産別・戦線の闘い 第3回教育労働者の闘い

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0317号05/01)(2016/08/01)

産別・戦線の闘い 第3回
教育労働者の闘い

(写真 2月日教組第65回教研集会に登場した教労部会)

― 新しい労働者の組合をつくろう! ―

「戦争と革命の時代」に〝教え子を再び戦場に送るな!〟を高々と掲げて闘う!

葛本 京子(三浦半島教育労働者部会)

教育、自治体、郵政、医療など各産別の闘い、及び「労働者階級と諸戦線の闘い」を掲載しています。

 私たちは2005年役員選挙から、じつに12回の組合権力戦を教労部会の総力で闘いぬいてきました。その間、体制内執行部がやってきた私たちをつぶすための〝せこい〟攻撃を数え上げたらきりがありません。組合規約を変え、再任用(非正規)の権利を奪う(役員に立候補できない、代議員・中央委員になれない等々)、大会から傍聴参加のOB組合員を締め出す、さらに最大の攻撃は、2014年役選で分会・ブロックの推薦を受けて執行委員に立候補した私を不正選挙によって不信任にしたことです。
 毎年役員選挙を決戦的に闘い、大会・中央委員会の論議を牽引する、ビラをつくり体制内が絶対に知らせない情報を97分会に届ける、動労千葉物販のとりくみや国鉄闘争10万筆署名などで分会訪問し、11月集会の組織化にとりくむ、一年中が闘いの連続です。これまで良いことも悪いこともほんとうにいろいろなことがありました。時には勝利に小躍りし、時には茫然自失することもありましたが、三教組組合員にまだまだ残っている〝労働者らしさ〟〝闘う労働組合の意識〟は、私たちの存在と闘いによって維持形成されているものだと自負しています。そして私たちの闘いの前進に逆行するように体制内指導部は単なる「後退」から本格的な腐敗へと加速し、今ではもう度し難いものになっています。

組合員の団結で修正案可決をかちとった三教組2016定期大会

 5月14日に開催された三教組定期大会は、"戦争と民営化・非正規化"を焦点に、その象徴ともいえる「二つの修正案」を組合員の団結した力で可決するという重大な勝利をおさめました。
 体制内指導部は、議案書から〝大会スローガンは全部なくす〟というじつに姑息なやり方で、戦後教育労働運動の綱領的スローガンである 〝教え子を再び戦場に送るな!〟を降ろそうと企てました。日教組も神教組も簡単には降ろすことができない〝教え子スローガン〟を、三教組が「先陣を切って降ろす」ということは、私たち組合員に対する侮辱であり、三教組の闘いの歴史の抹殺であり、日教組組合員に対する歴史的裏切り行為です。
 安倍が安保戦争法を強行し、朝鮮侵略戦争が切迫する今この時代に、それも朝鮮戦争が始まればまちがいなく出撃拠点となる〝基地の街ヨコスカ〟にある三浦半島教組が〝教え子スローガン〟を降ろすなど断じて許せないことです。それは単に「戦争に反対しない」という消極的なものではなく、労働組合として戦争を推進する、翼賛勢力へと転向する宣言であり、教職員組合としての死に等しいものです。
 私たちは「戦争絶対反対!スローガン削除は絶対認めない!」という反撃を職場分会から組織しました。とくに今回は代議員として大会に参加できる会員が減り、発言回数も少なくなると予想されたことから、職場分会の怒りを引き出すために大会の2週間前から分会オルグを開始しました。全組合員にスローガン削除という体制内の『悪だくみ』を暴くビラを配布し、主だった組合員には直接会って討論をし、会員はまず自分の職場で論議をまきおこしました。体制内の大会オルグでは「方針論議が大事なのでスローガン提起はやめます」という意味不明な説明に、多くの分会で弾劾の意見が集中しました。結果、6つの分会と事務職員部から「大会スローガンを丸ごと復活させる修正案」が提出されました。
 大会当日、私たちはインパクトのある登場をしようと、会場入り口に「教え子を再び戦場に送るな!スローガン削除反対!団結の力で、戦争・改憲・貧困・組合攻撃と闘おう!」という横断幕を広げ、OB会員も一緒にビラをまき全力で組合員に訴えかけました。
 2年前の「不正選挙」後の大会からはじまったOBの傍聴排除は、2月の中央委員会で『傍聴は組合員に限る』と確認されましたが、こんな嫌がらせは実力闘争で打ち破っています。OB会員は建物内で大会の最初から最後まで傍聴し、組合員と一体となって闘いぬきました。
 質疑・討論では私たちとつながる組合員や分会はもとより、発言者のほとんどがスローガンの削除にふれました。「なぜなくすのか!」「スローガンがないなんて組合じゃない」「スローガン削除は絶対反対」等々、疑問や反対の意見が次々に出て体制内を圧倒しました。修正案は大会代議員183人中101人の圧倒的多数の賛同を獲得して可決、組合員は〝教え子スローガン〟削除に断固NO!の明確な意思をたたきつけました。

