「暴処法」を理由にした関合労に対する不当弾圧弾劾!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0312号05/01)(2016/03/01)

「暴力行為等の処罰に関する法律違反」を理由にした関西合同労組に対する不当弾圧弾劾!

 ※2名の仲間を2月18日奪還!

合同・一般労働組合全国協議会

 本日2名の仲間を奪還した。この弾圧は伊勢志摩サミット、3月7日から開始される米韓合同演習―5015作戦計画―朝鮮侵略戦争を前にした前代未聞の戦時型弾圧・労働組合壊滅攻撃だった。しかし、検事勾留を許さず、直ちに奪還したことは偉大な勝利である。国労5・27臨大闘争弾圧や法政大学弾圧への暴処法の適用に対して、現場の労働者、学生が完黙・非転向で闘って勝利してきた闘いの蓄積の上に、新たな勝利の歴史を切り開いた。権力・資本と非和解で闘えば勝てるのだ! しかし、焦りに駆られて弾圧に乗り出した公安警察を絶対に許さない。サトイ金属資本を許さない。解雇撤回の闘いで、必ず責任を取らせる!
 2016年版経労委報告は「解雇された従業員が、企業の枠を超えて個人で加入できる『合同労組』に事後加入し、当該労働組合からの団交申し入れを企業側が拒否した結果、労働委員会へ不当労働行為の救済申立てがなされるケースが目立つ」(54頁)と合同労組の闘いに初めて言及し、危機感を露にしていた。今回の関西合同労組に対する弾圧は日帝中枢の強力な意思が働いていたとみるべきである。しかし我々はその弾圧を打ち破ったのだ!
 2月17日早朝、関西合同労組の組合員2名が不当逮捕された。罪名は「暴力行為等処罰に関する法律違反」である。昨年10月13日に行われたサトイ金属団交が「脅迫にあたる」という許しがたい弾圧だ。「解雇は殺人だ」と発言したことが脅迫だというのだ。労働組合の団体交渉を「脅迫」であるとして、労働組合活動のすべてを圧殺しようとする不当な弾圧である。
 許しがたいのは団交に出席していた組合員に呼び出し状が出され、携帯電話が押収されていることだ。家宅捜索ではサトイ金属関係のビラ、団交要求書、団交記録、団交の音声データなどが丸ごと押収され、関合労大会の議案書、組合規約、組合財政帳簿なども押収されている。
 「暴力行為等処罰に関する法律」(暴処法)は、1926年3月9日当時の第51回帝国議会に政府提案され、同年4月10日制定公布、同月30日より施行された。労働組合死刑法と言われた悪法の「治安警察法17条・30条」の代わりに暴処法を制定したことから明らかなように、政府が労働運動・ストライキを圧殺する目的で制定された。
 暴処法は1926年4月の制定・施行から直ちに、労働運動・農民運動・水平社の運動に適用されていった。暴処法の特徴は刑法の暴行罪では成立しない罪を着せることが可能になる。刑法では個々の行為者の特定が必要であり、行為を個別的に評価しなければならないが、暴処法は個々の行為や行為者を特定せずに、現場にいる者全員を逮捕しうる。「団体交渉で大声を出したのが脅迫だ」として集団を罪に問えるのが暴処法だ。共謀共同正犯論を用いれば、現場にいない労働組合の指導者の逮捕も可能となる。すると、その時点での運動抑圧が容易になるだけでなく、指導者のねらいうちによって「組織破壊」をねらうことも可能になる。非親告罪であるから権力が独自の判断で踏み込むことが可能だ。
 暴処法の脅迫罪による逮捕や起訴を認めることは、事実上団体交渉権等そのものを否定することになる危険が大きいと制定時から問題になっていた。それが法律の施行から90年を経て今発動されたのだ。このような弾圧を許せば労働組合運動そのものが成り立たない。団体交渉が脅迫罪で弾圧の対象となる。全国協はこのような不当な弾圧を絶対に許さない。釈放したからと言ってすまされる問題ではない。公安警察・資本を徹底的に弾劾し必ず責任を取らせる。
 2016年2月18日