阿佐ヶ谷再開発は白紙撤回しかない!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0351号10/01)(2019/06/01)

阿佐ヶ谷再開発は白紙撤回しかない!

(写真 田中区政が発表した阿佐ヶ谷地域開発の見取り図)

杉並区議選勝利の地平で、改憲・戦争に突き進む安倍政権・田中区長を倒そう!

伊藤 昌樹(都政を革新する会)

◆ほらぐち選挙の圧勝で区民は沸き立っている!

 「こんな再開発で街が潤うというのは、大手資本がふりまく幻想。もうだまされてはいけない。これはオリンピック騒ぎと同じで、行き詰ったアベノミクスのダマシ、最後のあがきだ」
 「都内・全国いたるところで再開発が吹き荒れている。三流の悪党の金もうけというのは見え見え。選挙の勝利を受けて、杉並で一矢報いましょう。ここで勝てば動きは止められます」
 「自分の周りでは『もう決まっているから』と思っている人もいる。でも、いつだれが説明し、
同意したかわからない。今後、どう進むかをつかんで反対していきたい。こうした強引なやり方は私の『人類不戦』の気持ちにそぐわない」
 4月21日投票の杉並区議選で、ほらぐちともこ候補が3275票の大勝利。その後行われた再開発問題をめぐる阿佐ヶ谷地域懇談会に参加した多くの区民から、次々と思いが語られました。
 東京・杉並だけでも西荻窪駅前再開発と周辺道路の拡張、西武新宿線の高架化、外環道工事などによる住民追い出しと更地化の攻撃が吹き荒れています。東京全体を見ても、豊洲新市場と築地再開発、東京臨海部の再開発など、オリンピックをテコとした大規模開発が、労働者と住民にすべての矛盾を押し付けながら進行しています。アベノミクス―新自由主義の破綻がはっきりする中で、安倍首相・小池知事・田中区長が巨大資本の利害を体現して「命より金もうけ」に突っ走っています。
 「杉並で一矢を報いたい」―この杉並区民の思い、これは「阿佐ヶ谷再開発は白紙撤回」「改憲を止めよう」と闘った選挙戦を、自らの闘いとしてやり抜いた実感から発せられています。
その先頭で闘い勝利したほらぐち区議への熱烈なアピールです。

(写真 阿佐ヶ谷地域再開発反対を訴えるほらぐちさん)

◆「地元を無視し、街を壊す」再開発計画の白紙撤回を!

 地図を見て下さい。田中区政が18年11月に発表した阿佐ヶ谷再開発の見取り図です。
 河北病院を「けやき屋敷」に移転、その病院跡地に杉一小学校を移転、小学校跡地には高さ60メートルの大型商業施設を建設するという計画です。
 これは金融資本が全面的にテコ入れし、医療資本と行政、そしてJR資本が結託した大規模な〝阿佐ヶ谷の全面的更地化〟攻撃そのものです。阿佐ヶ谷北東地域のみならず、周辺地域を巻き込んで、労働者の生活や商店街を一変させることになります。
 田中区長は、杉一小跡地に巨大高層ビルを建てるために容積率を大幅緩和し、「民間の有効活用」と称して民間のデベロッパーを積極的に参入させようとしています。
 田中区長はこの再開発を「今後15年かけて進めていく」と公言しています。

田中区長による再開発の見切り発車は許せない!

