自治労大会の報告 新潟大会は、団結を感じる闘争になりました
自治労大会の報告
自治労新潟大会は、団結を感じる闘争になりました
▲会計年度任用職員制度は、すべての公務員を一年で解雇できる職員に突き落とす攻撃
安藤 誠司(みやぎ労組交流センター事務局長 自治体労働者)
8月28~30日、新潟で行われた自治労定期大会闘争は、全力で駆けつけてくれた新潟の労組交流センター、星野救援会、合同労組など多くの皆さんと共に団結を感じる闘争になりました。(楽しい定期大会闘争なんて、想像つきますか? この一点で自治労本部に勝った!)
大会前日の打合せで準備したレジュメ(後記※)はたったの10行です。これが、電話帳のような自治労本部の議案書に勝っています。なぜなら、自治労本部はあきらめと絶望しか提起できないからです。労組交流センターは、時代認識と路線で希望と展望を提起できるからです。
「希望の星」として定期大会参加者の前に登場しました。参加者みんなでハンドマイクを握り、思い思いに訴えました。みんなで作った大会闘争でした。大会参加者と感動的な合流も果たしました。
大会前日の現業評議会へのチラシまきでは、500セット用意したチラシが始まる前にはなくなり、国鉄署名も100筆以上集まりました。
夜には、新潟の仲間と自治体部会の仲間と交流会を行いました。地区での徹底した議論こそが、現場の苦闘を踏まえた方針と団結を生み出す力だとの教訓を巡って議論し、大いに盛り上がりました。
■自治労本部は安倍の「働き方改革」の先兵として登場
川本中央執行委員長はあいさつで、公務員に関する働き方改革について「人事院は重要性を全面に打ち出した」のに「より実効性のある具体策に踏み込まなかったのは残念」と述べました。自治労本部は、「働き方改革」推進の立場に立っています。
会計年度任用職員についても「期末手当等の支給を可能とすることなどが明確化されました」とよいものであるかのように打ち出しています。
さらに、「連合は『高度プロフェッショナル制度』の導入を一度も容認したことはなく」とウソを言いました。連合会長の神津里季生も「高度プロフェッショナル制度」について消え入りそうな声で言い訳して帰りました。
■会計年度任用職員制度=自治体労働運動解体攻撃
「会計年度任用職員」とは、非正規公務員に対する攻撃ではなく、すべての公務員を一年で解雇できる職員に突き落とす攻撃です。「一年解雇」の公務員制度を導入する「会計年度任用職員制度」に反対しよう!
今年5月、安倍政権は地方公務員法を改悪し、「会計年度任用職員制度」を2020年4月から導入することを決定しました。
「会計年度任用職員制度」とは、「会計年度=一年ごと」に任用(採用)と雇止めを繰り返す公務員制度です。この制度によって、非正規職員を再雇用する際の「空白期間」を設けることなく、任用→一年で雇止め、形式的試験→任用→一年で雇止め……を延々と繰り返すことが可能になります。
さらに、会計年度任用職員の中に、フルタイム制とパートタイム制を導入することで、一時金支給と手当による分断を図ろうとしています。
安倍政権は、自治体における非正規職員の大半を「会計年度任用職員」に統一することを通して、生涯一年雇用の「官制ワーキング・プア」を新たな公務員制度とし、新たな分断政策で自治体労働運動の解体を狙っているのです。
公務員制度・自治体制度の破壊、自治体労働運動の破壊を狙う、このような制度は撤廃すべきです。
安倍政権は憲法改悪と一体で、地方自治体制度の破壊と自治体労働運動の解体を一体で推し進めようとしています。それが、自治体版「働き方改革」です。
第1は、先に述べた地公法改悪による「会計年度任用職員制度」の導入です。第2は、地方自治法改悪による「窓口業務全般の民間委託」です。
戦争絶対反対を貫き、自治体職場の丸ごと民間委託、非正規職労働者に対する解雇を許さない自治体労働運動をともにつくりましょう!
■窓口業務の民間委託を阻止しよう!
安倍政権は地方自治法改悪を通し、窓口業務の全面的な民間委託化ができるとしました。
これを受け、仙台市は8月23日から宮城野区戸籍住民課に「民間事業者による職場課題分析と改善提案」をはかるとして、人材派派遣会社・パソナの労働者を導入しました。
人材派遣会社パソナは、生涯非正規・解雇自由の派遣労働者を社会の「常識」として定着させるために、安倍政権とタッグを組んだ竹中平蔵が代表取締役を務める企業、日本有数のブラック企業です。
このパソナが「総合窓口と窓口業務の民間委託」を受託し、自治体業務の丸ごと民間委託・非正規化を強行しようとしているのです。
そのために、総務省は偽装請負や個人情報に引っかからないようマニュアルを作成し、民間委託の対象として、戸籍、住基、税証明、福祉業務を明記しました。
電通や国立競技場新設現場で、過重労働に追い込まれた青年が自ら命を絶ちました。「民間のノウハウ」の導入と「会社の儲けのために、命をすり減らして働け」ということです。自治体業務の丸ごと民営化とは、過重労働の強制と自治体労働者の総非正規化です。
自治体労働者は、(私のような公共民間労働者も)怒っています。それが希望と展望をつかんだら爆発的な力を発揮します。遂にその時代がやってきました。
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※レジュメ
今の戦争・改憲情勢は、労働者階級が遂に本格的に起ち上がる待ちに待った情勢。自治体労働運動は、敵が労働者階級の「岩盤」と恐れる主戦場。だからこそ、労働者の前に鮮明に登場することが重要。巨大な時代の変化は、あらゆるものをふるいにかけ、ぶっ壊しながら進む。組織も、運動も通用しないものは屑籠に行く。(民進党が良い例)古いものにしがみついて、資本主義という沈没船に留まろうとする体制内労働運動との鮮明な対比をもって、労働者が求めている闘いの旗を鮮明に掲げて、大会参加者の前に登場しよう。
大会は、あらゆる怒りと危機感を持った労働者が集まる。本部執行部は、諦めと絶望を提案する。我々は、「希望の星」として登場する。戦争改憲を打ち破り、ゼネスト―革命を切り開こう。