闘う合同一般労組 コンビニで働くすべての労働者は団結しよう

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0343号13/01)(2018/10/01)

闘う合同一般労組
全国のコンビニで働くすべての労働者は団結しよう!

河野 正史(千曲ユニオン)

セブン闘争の広がり

 昨年3月の降格・減給の攻撃から、千曲ユニオンはセブンイレブン・ジャパン本部との団交を6回行ってきました。 「降格人事」は 私がお店とその従業員の立場に立って、本部を批判したことへの報復のための不利益扱いの不当労働行為であることを明らかにしました。また 、 セブンの売上至上主義が自爆営業・パワハラ・過労死をも生む原因を作っていること等々も併せて暴露しました。2013年の36協定で私が立候補し労働者代表になったにもかかわらず、本部が「労基署に提出した書類」には別の人事部の側近社員の署名捺印があり文書改ざんも明るみにしました。
 ブラック企業の悪辣な体質を暴露した「セブンイレブン闘争ニュース」ビラ(現在№11まで)を千曲ユニオンの仲間がお店や工場、ドライバーに渡し続け議論も巻き起こしてきました。
 現在、長野県労働委員会に「降格・減給」に対する不当労働行為救済申立てを行い、 3月30日に長野県庁で記者会見を行い、 参加したマスコミは6社。コンビニ問題への関心は相当な高さでした。 全国のオーナーさん、社員、パート・アルバイトさんからの相談が千曲ユニオンに相次ぎ、多くの仲間とつながっています。

店舗従業員の社会保険未加入問題が一大社会問題に

 週刊ダイヤモンド 7月28 日号に、「コンビニ・クライシス―社会保険が追い詰める加盟店経営」という特集記事が掲載されました。
 店舗従業員の社会保険加入について、本部は社会保険加入の社会的責任を無視、「オーナーの能力」に責任転嫁してはばからない。しかし 95%以上の店舗従業員が社会保険未加入という現実は、とてもオーナーの能力の問題とは言えない。契約内容に無理があるからではないか。千曲ユニオンはこの問題に全力で闘いぬく決意です。

職場の地道な闘いの大前進

 8月10日に行われたセブンイレブン本部との団交では、セブン社員(OFC、AFCなど)の労働条件改善の大きな前進がありました。
◇ 第一に、残業を命じるために必要な労働基準法第36 条の労使協定締結の労働者側代表を選出するためのやり方の抜本的改善が必要であると合意し、具体的改善策を人事部と千曲ユニオンとの間で話し合うことになりました。
◇ 第二に、賃金を払うべきと改善を求めていた、 みどりの基金「セブンの森」事業 (お客様の募金で山に木々を植樹する) へのボランティア参加についての人事部アンケート結果が示され、ボランティア参加した社員の半分以上が「業務 (仕事)であると理解していた」 と 回答し、この社員たちには遡及(そきゅう)してすでに賃金を支払ったと回答がありました。大勝利です。
 千曲ユニオンは今後、店舗オーナーや従業員もボランティア参加は有償になるべく交渉しています。
◇ 第三に、AFCなどのアシスタント業務の社員に対して 、「 リース車のETCカードを返却しろ」との通達が来ました。県をまたいでまで店フォローに行くことが多い私たちAFCは高速料金や宿泊代をいったん立て替えなくてはならず、薄給であるのを知りながら、嫌がらせを行ってきました。職場のAFC仲間と抗議し 「必要であれば返却しなくても構いません 」との回答を得ました。仲間の 団結の力で返却阻止の大勝利をかちとりました。

大災害時のコンビニの現状

  関西の台風水害、北海道における地震で被災された方には心からお見舞い申しあげます。千曲ユニオンは現地で不眠不休で復興に働く労働者に敬意を表するとともに、一方で過重労働を強いて、災害に乗じて金儲けに走る資本を弾劾します。
 安倍は北海道地震について、 9月10日の記者会見で 「そして、ときにはですね、コンビニの商品が足りなくなりますと、みんな不安になります。これを送る。これは、普通のトラックだけでは難しければ、自衛隊のトラックも活用して、皆さんに安心していただくということも大切」 などと発言しました。いつから私たちの職場生産点が国の機関になったのでしょうか。
 セブンイレブンに人口よりも多い「メロンパン」 ( 写真)などを強引に配送させ、商品は選択できない、しかも被災したお客さんから金を取って売らせる。無償提供にするのが世界の常識だ! これのどこが一体支援なのか? 労働者の命を虫けらとしか思考できない安倍を監獄へ!
 北海道において、食材はあるが、コンビニチェーンの規格に合わず、体裁が整わないので供給ができなく、食材が廃棄になっています。人の命より、体裁や金儲けの資本主義をブッ倒そう
 また、被災した実家に戻ることもできず、仕事も手につかない状況に陥っている職場の仲間がたくさんいます。千曲ユニオンは、セブンイレブン資本に対して、社員の実家災害時の一時帰宅を認めること、その際には交通費も本部から出すことを就業規則に盛り込むことを次回団交で要求していきます 。

闘いで団結が拡大。コンビニの問題は全労働者の問題だ

 私たち千曲ユニオンが職場、お店の生の声を聞き、その声を本部との団交で追及し、その結果をビラにして地道に闘ってきたことが団結の拡大につながっています。ともに闘ってくれる仲間も増えています。私はコンビニの問題は、全労働者階級の問題であると確信しています。全国のコンビニ関連工場は真夜中に日払いの多くの外国人労働者によって稼働しています。商品を運搬するドライバーは店を何往復もさせられ、一人乗務の過酷な労働です。店舗で商品を並べ、販売する従業員はダブルジョブやトリプルジョブが当たり前の状況。店舗オーナーや店長は中小企業経営者と位置付けられていますが、労働基準法もない24 時間365日働く労働者です。そして、本部社員である私も労働者です。全国のコンビニ関連で働くすべての労働者が団結すれば社会を変える力を持っています。みなさん、お近くのコンビニで働く労働者に千曲ユニオンの闘いを紹介してください! 共に団結しましょう! 私たち合同・一般労組全国協は、コンビニ関連の労働者の連帯した全国組織を作ります。その先頭で闘っていく決意です。