日韓鉄道労働者交流会
※日韓鉄道労働者交流会
6月10日、青年部結成大会の後、韓国鉄道労組ソウル地方本部のパクソンス本部長とウォンミョンス組織局長を招き、日韓鉄道労働者交流会を開催した。
鉄道労組への質問が次々と出され、活発な討論で交流を深めた。(文責 編集部)
■あいさつ
○田中康宏(動労千葉委員長)
日韓の鉄道労働者が交流できることはすばらしい。韓国の労働者はパククネ政権を退陣に追い込んだ。その闘いを牽引したのは74日間のストライキをやりぬいた鉄道労組の闘いだった。
鉄道労組は2年前、23日間のストライキをやり「民営化は悪」という世論を作り出した。
こうした闘争をぬきに韓国全土での闘いはなかった。この闘いから学びたい。
日本の労働運動は力を失ったかに見えるが、それは国鉄分割・民営化の結果だ。ここを乗り越えたら、日本の労働運動は力を取り戻す。日本に階級的労働運動を甦らせよう。これが交流会の第一の目的です。
第二に、韓国では、民営化、成果主義賃金に対して歯止めをかけている。日本では、第二の国鉄分割・民営化攻撃が次元を超えた外注化攻撃としてかけられている。外注化阻止闘争の渦中で、闘う労働組合を復権させたい。
第三に、共謀罪が国会を通過しようとしている。戦争に向けた最後の歯止めをはずす攻撃で、「働き方改革」と一体の攻撃だ。鉄道労働者の任務はなによりも戦争を止めることだ。
率直な意見を出し合って交流したい。
○パクソンス(鉄道労組ソウル
地方本部委員長)
田中委員長から動労総連合青年部の結成の話を聞いた。韓国の鉄道労組も青年の事業に神経を使っているが、なかなか大変だ。青年の活動を通して、労組の活性化をはかるのは希望がある。韓国と日本の鉄道労組の青年労働者の交流ができるといいと思う。
■質疑・討論
○動労総連合新潟 鉄道労組が民主労総に加入したのはいつですか。
●パクソンス 鉄道労組は以前は韓国労総でした。2001年に民営化攻撃があり、2002年金大中政権の時には3日間ストライキをやった。しかし、当時の韓国労総傘下の鉄道労組委員長はストの最中に「職場復帰しろ」と言った。しかし鉄道労組はストライキを貫いて金大中に「民営化はしない」と言わせた。2003年に韓国労総の下では闘えないと民主労総に加入した。
○動労水戸 民主化闘争とはどういうことをやったのか。
●パクソンス 2001年の民主化は、韓国労総の時で、間接選挙で委員長を選んだ。その後の闘いで直接選挙をやるようになった。
○動労水戸 直接選挙で委員長が選べるようになって組合は戦闘化していったのか。
●パクソンス 直接選挙は組合員の意志で委員長を選べるようになった。選挙期間は15日間で地方へも政策を訴えに行く。私も直接選挙で選ばれました。
○動労福島 韓国労総は優遇されると聞きましたが、民主労総を選んだのはどうしてですか。
●パクソンス 韓国労総は政府からの支援金を受けている。韓国労総は、執行部が組合員を助けるということがない。ここは民主労総と違う。
○動労西日本 昨年訪韓して百万の決起に感動した。パクク
ネを倒そうというストライキの意思一致はやるのか。
●パクソンス 大ストライキは3年に1度くらいやってきた。鉄道労組は全国ネットワークで5つの地方本部がある。地方本部の下に127支部がある。ストライキを打つ時は、5つの地方本部と127支部の代表と話す。しかし、127支部の中も同じ考えではない。中央でストライキを打つと決めて組織する過程もむずかしいことはあるが、全体で力を合わせてその重要性について話す。
鉄道労組がストライキを打つ場合、時間がかかるので3年に1回ストをやっている。
○福祉労働者 職場で政治課題の取り組みは大変だ。職場の課題とパククネ打倒闘争の一体化はどう作っていったのか。
●パクソンス イミョンバク政権とパククネ政権が公共の民営化を推進した時、鉄道労組の組合員に怒りがあった。当初はロウソク集会への参加は少なかったが、民主労総の組合員は民営化反対を掲げてロウソク集会に参加し、その闘いが全国に拡大していった。鉄道労組が闘いを継続していなかったら、パククネの退陣はもっと遅れたと思う。
どうやって組合員を組織するのか。それは組合員の怒りを組織して闘いにつなげることだ。怒りのない組合員には宣伝・煽動が必要。ストの2か月前に教育をした。
○動労神奈川 教育というのはどういうことか。
●パクソンス 本部と5つの地方本部に教育する部署がある。本部委員長と地本委員長が教育する。中身は、ストライキがなぜ必要か、組合員の意志としてストをやる目的を明確にすることだ。日本では田中委員長を先頭に一生懸命やれば大丈夫だと思う。鉄道労組の組合員の平均年齢は48歳だ。ストは若い人が学ぶ。ストが組合員にとって一番の教育だ。
○茨城の合同労組 非正規の労働者との団結をつくりたい。
●パクソンス 正規と非正規の団結は日韓交流の出発点だった。韓国では非正規は非正規だけの組合。正規と非正規が共に組合をつくって闘うのは課題だ。しかし、正規が非正規の問題を解決するのではなく、非正規をなくすことが課題だ。ムンジェインは正規を非正規化しようとしている。闘いはこれから。○動労千葉を支援する会 必須労働者制の導入過程と、スト過程の生活費の負担を聞きたい。
●パクソンス 必須労働者制はノムヒョンが「公共機関のストが容易に打てる」という名目で導入した。それ以前は、ストをやると全員解雇だった。しかし実際は争議権を破壊し、不法ストと弾圧した。労働法改正を要求して闘っている。
生活費は、ストに参加する人も、しない人からも集めて、平等に分配している。
○動労西日本 組織拡大の原動力はなんですか。
●パクソンス 1万8000人の組合員がいる。5年前は2万2300人いた。公企業で人員削減があったからだ。団体協約で組合員資格を持たせる要求をした。ムンジェインとは外注化ではなく直接雇用する協約を結んだ。
○動労水戸 戦争の危機、民主労総解体攻撃については?
●パクソンス 韓国情勢は日本の影響が大だ。しかし、民主労総はそんなに簡単に解体されたりはしない。