東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の勝利の報告

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0296号03/01)(2014/11/01)

東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の勝利の報告

東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の勝利の報告

11月17日から職場に戻ります! これからが本格的な闘いです!

 全国の仲間の皆さん! お待たせしました。9月30日、ついに東京高裁で画期的な勝利和解を鈴木資本に強制しました!
 原職復帰の日は11月17日と決まりました。闘いはこれから新たなステージに入ります。 2009年夏の分会結成、秋の田口組合員解雇と組合破壊、2011年の8月田口組合員逝去と9・27ストライキ、処分・反撃・12月解雇という第1期鈴コン闘争。この3年、5年を経て、時には歯を食いしばってでも闘い抜き、ついに鮮やかな勝利となったことを誇りに思うとともに、全国的な支援に心から御礼申し上げます。闘いはむしろこれからが本格的な出発です。鈴コン分会の闘魂はますます燃えています!

●9・30和解強制に至る経過

 まず、今回の勝利はいわゆる「和解」をはるかに超えたものです。分会側からは一切和解など求めませんでした。しかし東京高裁は控訴審段階の証人申請等を却下して、資本に「これ以上やっても無駄」と和解を勧告し、資本側が「和解の意思はある」と言い出しました。
 これに対して分会と最強弁護団は、2か月前、都労働委員会に資本が出したふざけた和解案ならぬ「1か月雇って再度クビ」案を想起して、「解雇撤回・原職復帰、雇用期限撤廃、不当労働行為をしない」の3原則を1ミリも譲らぬ固い決意で臨み、高裁と資本に「嫌ならいつでも蹴る」と突きつけて、ある意味で判決以上の確約つき勝利を強制したのです。

 【東京高裁和解調書の要旨】
2014年9月30日 16時 東京高等裁判所 第21民事部 藤田裁判官受命
(1)(解雇撤回)会社は、3人への2011年12月の各解雇(雇止め)を撤回し、雇用契約上の地位にあることを確認する。復帰までの賃金を支払う。
(2)(原職復帰)会社は、11月17日から3人を解雇以前と同一条件で雇用し、3人は現に就労する。
(3)(実質的無期雇用)会社と3人は、この原職復帰の雇用契約は、3人らが雇用契約の満了後に更新を期待することにつき合理的理由がある状態に至っている旨裁判所に認定されたものであることを、互いに確認の上、了解する。
(4)(不当労働行為をしない)会社は、3人らに対し、東豊商事自らまたは鈴木コンクリート工業株式会社をして、法令に定められる不当労働行為に当たると認められる行為を一切行うことのないよう最大限努めることを確約する。

●「最後のあがき」も不当労働行為

 実は,4月16日の地裁勝利判決以降の鈴木資本の姿勢は半端ではありませんでした。 4月判決後、ギリギリで高裁へ控訴、5月、職場の窓に「流言・風説に惑わされるな」の貼り紙を張って、都労働委から剥がせと言われる。6月には、職場や関係者の「3人は職場に戻ってくれるな」なる嘆願書や上申書を、御用団体をも使って集めさせる(これは労働委員会に新たに申立した)。要は、資本は裁判で勝てないことがハッキリしたことで、露骨な不当労働行為に及んでも「職場労働者の分断、分会の団結破壊」に賭けてきたのです。 わが分会にとっては、「上等だ。賃金を払わせながらトコトン闘ってやる」という決意が増すだけでした。組織破壊に負けず、3人解雇に負けずに、全都全国に連帯共闘を広げてきたわが分会をなめるなということです。そして、ついに「不当労働行為の塊」のような資本を倒しました! 「7・1情勢は革命への扉を開いた」実感を新たにしました。

●新たな闘いの出発点

 共闘会議の花輪不二男代表は、「確かに最初は自分も信じられなかった画期的勝利だ。しかし、カッタカッタと喜んでいたら下駄の音で終わる。鈴コン闘争でめざした道は、これからが勝負だ」と、喜びとともに激励をしてくれています。動労千葉・田中委員長も「この勝利を土台に、首都圏を中心に交運建設をはじめ怒れる労働者を新たに数百数千と束ねる闘いが始まっている」と檄をくれました。
まずは分会・職場の強化拡大が第一ですし、田口組合員解雇撤回などの労働委闘争は続きます。第二に、共闘運動の中で始めた新たな仲間の結集の拡大で「合同・一般労働運動の中に動労総連合つくる」ような挑戦です。第三には、そのためにも11・2の大結集を基礎に東京・首都圏の国鉄闘争全国運動を強めて、安倍に怒り、戦争・原発に怒るすべての青年、労働者人民とともに「労働者の党をつくる」飛躍として進めたいと思います。
 その実践の前進を通して、労働組合が全民衆の団結の先頭に立てば勝てることを、これからも示していきます。

●闘いは楽しい、朗らかに闘おう

 全国各地には、まだわれわれの知らないところも含めて、必死に闘い、団結を求めている労働者が何十万何百万いると確信します。
 今、すべての職場で起きている現実への怒りを解き放つことができなければ、労働者の生活も人生も、青年の未来もありません。
 でも、眉間にしわを寄せて1人で力まなくとも、絶対反対・階級的団結で闘うことは実は楽しい!(苦しいことも仲間と共に乗り越えれば何倍も楽しい)。鈴コン分会も、解雇撤回したからといって資本を許すなんてことはありませんし、職場でも地域でもどんどん仲間を増やして攻め続けます。
 職場で地域で、労働者の怒りは爆発し始め、本物の闘う労働組合を求めています。その怒り、意欲、エネルギーを結べば、これまで想像できなかった世界が広がると確信します。
 最後に、高裁勝利和解は、非正規職でも実質的な期限の定めがない状態の確認や、不当労働行為をしない確約、偽装倒産をさせないために東豊商事と一体の鈴木コンクリート工業をもしばる確約をしたことなど、重要な地平と自負しています。堂々と闘いましょう。
(東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会)