労働者は一つ◆№1 民主労総が労働市場改悪の政府闘争突入

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0304号11/01)(2015/07/01)

Workers of the world Unite 労働者は一つ、敵も一つ ◆№1
民主労総が労働市場構造改悪阻止の対政府闘争に突入

漆崎 英一(動労千葉国際連帯委員会)

 6月11日、韓国の民主労総と32の加盟傘下組織が「労働市場構造改革」を阻止するために政府ソウル庁舎前のろう城に突入した。民主労総は11日午前、政府ソウル庁舎の前で記者会見を開き、2次対政府闘争を宣言し、政府が労働市場構造改悪を強行するならばただちに2次ゼネストに突入すると宣言した。
 民主労総は、ろう城突入を起点に民主労総傘下組織が即刻闘争に突入することができるように準備する方針だ。このために毎日1人デモとローソク集会を開催して、各事業場ではゼネストリボン着用、毎週木曜日昼休み集会、出退勤宣伝戦等を続けて行く。民主労総は17日に拡大幹部以上が参加する集会を政府ソウル庁舎前で開催し、27日に労働市場構造改悪阻止と最低賃金1万ウォンを勝ちとることを目標に大規模全国労働者大会を開催する。特に6月と7月に政府が労働市場構造改悪を強行する決定的試みを行ったら即時ゼネストに突入すると警告した。
 ハンサンギュン民主労総委員長は「イミョンバク政権が複数労組とタイムオフ制度で民主労組の手足を切ったのに、今は民主労組の旗まで差し出せと言う。政府が構造改悪を試みる場合は座視はしない。政府と話し合いをしてきた韓国労総もゼネストを組織すると言っており共にゼネストに立つ」と警告した。
 民主労総は記者会見の最後に「就業規則」「一般解雇」「賃金ピーク制」と書かれた労働市場改悪の象徴物の角氷をハンマーで粉砕するパフォーマンスを行った。
 パククネ政権が「労働市場構造改革」に死活をかけているのは世界恐慌の中で悪化する経済状況が背景にある。政府は労働者を絞り取って資本家の収益を保証しようとしている。
 4月国会で法を改悪したり政府のガイドライン制定で推進しようとして一旦は挫折した「労働市場構造改革」の最大の争点は、通常賃金、労働時間、賃金ピーク制と賃金体系等だ。
 賃金ピーク制と賃金体系改悪は法令によらず政府のガイドラインで推進しようとしている。賃金ピーク制は来年度から施行される定年延長で、資本が実質的負担を受けないようにするため、高齢者の賃金に天井を設けて定年延長を実施しても生涯賃金は増えないようにすることを狙ったものだ。さらに賃金体系として年功序列を解体して職務・成果に従う賃金体系を形成して労働者同士を競争させ団結を難しくしようとしている。そして一般解雇要件を緩和し「より易しい解雇」ができるようにする労働者階級への攻撃だ。
 非正規職期間延長、派遣制拡大などは今後、労使政委論議を経て8月定期国会で扱うとしている。非正規職拡大政策は資本が要求する最大の課題であり、パククネ政権は何としても貫徹しようとしている。
 民主労総の2次ゼネストは「労働市場改革」政策の強行に真っ向から対決し粉砕する労働者階級の総力闘争として準備されている。
民主労総の2015年闘争の重要な目標である最低賃金1万ウォンの闘いは6月に集中的に展開されている。最低賃金委員会は本格的な賃金審議に入っており労働者代表委員の奮闘が続いている。民主労総は、7月15日に第2次ゼネストに突入することを決定した!