ひめじょおん―第22回全国女性部大会の報告

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0304号07/01)(2015/07/01)

ひめじょおん――女性部から
動労総連合建設で熱く討論―第22回全国女性部大会の報告―

辻川あつ子(全国女性部事務局長)

 5月31日、全国労組交流センター女性部は、第22回定期全国大会を都内で開催しました。
 大会は、司会の大谷京子さん(東京)の「原発再稼働と安保国会を絶対許さない」の開会挨拶で開始されました。そして、議長の原由美子さん(東京)、村山裕子さん(関西)から「韓国のゼネスト、沖縄の怒りに対して、安倍を打倒する私たちの組織拡大、拠点建設が求められている。今大会を成功させよう」と協力が呼びかけられました。
 最初に、女性部長の岸上真寿美さんから挨拶がありました。「今大会は安倍政権の戦争法案をめぐる戦後最大の階級決戦の中で開催されています。今年2月の全国労組交流センター総会で『動労総連合を全国に』という方針が出されました。女性部も全力で共に闘っていきたい」「労働者の意識が変わってきています。私たちの主張を鮮明にして登場することが求められています。3・8国際婦人デーの成功、国鉄10万筆署名の全力をあげた取り組みなど1年間の闘いを総括し、女性部が組織拡大の先頭に立ちましょう。6・7国鉄集会を成功させ、安保国会、派遣法改悪阻止へ立ちましょう」と6~8月闘争への決起を呼びかけました。 
 全国労組交流センター本部から飯田英貴事務局長が挨拶しました。「沖縄3万5千の決起はオール沖縄では押さえきれない怒りが満ちている。沖縄の振興策は破綻し、コールセンターも次々に撤退。非正規職が蔓延し、社会崩壊への怒りが満ちている。動労総連合を全国に、女性部の皆さんと一緒に動労東京をつくりたい。JR関連の女性労働者も膨大に存在しています。女性部の力が必要です」と訴え、6・7国鉄集会3000名結集の檄が発せられました。
 婦人民主クラブ全国協議会事務局長の鶴田ひさ子さんから連帯の挨拶をいただきました。
 次に、三役から議案提起が行われました。「昨年の闘いは国鉄闘争を基軸に職場・地域の拠点化に挑戦した。安倍の成長戦略の柱である『女性の活用』。
 『子ども子育て支援制度』は、保育士の非正規化・労動強化と労働組合破壊、民営化の攻撃であり、絶対反対で闘おう。動労総連合建設を合同労組への組織化と一体で闘おう」という今年度方針が提案されました。
 討論の冒頭、郵政非正規ユニオンの奥野明子さんから特別報告を受けました。労災から雇い止めに遭い、解雇撤回を求める労働委員会闘争の報告がされました。一家を支える収入を得るために、少しでも高い賃金の深夜労働を選んだこと、JP晴海局は正社員になれるという募集要項があったこと、労災での休養に関わらず嫌がらせの退職強要があったことなどを語りました。その言葉には深い怒りがありました。「私への解雇を認めたら、同じような目に合う労働者がまた出るから自分は闘う。沖縄闘争に参加して本当に良かった」と。奥野さんの闘いは「生きさせろ」の闘いです。
 女性労働者の置かれている低賃金と不安定雇用。しかし起ち上がった時、不屈非妥協のすごい力を発揮します。女性労働者にこそ労働組合が必要です。私たちの闘いに繋がる女性労働者が存在すると確信しました。
 大会の討論では21人が発言しました。冒頭から沖縄闘争のすごい高揚感、階級的労働運動の前進で勝ち取った熱気にあふれ「今回の沖縄闘争、行かんかった人は一歩も二歩も出遅れや」という関西の深町加代子さんの発言に、不参加の私は大いに納得してしまいました。
 自治体労働者の北島一恵さん(東京)から、「杉並区議選での児童館廃止反対の闘いは、選挙戦後も本格的に開始している。3600筆の廃止反対署名の提出行動、児童館や科学館で働く労働者との懇談会や交流があり、区職労の分断攻撃を許さず、絶対反対を貫き拠点建設に挑戦する」と発言がありました。
 医療・福祉の会員から共通して、新自由主義の医療や福祉切り捨て政策の現状が出され、職場はパワハラ、退職強要等々、大変になっていることが報告されました。低賃金や職域による分断など医療・福祉の現場は矛盾が山積です。介護職の低賃金問題や職域差別をどうやって職場の団結に変えていくのか。「組合員の相互の話をよく聞き、資本との闘いで乗り越える」「部会の役割が重要」。神奈川のK病院の闘いを聞いて「現場の矛盾は労働組合の闘い以外に解決できない。だから体制内を使った必死の懐柔と対決になる」と発言がありました。
 広島の森実智恵美さんは「労働相談も組合を作りたいとの相談が多くなっている。絶対反対の広島連帯ユニオンだから相談に来るのだ」と、核心をつく報告をしてくれました。そして「現在、医療・福祉ユニオンの結成を視野に入れている」と報告がありました。また、介護・福祉労働者の闘う団結・組織化を進めている東京北部労組交流センターからも報告がありました。
 国鉄分割・民営化以降の外注化や非正規化によって、どの産別も現場に矛盾が転嫁されていて、労働組合の存在と闘いが決定的になっていることがすべての発言からいっそう鮮明になりました。
 「動労総連合・動労東京の建設方針について一致を勝ち取ろう」という提起を踏まえ、真剣な討論が行われました。
 深町さん(関西)は「一人でも旗を立てることが大切だ。西郡、植木団地、崇仁の闘いで掴んだ教訓は旗を立てることによって分岐が起き、結集が始まった」と、関西での闘いの苦闘や闘って得た確信を報告しました。中西美代子さん(神奈川)は、「動労神奈川の結成が感動的だった。動労神奈川の結成で地区の仲間に団結が生まれた。動労東京を作ることは、人生の選択をかけて動労神奈川に結集した青年への援軍であり、絶対に必要な闘いだ。全体で動労東京を作りだそう」と発言し、動労総連合建設の重要性を鮮明にしました。動労西日本と共に闘う岡山や広島からも動労総連合建設にむけた発言がされました。動労総連合建設の闘いは、女性部建設の闘いでもあると思います。
 発言の全部を報告出来ないのが残念です。皆が、沖縄の闘いに感動し、沖縄闘争を切り開いた力こそ国鉄闘争基軸の階級的労働運動であり、この道を進もうという確信をつかんでいます。「動労総連合を全国に」という方針で全国に拠点を建設し、韓国民主労総のゼネストに応えてストライキを打てる労働組合を作ろうという決意にあふれた大会でした。