■地平線―反戦共同行動委員会―

2019年7月31日

月刊『労働運動』30頁(0288号09/01)(2014/03/01)


 

■地平線―反戦共同行動委員会―
 

 

(写真 都知事選総括集会【2月10 日】)

都知事選挙を「縁の下」から支え続けた闘い
鈴木たつお選挙対策本部事務局長 北島邦彦


 鈴木たつお候補を推し立てた都知事選挙は、東京労働組合交流センターを中心に闘う労働者民衆の総力を結集して闘った歴史的な選挙闘争となった。選挙闘争に全力投入するなかで、労働組合交流センターのいっそう強化された団結を獲得したことが最大の成果だったと言うことができる。選挙闘争全体の総括は別稿にゆずり、本稿では「縁の下」から選挙闘争を支えてきた闘いの一端を報告したい。

「鈴木外し」との闘い

 今回の都知事選挙のひとつの特徴は、マスメディアによる徹底した「鈴木たつお外し」との闘いだった。このこと自体、国家権力と体制内政治勢力の脆弱性と危機性を端的に示しているが、彼らは最後まで「鈴木たつお外し」にしがみつく以外になかったのだ。
 だが、「鈴木たつお外し」攻撃=「有力4候補」「主要6候補」キャンペーンは、実は23日の告示日に完全に打ち破られていた。全都1万4千カ所を超えるポスター掲示板には、告示日夕刻までには約98%、翌日までには99%を超える掲示を実現した。その本気さと組織力の大きさは、「有力5候補」たる位置を十分に示したし、「+2候補」など本質的にも現実的にも、鈴木候補の足下にも及ばないことを実証した。「鈴木たつお外し」の事態を釈明するマスメディアの現場責任者も、ポスター掲示率の数字を突きつけられて、「国会議員を有する政党に推薦されている…、社会的に知名度がある…」という釈明の声もか細くなっていった。

ポスター100%の掲示率

 この闘いは、実は投票日当日まで延々と続く闘いの開始でもあった。告示日翌日から各自治体の選挙管理委員会から、「ポスターが剥がされている」「破られている」「イタズラ書きがされている」、さらには「2枚貼ってある(?!)」という電話が1日10本以上連日かかってきた。こうした破壊・妨害行為は23区内では人目が多いためか少なかったのだが、多摩地域に広範囲に引き起こされた。
 選挙対策本部では、多摩地域に居住して車・バイクを使うことのできる仲間3人を「ポスター・レスキュー・チーム」と名づけ、掲示板の場所を指定するメールを次々に送り、仕事帰りに再度の掲示を依頼した。「立川5-6(立川市○○町3-6-4△△小学校南側)。よろしく!」というメールが突然来て、その住所を調べて暗くて寒い夜道を走って行くのだから、その労苦や推して知るべしだ。この闘いを最終日まで貫徹することでほぼ100%の掲示率を維持し続け、「鈴木たつお外し」を現実的に打破する力となったのだった。
 10日に開かれた報告集会に参加した「ポスター・レスキュー・チーム」のひとりは、「杉並530か所は楽勝だ」とつぶやいていた。
 議会選挙という支配階級が用意した土俵でも、真正面から党派闘争に勝ちぬけるという確信に満ちた組織的な自信だ。都知事選挙闘争に加わったすべての仲間が、ともに獲得した勝利の想いではないだろうか。

地平線,連載0288

Posted by kc-master