闘う合同一般労組郵政晴海局 解雇撤回へ大きく前進!
闘う合同一般労組
郵政晴海局 解雇撤回へ大きく前進!
郵政晴海局の雇い止め解雇撤回へ闘いが大きく前進!
都労委が「団交拒否は不当労働行為」と認定し、JP資本に謝罪命令!
池田 文夫(郵政非正規ユニオン)
●都労委命令の画期的地平
郵政非正規ユニオンは昨年12月10日、晴海郵便局の奥野組合員に対する雇い止め解雇と団体交渉拒否をめぐる闘いで、東京都労働委員会において「日本郵便・晴海局による団交拒否は不当労働行為である」との認定をかちとりました。都労委は会社に対し、組合に謝罪文書を提出するとともに、それを新聞紙2ページ大の紙に書いて晴海局に掲示することを命じました。これは画期的な勝利です。
●組合は晴海局に団交を要求
しかし他方で都労委は、奥野組合員の解雇撤回と組合活動を妨害する支配介入に対する訴えを棄却しました。その主張は、何が何でも不当労働行為ではないという結論が先にある理不尽極まるものです。まったく許せません。
当該の奥野組合員を始め組合は、切り開いた勝利の大きさと怒りも新たに解雇撤回まで闘いぬくことを確認しました。12月14日早朝、意気高く晴海郵便局に団交を申し入れました。ところが晴海局は「都労委命令は知らない」と、依然として団交拒否の姿勢をくり返したのです。そこで、組合は直ちに中央労働委員会に再審査を申し立てました。
日本郵便は奥野組合員の雇止め解雇を撤回せず、依然として団交拒否の不当労働行為をくり返しています。しかし今回の不当労働行為認定に大打撃を受けています。そもそも日本郵便が労働委員会で不当労働行為を認定され、組合への謝罪を命令されることが前代未聞の事態です。そして何よりも、現場の多くの労働者が今回の勝利を知って元気を取り戻しているのです。
1月1日、全国の郵便局で行われた元旦ビラ入れ行動では、晴海局の不当労働行為認定を報じた郵政非正規ユニオンと労組交流センター全逓労働者部会の元旦ビラが万を超えて配布されました。このビラを見た何人もの労働者が連絡をしてきました。郵政非正規ユニオンと共に闘いたいとの意思表示が多数寄せられているのです。
●郵政非正規ユニオン4年半の闘いの勝利
今回の不当労働行為認定は解雇当該である奥野組合員の勝利であると共に、東京多摩局での大量解雇事件以来、労働組合を結成し「非正規労働者は革命の主体だ」と闘いの旗を掲げ続けてきた郵政非正規ユニオン4年半の闘いの勝利です。
私たち郵政非正規ユニオンは、株式上場に伴う人減らし合理化、労働強化を許しません。地域の全国協の仲間と共に、「動労総連合を全国に」の闘いと一体で郵政職場に闘う労働組合をつくり出すために今後とも闘いぬきます。共に頑張ろう!
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奥野さんの晴海局前でのアピール
私は奥野と申します。2013(平成25)年3月末に通勤災害を原因とした雇止めにあいました。雇止めの撤回を求めて、晴海郵便局と2回の団体交渉を行いましたが、当局は一方的に団体交渉を打ち切りました。それから毎月、晴海局に団体交渉の再開要求の行動を行って来ました。回数にして25回以上…。
普通だったらあきらめますよね。「もうこんな不毛なことはしたくない」と心が折れますよね。事実、私も2013(平成25)年4月からのこの2年間、幾度もあきらめようと思ったことか。また、親や友人からも「こんな無駄なことはもう止めろ」とずっと言われてきました。
12月10日、この日の朝焼けは燃えるような赤でした。2014(平成26)年1月に東京労働委員会(以下、都労委)に申し立ててから丸2年。ついに晴海局闘争の命令が都労委から出されました。
結果は、晴海郵便局に対して「これまでの団体交渉は不誠実であり、今後団体交渉の要求があった場合は誠実に応えること」。そして、局の入口に「謝罪文」を10日間掲示するよう命じたのです。
(中略)
12月11日付の『朝日新聞』の朝刊にも、今回の都労委の判決は画期的なものとして掲載されました。晴海局の不当労働行為認定は、世間でも大問題なのです。
「非正規に人権はない」「会社の言う通りに働いていればいい」「非正規は赤字の調整弁」といわれてきた今の世の中で、私たち非正規労働者の「非正規はモノじゃない! 会社の思い通りにならない! 雇止めにされても泣き寝入りはしない!」という意志をようやく国も認めざるを得なくなったのです。
過去、あまたの非正規労働者が日本郵便・当局による雇止め解雇を悔しい思いで受け入れざるを得なかったことでしょう。「所詮は非正規なんだから仕方ない。我慢するしかないんだ」と、怒りはあったけど日本有数の企業である日本郵政に立ち向かうなんて思いもしなかったんだと思います。
しかし、私は非正規であり続けたためにどんな悲惨な目にあったかをこの身をもって経験してきており、まして通勤災害中の労働者を「戦力外」とみなし平気で雇止めにした晴海局と日本郵政がどうしても許せなかった。一矢報いなければこのまま非正規の現状は変わらないと考え、ユニオンと共に闘う覚悟を決めたのです。
それと、解雇撤回の件は「正規職の場合は通勤災害で欠勤した場合でも保護されるという法律がある」「奥野の場合は心情的には理解できるが、非正規には保護しなければいけない法律がない」という理由で却下されました。つまり、「気持ちは十分に分かるけれどこの件に関しては都労委では判断しかねる特殊な例だ」と判断されたのです。なので「日本郵政と団体交渉してお金で和解するか、都労委よりも上位に位置する中央労働委員会に上告して争議してください」と丸投げされました。
くどいようですが私は、闘争開始から「解雇撤回」を目標に闘ってきました。なので、中央労働委員会に争議の場を移し、これからも闘争は続けます! 非正規の人権の向上、正規と変わらない労働条件―夢みたいな話ですが、この闘争には過去に泣く泣く郵便局を辞めていかなければならなかった非正規の思いが込められているのです。今回の不当労働行為認定が、全国の郵便局で働く非正規の希望と勇気になることを切に願います。