青年たちの決起が連合路線を粉砕!

 いまひとつ、体制内との大きな激突は、「学校事務の共同実施」をめぐってです。それまで曲がりなりにも「反対」の立場をとってきた「共同実施」について、昨年の大会で突如方針変更を提案し、「県内の状況(神教組及び他の6地区教組は推進)を注視しながら対応」するという実質的な賛成方針への転換を、当該である事務職員部をまったく無視したうえで強行しました。
 「共同実施」は、事務職員の「生き残り策」として日教組(事務職員部)あげて推進してきたものです。しかし今や文科省や政府のすすめる「チーム学校」や「業務改善のためのガイドライン」など、聞こえのいい言葉にくるまれた非正規職化・学校民営化の格好のツールとなり、労使一体ですすめるものとなっています。導入された秋田や大分などでは激しい合理化・非正規職化がすすんでいます。また東京では数年前から始まった「事務センター化」攻撃に対して、都校職組の仲間を先頭に、都下にある7つの学校事務職員の組合が「7者協」として団結し反対しています。
 「共同実施」は学校事務職員の合理化を狙うだけでなく、教育全体をターゲットにした非正規職化・民営化の切っ先となる大攻撃です。昨年の大会では、修正案可決まであと11票と迫ったもののひっくり返すことができずに悔しい思いをしました。それを今回121人の代議員の圧倒的賛同を得て反対方針を奪い返すことができたのです。大会討論では、非正規職が増加し、そのなかで自主退職という形をとった「解雇」が横行していることや、学校給食のセンター化攻撃など、民営化・非正規職化をめぐるあらゆる矛盾が現場で噴き出していることが明らかにされました。こうした民営化・非正規職化の攻撃に反対して闘おうという組合員の意思が、「共同実施」修正案の可決として表現されたのだと思います。
 今年度、体制内役員体制は委員長・書記長が同時に代わり、大きく世代交代をはかりました。組合の運動や闘いの経験がほとんどなく、まさに体制内労働運動の中で育った新書記長は、「参加・提言・改革」路線を異様なほど繰り返し強調し、組合員の怒りを抑え、あきらめを植えつけようとしました。しかし「反対しても意見は通らない」と言ってはばからない「参加・提言・改革」路線は、現場組合員によって粉々に打ち砕かれています。多くの組合員が、とりわけ青年組合員が「労働組合として闘いたい」「三教組として闘おう」と心の底から発言しました。これまで体制的とされていた地区からも反対―執行部批判の意見が出、修正案にも複数の手が挙がりました。この間ひとりの組合員と定期的に学習会を積み上げてきた成果です。たった「ひとり」であっても、岩盤に風穴を開けることができる、その「ひとり」をつくり出すことが決定的です。
 今大会最大の私たちの「勝利」は、職場から決起しはじめた闘う青年たちと呼応した大会決戦を打ち抜けたことです。大会後の青年の第一声は「今日の大会はスカッとした!」「これでこれからも闘える」というものです。執行部のなかにいる青年たちも、大会に至る執行委員会で三役を相手に激しい討論を展開し闘いました。「彼らの決起に応える大会をなんとしてもつくり出す!」それが私たちの一つの大きな目標でした。青年たちは大会決戦でさらに力を得、ますます元気になって執行委員会や職場を舞台に闘っています。

