■闘う合同一般労組 「オープンスペース街」弾圧、2人奪還の大勝利

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0306号14/01)(2015/09/01)

■闘う合同一般労組
「オープンスペース街」への弾圧打ち破り、2人奪還の大勝利!
拠点つぶし打ち破り、1千万人と結合へ 東京北部ユニオン

 8月14日夕方、「給付金詐欺」でっち上げで逮捕・勾留されていた障害者就労支援事業所「オープンスペース街」職員女性2人の釈放をかちとった。19日間にわたる朝・昼・晩の拷問的「取り調べ」を打ち破っての大勝利だ。
 6月1日の不当捜索以来、全国の仲間から数多くの物心両面の支援・激励をいただき、心より熱く御礼申し上げます。

拠点つぶし攻撃打ち破った

 今回の弾圧は、「街」職員が属する東京北部ユニオンに対する不当弾圧というレベルをはるかに超え、どん詰まりの危機に立たされた安倍政権が、6・30動労千葉鉄建公団訴訟最高裁上告棄却決定と一体で、階級的拠点を壊滅するために公安警察の総力をかけた歴史的大弾圧だった。公安警察は、「これは公安と中核との対決だ」「『街』という存在そのものを潰す」と言っていた。実際に、6・1不当捜索と同時に「街」利用者宅を訪問し、露骨な切り落としと権力の手先化を狙ったこと、捜索・逮捕ともテレビ局を動員して大々的な「過激派」キャンペーンを張ったことなど、戦時型の組織壊滅攻撃だった。不当逮捕された2人に対する「取り調べ」は連日朝昼晩6~8時間にわたる転向強要だった。
 これに対して、実に2か月半に渡る大攻防を闘い、ついに木っ端微塵に粉砕した。文字通り安倍と国家権力中枢を震撼させる大勝利だ。そして東京の各地区ユニオン・交流センターの団結の勝利だ。

3日間決戦で実力奪還!

 起訴を粉砕した最大の力は、何よりも2人が完全黙秘を徹底的に貫いたことにある。2人の仲間は、全国からの数多くの激励の声を力として、公安警察と真っ向から対峙し圧倒し、「詐欺」でっち上げを完全に粉砕した。公安警察は「最後まで何もしゃべってくれなかったな」と消耗感を露わにして完敗宣言した。
 逮捕されたAさんは「国家権力は、人が主体的に立ち上がること、人生をかけて闘うことをまるでわからない。あんな連中には負けない」。Bさんは「釈放と言われた瞬間、喜びよりも怒りで一杯だった。でっち上げで逮捕しておいてなんだ! 完黙の原則的な闘いが安倍を圧倒した」と振り返っている。国家暴力との非和解性を貫いた原則的な完全黙秘闘争と団結の力こそが勝利の道だ。
 そして地裁前攻防を中心とした3日間決戦が、情勢を動かし、力関係を変えて勝利をもぎりとった。
 私たちは、6・1不当捜索直後より地域、全国からの300以上の署名とメッセージを得て反撃の陣形を形成し、7・27逮捕以降、連続的に地裁前ビラと練馬区への申し入れ、街宣などを連続的に闘った。そして勾留満期までの一週間、さらにギアを上げた。連日の地裁前街宣と警察署激励行動、そして炎天下のなか都内の作業所250か所を回り、新自由主義に対する作業所の怒りと結びつく闘いに猛然と打って出た。「こんなことで逮捕なんてありえない」「マスコミ報道を見ておかしいと思っていた」。作業所からの怒りの声を掲載した連日のビラが、公安警察と検察庁、地裁を圧倒した。
 最後の3日間は、13日の勾留理由開示公判と地裁包囲デモを頂点に、一日中地裁・検察庁前を宣伝カーで制圧し、勾留満期の14日午後の釈放決定の瞬間まで徹底的に展開しぬいた。選挙闘争さながらの大闘争であり、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ、川内原発現地と一体で闘われた安倍打倒の8月決戦であった。
 打ちのめされた公安警察は「今回、お前たちはなんでこんなに構えが違うんだ。毎日違うビラをまいているじゃないか」と取り調べで敗北感を露わにしてうなだれた。彼らは「2年間張り込んで準備した」と組織壊滅攻撃をしかけながら、階級的団結と社会的反撃によって完全に破産したのだ。これこそ安倍自身の姿だ。安倍と新自由主義は、絶対反対と階級的団結の闘いで打倒できることを、今回の勝利ははっきりと示した。また1000万人と結合する宣伝・扇動のあり方をつかんでいったことは、大きな教訓だ。

障害者と地域住民の自己解放的決起

 逮捕当日から直ちにボランティアが駆けつけてローテーションを作って一日も欠かさず「街」を維持し運営しぬいた。「街」に毎日通ってくる高齢の地域住民の多くは、「血のメーデー」など戦後労働運動の経験者だ。そして障害者の仲間は、「障害者を騙して動員している」と見くびりさげすむ公安警察に怒りを燃やして決起した。
 8月13日の勾留理由開示公判には「街」利用者・ボランティア・地域住民が結集した。地裁前での「23年間の活動を見てきた地域の人たちは、最初から公安の嘘を見抜いています。安倍と公安警察よ、おまえたちに『街』をつぶすことなど絶対にできない!」との宣言は警察権力に壊滅的打撃を強制した。地域と職場に根ざした階級的拠点は、労働者の自己解放性をとことん引き出しプロレタリア革命に向かって促進する。安倍は完全に墓穴を掘ったのだ。

1000万人と結びつく闘い

 今回の弾圧は、安倍の戦争と治安弾圧の政治であると同時に、崩壊にある新自由主義による障害者福祉事業の民営化と作業所つぶし―地域丸ごとの民営化の大攻撃だった。安倍と公安警察は、作業所潰しの弾圧に自治体労働者を加担させようと狙った。まさに自治労解体と自治体の戦争動員攻撃でもあった。これを国鉄決戦の路線で対決しものの見事に打ち破ったことは、戦争と民営化に勝てる展望を指し示す決定的地平だ。その全責任をもって作業所から新自由主義への大反乱の一大運動を巻き起こす。そして職場と地域に闘う拠点を作り出す。
 何よりもこの弾圧を粉砕した東京の団結で、動労総連合・東京建設に真一文字に突き進む決意だ。安倍打倒の9月決戦を共に闘おう。