 5月8日、「阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業に係る土地利用構想について」なる「説明会のお知らせ」ビラが近隣住民に配布されました。同時に予定地には同様の看板も設置されました。これは「杉並区・欅興産(地主の相沢が2013年に設立)・河北医療財団」の三者が、事業の共同施行者として突如として出したものです。
 しかも「説明会」とは名ばかり。住民を一堂に集めて説明するのではなく、「オープンハウス形式」と称して、住民一人ひとりを分断し、職員がパネルで説明するというもの。これは明らかに、これまでの区が主催してきた「意見交換会」において反対意見が続出し、その場が住民の怒りの団結を生む場になったことに対する「反省」から来ています。
 しかも、この「説明会」は、「あくまでも区画整理事業に限ったもので、どのような建物が建つ
のかの説明ではありません」とされています。つまり住民の怒りや思いをすべて踏みにじり、「区画整理事業ありき」で見切り発車するというやり方です。
 区議会選挙の大きな焦点となった阿佐ヶ谷再開発問題。田中区長など三者にしてみれば、選挙の争点になってしまったことは最大の誤算でした。しかも日本共産党など、労働者・住民の怒りを議会内に封じ込めようとしたすべての党派を圧倒し、「白紙撤回を」を掲げて地域丸ごとの怒りを組織して闘ったことが決定的でした。

労働組合と住民、革命的議員の団結で阿佐ヶ谷再開発計画は止められる!

 労働者・住民の怒りは、こんな姑息なやり方には絶対につぶされません。
 このむき出しの新自由主義攻撃に対して、労働組合の団結を軸にした地域住民の団結の力をもって杉並の地から本格的な反撃に打って出るときが来ました。

◆再開発は労働者に低賃金と強労働を強いる攻撃だ!

 この再開発を主導しているのは田中区長と金融資本、その下でうごめく欅興産と河北病院資本です。
 この地域における最大の民間総合病院である河北病院が、田中区長と一体化してこの再開発を推し進めています。河北病院の移転計画が公表されるとともに、阿佐ヶ谷再開発計画は一変しました。当初は「老朽化した杉並第一小学校の改築計画」だったものが、地域丸ごとの「更地化」構想にまでエスカレートしたのです。
 河北病院資本はこの移転のための200億円の借入金を確保するために、その矛盾のすべてを労働者に転嫁しようとしています。しかし、その河北病院の労働者の中から、大幅賃下げや評価制度の導入、団結破壊に対する怒りが噴出しています。さらにこの闘いと一体で、「河北病院跡地の医療汚染問題を当該の労働者として追及していく」という闘いが始まっていることが重要です。

(写真 選挙戦最終日の駅頭)

JR資本による地方切り捨て攻撃との闘い

 こうした新自由主義による更地化攻撃は、JR中央線の各駅で大きな攻防となってきました。これまでにも高円寺駅北口再開発、荻窪駅再開発などを、行政と金融資本、JR資本が一体となって進めてきましたが、地元住民の怒りと、都政を革新する会の団結した闘いが破産に追い込んできました。
 今回の阿佐ヶ谷再開発は、こうした破産の取り戻しをかけて出されてきた絶望的なものです。JR東日本による「変革2027」構想そのものであり、JRの全面的な外注化と子会社化の攻撃と一体の「地方切り捨て」攻撃です。
 さらに、こうした再開発と一体で進められている田中区長による「丸ごと民営化」攻撃に対して、自治体労働者や教育労働者の怒りが渦巻いています。児童館の全廃や「ゆうゆう館」の廃止攻撃、さらに高円寺小中一貫校をはじめ、学校の統廃合と民営化攻撃。
 この阿佐ヶ谷再開発は、田中区政による「杉並丸ごと民営化」との対決の最先端攻防です。とりわけ保育の民営化をはじめとした自治体業務の丸ごと民営化攻撃と完全に一体のものです。
 ほらぐち議員を一つの軸に、こうした労働者・労働組合の闘いが一つになったとき、必ずこの再開発を白紙撤回に追い込むことができます。
 安倍政権や資本家どもがもくろむ「労働組合のない社会」は、同時にすべての地域住民の命と生活を破壊する社会です。これこそ安倍政権と田中区長による改憲攻撃です。今次の区議選勝利の地平から、「改憲・戦争阻止!大行進」運動の発展、19~20年改憲阻止決戦の勝利へ、ともに闘いましょう。