ひめじょおん――女性部から「学校事務の共同実施」は合理化・非正規職化攻撃だ!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0311号13/01)(2016/02/01)

ひめじょおん――女性部から
「学校事務の共同実施」は合理化・非正規職化攻撃だ!



桝渕 祥子(三浦半島教育労働者部会)
 三浦半島地区教組の事務職員部長をやってます。全国教研で「日・君強制は戦争への道」「教員免許更新制は今すぐ撤廃」というプラカードを掲げて以来、体制内執行部から何かと「目の敵」にされながら、仲間との団結を力に怯まず闘っています。
 昨年5月の大会で三教組本部は、「学校事務の共同実施」方針の大転換を行いました。「学校事務職員の差別・分断・合理化につながる」から反対としてきた20年来の方針を「県内の状況を注視しながら対応」するというぬえ的な方針に変えることを、事務職員部になんの相談もなく決めたのです。
 「共同実施」とは通常一人か二人の事務職員で行っている学校事務を、拠点校や「センター」に集まって組織化して行うというものです。学校事務職員の仕事は、教職員の給与・旅費・共済組合、財務など多岐にわたり、施設・備品管理や就学援助事務などやればきりがないものです。また運用が始まった「マイナンバー制度」も、「事務」というだけで「取扱者」にされかねません。日々管理職とのやり
あいであり、だからこそ事務職員部の団結が大事です。経験の浅い青年には一人で仕事をする「不安」もあり、「共同実施」が「相談しながらできる集団での事務処理」ではないかと〝幻想〟をもっています。でも、そんな甘っちょろいものではない!
 大分では06年度から「学校支援センター」が本格実施となり、06年時467人いた事務職員は14年度には345人に削減され非正規職員に置き換えられました。未配置校は257校で全体の64%にのぼります。東京も数年前から「大分方式」での導入を画策しています。
 98年中教審が「学校事務・業務の共同実施」を打ち出し、日教組は99年「待遇改善・定数改善」の方途として方針化しました。今全国で17県が全県導入し、市町村段階でも導入がすすんでいます。神奈川では日教組に先駆けて97年に方針化され、三教組以外の6地区が推進。そのなかでの方針変更は共同実施をすすめていくという宣言です。
 部の役員の青年が、ついに大会デビュー☆「合理化につながるから反対。事務職員が合理化されるのをどう考えるのか」という質問に、書記長はまともに答えず、青年は「事務職員は非正規化されてもいいと思っているんだ!」と怒り心頭。これでもう半分勝利です。提出した修正案も、あと11票という過半に迫る賛同をかちとりました。
 本格的な闘いは今からです。文科省は、7月「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」、「学校現場における業務改善のためのガイドライン~子供と向き合う時間の確保を目指して~」を公表しました。そこに「学校のマネジメント機能の強化」の柱として「学校事務の共同実施」が打ち出されています。日・神教組は「事務職員の役割が注目されている」などと大喜び、まさに〝奴隷の思想〟です。
 「共同実施」絶対反対、非正規職撤廃を具体的に闘うことを通して、三教組を階級的労働運動の砦として打ち立てたいと思います。