青年たちとともに、怒りを職場の闘いに

 6月30日、大会を引き継ぐ中央委員会が開催されました。
 大会で可決した二つの修正案に次いで多くの手が挙がったのは、葉山の分会から出された「給食センター化の白紙撤回を求める」修正案でした。三教組方針には明確に「自校調理方式を基本に…、学校給食の民間委託化には反対」とあります。それなのに大会で体制内執行部は「センター化には反対ではない」という答弁に終始しました。大会後には、横須賀市でも葉山町と同じように首長主導で中学校での完全給食実施が打ち出され、その手法として給食センター化問題が急浮上してきました。中央委員会の争点をここに絞り、センター化反対を闘う組合員と連絡をとりながら、私の分会から「学校給食のセンター化に反対します」という修正案を提出しました。
 修正案には3分の1の中央委員が賛成し、そのあとの原案採決にはなんと16分会が手を挙げませんでした。いつもなら「賛成多数」で原案採決を数えることはありません。しかしあまりの少なさに議長が慌てて再度挙手を促して数えたなかでの確信をもった「16」はとても重要です。
 また中央委員会では、いろいろな課題を通して体制内に対する批判や不信が青年の口から率直に語られました。これまでとは違う大きな変化です。執行部の中で闘う青年たちと分会で闘う青年たちが呼応する闘いがはじまったのです。でもこれは自然発生的にではなく、これまで私たちが積み上げてきた職場・分会での具体的な闘いや組織化、体制内とのやりあいのなかで労働組合のあり方を常に問うてきた、その地盤があったからこその変化だと考えています。動き始めた青年たちとの団結を強化するには、経験を笠に着て「上からモノを言う」のではなく、かといって媚びたり、擦り寄ったりするのではなく、お互いに学び合い、ともに闘う仲間として「新しい三教組」をつくっていく闘いを一緒につくり出していくことだと思います。

国際連帯を力に、11月労働者集会に1万人結集を実現しよう!

 6月9日から20日まで、UTLA(米ロサンゼルス統一教組)のアーリーン・イノウエさんが来日され、動労千葉国際連帯委員会との交流をはじめ、日教組奈良市、ふくしま共同診療所・県教組などを訪問交流し、旅程の最後の6月18日横須賀で日米教育労働者三浦半島交流会を開催しました。首都圏の教労22人が参加し『組織化の秘訣』を真剣に討論し交流を深めました。イノウエさんたちの権力奪取とその後の闘いを学び、また私たちの階級的労働運動路線とその組織化の闘いも理解してもらえたと思います。めざすものはともに、ランク&ファイルで闘うこと、ストライキで闘う労働組合をつくることです。
 体制内はおそらく考えもしない、そして絶対にできないであろう「国際連帯で闘う」「国際連帯を闘う力にする」ということを、私たちはこの手にしています。激動する世界情勢に、今後ますます国際連帯闘争を強化し、組合権力奪取の力としたいと考えています。今年の11月労働者集会に1万人結集をつくり出せる組織力を私たちがもつことこそが、UTLAや韓国・民主労総―全教組の闘いにこたえる国際連帯闘争です。
 交流センターは、鈴木たつおさんを推したて〝新しい労働者の政党をつくろう!〟と訴えて参院選決戦を闘いきりました。〝新しい労働者の政党をつくろう!〟は、私たち現場労働者にとって〝新しい労働者の組合をつくろう!〟と言い換えることができるのではないでしょうか。資本主義の終わりが始まりました。資本権力に屈服した労働組合幹部を今こそ打倒し、現場労働者を主人公にすえきった新しい労働組合・労働運動を職場からつくりましょう。その最高の情勢がやってきています。〝教え子を再び戦場に送るな!〟を高々と掲げ、青年労働者とともに、ストライキで闘う教職員組合の旗を今年こそ三浦半島に打ち立てる決意を新たにしています。

教労,記事0317

Posted by kc-master