JR東日本は川崎事故の責任を取れ!※共に闘う国労の会・東京のビラを転載します

2019年7月31日

月刊『労働運動』30頁(0289号04/01)(2014/04/01)

JR東日本は川崎事故の責任を取れ!※共に闘う国労の会・東京のビラを転載します
 

 


JR東日本は川崎事故の責任を取れ!
設備メンテナンス外注化こそ根本原因

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外注化攻撃の核心は、民事罰・刑事罰の下請け(労働者)への押しつけ

 2月23日午前1時すぎ、JR川崎駅付近で京浜東北線の回送電車が軌陸クレーンと衝突し、1両目が大破し横転、2両目も脱線、若い乗務員2人が負傷するという大事故が起こった。
 2月28日、JR東日本富田社長は「グループ会社の皆さんへ」なるメッセージを発し、「関係者間の指揮命令系統の明確化、軌陸車及び工事用重機械を建築限界内に進入させる際の取扱いの見直し、当社社員による工事施工立会いの強化を講じることとします。」と当面の対策を打ち出した。
 だが、語るに落ちるとはこのことだ。発注元であるJR東日本が川崎事故の責任をとるのではなく「当社社員による工事施工立会いの強化を講じる」だけなのだ。民事罰・刑事罰の下請け(労働者)への押しつけ! まさに外注化攻撃のもうひとつの核心がここにある。
 確かに外注化とは、事業者(発注元)が請負業者と契約し「成果物」だけを受け取るものだ。JRが自力で施行すれば100億円かかる業務(一部または全部)を50億円で発注し人件費を低減し、下請け労働者に非正規職化と低賃金・重労務を課す大合理化だ。だが「請負契約」のもう一つの核心は、外注化した業務の民事責任も刑事責任も一
切が請負側に帰属するという仕組みでもあることだ。一度事故が起これば鉄道事業者が本来とるべき責任を負わされるのは請負業者であり、直接現場で汗水流して働く労働者なのだ。
 2005年尼崎事故で刑事訴追されたJR西日本井手元会長は、神戸地裁で「(私に)安全の専門知識はない」と供述し、「聖徳太子じゃありませんから、私のような凡人には全てを知るのは不可能だ」と言ってのけた(裏面参照)。
 外注化が続く限り川崎事故は無くならない! 東日本社長富田が「究極の安全」とのたまうのは、「自らの究極の安全」だ。JR東日本は直ちに川崎事故の責任を取れ! 全ての外注化業務を直ちに直轄に戻せ!

1999年の山手貨物線以来の重大事故

 1999年、当時の山手貨物線(現新宿湘南ライン)で信号関係の下請け労働者5人が後ろから来た貨物機関車に触車し死亡するという凄惨な大事故が起こった。
 2001年からの「設備メンテナンス再構築」という保線・電力・信号・土木など鉄道保守部門(設備メンテナンス)の全面的な外注化施策を目前にしていたJRは、「人間の目視(見張り)に頼る作業をやめ、線路閉鎖手続きによる作業体制に見直す」として「新たな保安体制」を打ち出した。山貨での事故後、JRは「特定元方事業者とみなされる恐れがあるため当社(JR)は作業安全上の注意事項は記入しない」と「保安打ち合わせ票」を改ざんした。偽装請負がばれるのを避けるためだ。一切の自己責任を逃れ、下請け・孫請けの労働者に全ての犠牲を転嫁するためだったのだ。

尼崎事故の教訓さえ足蹴にしたJR東日本

 もう一つ決定的なのは、「グループ会社の皆さんへ」の中で「さら に、衝突のリスクを低減するための技術開発も進めていきます。」と 語っていることだ。
誰でも記憶にあると思うが、あの尼崎事故で先頭から2両目の車両 は衝突現場となったマンション地下駐車場内で隠れるようにひしゃげ て発見された。スピードアップと省力化の代償として107名の命が 奪われ膨大な乗客が重傷を負った。
京浜東北線の車両(E231)は尼崎事故車両よりもさらに軽量化 が進んだボルスタレス台車だった。事故車両は東京総合車両センター に搬入されたが、先頭車両とユニット3両の全てが破損し2人の乗務員(運転士と車掌)が負傷した。脱線・転覆し窓ガラスもズタズタだ。
 これが線路に載線された僅か9トンの軌陸クレーンと衝突した結果なのだ。これが回送電車ではなく乗客満載の終電車であったならどのような凄惨事態になったか想像に難くない。乗員乗客の安全性など歯牙にもかけないこのJR体制を絶対に許してはならない!
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(資料)「組織責任追及に壁。あきらめない遺族は蛍光ペンでノートに記した」(2013年9月28日付産経新聞より抜粋)

平成24年7月6日、神戸地裁で開かれた3社長の初公判。上田さんら 遺族の刺すような視線の先にいた井手元会長は公の場で初めて謝罪した。 しかし、すかさず「事故は想定できなかった」と無罪を主張。南谷(なんや)昌二郎元会長(72)、垣内剛元社長(69)も謝罪とともに無罪を訴えた。(中略)
 被害者参加制度を利用し、12月11日の被告人質問で井手元会長と対峙した。「安全を軽視していたことや落ち度があったことを認めて欲しい」。
 その一心から、懲罰的で運転士にプレッシャーを与えたとされる日勤教育や運行ダイヤ、安全対策について疑問をぶつけた。
 しかし、井手元会長は「(安全対策は)最大限のことをやってきた」などと答え、刑事責任については全面的に否定。「安全の専門知識はない」との供述に対し、上田さんが専門家に尋ねなかった理由を問いただすと、井手元会長は「聖徳太子じゃありませんから、私のような凡人にはすべてを強いるのは不可能」と言ってのけた。
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国鉄分割・民営化の総破綻! いまこそ外注化阻止の反合理化闘争に立ち上がろう!

 JR北海道で起こっている分割・民営化の矛盾は、ここ首都圏でも 何ひとつ例外ではない! 分割・民営化体制は今やズタズタだ。

 鉄道の安全は労働組合の闘いによって守られ、業務の一元的管理のもとで確保されてきた。本来外注化してはならないものを外注化することでしか成り立たない今のJRの現実こそ分割・民営化の崩壊だ。
 外注化阻止は、すべての労働者の命を守るための闘いだ。労働組合が今こそ立ち上がるときだ! 職場から闘いを開始しよう!