596の区立施設すべてを対象とした丸ごと民営化です。
 民営化とは、労働者が数十年、数百年かけて作り上げてきた職場のチームワークや安全原則の一切を断ち切る歴史的攻撃です。毎日汗を流して仲間と働き、経験を重ね、何代も後輩に受け継いでいく。当局に安全原則を守らせる労働組合の闘いもここにこそ原点があります。このもとに職場の安全を守り働くことこそ労働者の誇りであり、民営化はこれを断ち切り、数ヶ月で解雇される非正規労働者に置き換えて、何度も断ち切っていく攻撃です。
 そして、杉並丸ごと民営化攻撃は、JR主要駅周辺の再開発と一体です。荻窪駅や阿佐ヶ谷駅など、「半径500メートル」を巨大な再開発にたたき込み、消費税に追い打ちをかけて商店街を解体し、学校や区立施設を軸とした民営化を通して区としての事業は放り投げ、地域を切り捨てる攻撃です。
 だからこそ、これは公営に戻せば済むような問題ではなく、労働者が主人公の社会をつくる闘いです。民営化反対の闘いこそが労働者の誇りを守り、労働者が社会を変える歴史の主人公になっていきます。安倍政権は、こうした労働者の連帯を断ち切る歴史的攻撃を軸に、戦争と改憲、原発と核武装、労働法制解体などの歴史をわかつような攻撃に出ています。誇り高い労働者が社会を変えるのか、労働運動を解体されて戦争に行くのかをめぐる歴史的決戦こそ民営化反対の闘いであるということです。

●交流センターと西部ユニオンは先頭に立つ

 今年度いっぱいでの廃止が狙われる和泉児童館や科学館、そしてあんさんぶる荻窪など、闘いはこれからです。和泉児童館は来年度から「子どもセンター」になるとされ、すでに一時預かり保育事業の外注先が決定しています。児童館労働者をトコトン追い出す攻撃です。科学館では労働者が引き揚げられ「事実上の閉館」状態が強いられ、何人もの労働者が退職に追い込まれました。
 署名運動をひろげ、何よりも西部ユニオンへの組織化を通して、杉並区との全面的な闘いを展開していきます。

各地の活動0303

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