特集 特集 今秋国鉄決戦へ!■国労熱海大会は何を生み出したか!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0294号02/03)(2014/09/01)

特集 特集 今秋国鉄決戦へ!

■国労熱海大会は何を生み出したか!

現場組合員VS腐った執行部の非和解情勢だ
7・1情勢-熱海大会情勢に、
9・3組合員資格奪還-9・11郡工決戦で勝負しよう!

星野 文男 (国労新潟県支部)

 7月31日~8月1日に熱海で開催された第83回全国大会は、外注化・非正規職化と闘う組合員・青年労働者と、JR体制に抱え込まれ連合合流をたくらむ国労ダラ幹との対立が非和解的に表面化した大会となった。

単一組織解体、名称変更の強行を画策

 大会当日、運動方針提案で、真子書記長が「運動方針の補強案」を提案。内容は、1998年5・28東京地裁不当判決直後の第63回大会に当日提案された「運動方針の補強5項目」の第3項目(単一組織解体と名称変更)だ。
 国鉄分割・民営化攻撃との闘いは、動労千葉-国鉄闘争全国運動の闘いで7・1情勢を迎え撃っているが、国労解体攻撃は、国労の連合合流まで終わることはない。JR東日本に身も心も売り渡した東日本委員長・松井が、会社に言われるまま絶望的な労働代官として立ちまわり、同じ連合派の石上委員長では現在の情勢を乗り切れないとして、石上を辞任に追い込み、賞味期限切れの高野(前東日本委員長)を担ぎ出した。単一組織解体-企業別組合化と名称変更を強行して、連合合流へ突き進もうというのだ。
 日共-革同ダラ幹も、松井に賛成して、委員長・高野に同意した。革同は事前の会議で、国労の連合合流を意思統一してきた。「国労は単一体」など口先だけの日共-革同の本音が暴かれ、資本と労資協調派に許しを請い、連合派に擦り寄る最後的破産の時を迎えた。
 国労内反対派の高崎や新社会などは、補強案に対して「原案のままで行こう」という修正案(とすら言えない代物)を提案、時代とかけ離れた存在であることを自己破産的に証明した。国鉄決戦でスターリン主義を最後的に打倒する歴史的チャンスの到来を示している。(「共に闘う国労の会」会報№50参照)

集団的自衛権行使容認の安倍政権の絶望性

 日帝・安倍政権-JR体制はどうか。集団的自衛権行使容認の7・1閣議決定の核心は、日帝が自ら戦争主体となり、世界市場の分割戦に参戦することだ。日帝は対米対抗的な独自の侵略戦争に絶望的に突き進もうとしている。日本の労働者階級が戦後闘い、守ってきた戦争反対の一切を破壊しようとしている。
 国鉄分割・民営化反対と1047名解雇撤回の闘いは、「戦後政治の総決算」を叫んだ中曽根政権以来、戦争・改憲に立ちはだかってきた。7・1閣議決定は歴史を画する事態だが、追いつめられているのは安倍政権だ。安倍と一体の国家的不当労働行為の張本人=葛西の鉄道輸出の成長戦略はとん挫している。
 大恐慌が深まり、帝国主義間の争闘戦が戦争化する中で、日本帝国主義の軍事的立ち遅れは決定的だ。新自由主義-民営化の権化としてあるJR体制は、北海道の安全崩壊・貨物経営破綻、東日本ですべてが破綻・崩壊しようとしている。東労組・革マル切り捨てのあせりも表面化している。安倍政権は国内階級戦争の最先端のJR体制で破産している。同時に、国労熱海大会が示した労組産業報国会化は4大産別に波及する。労働者が主体的に「戦争か革命か」を選択する時代の到来だ。

労働者階級の誇りを取り戻し総反撃を

 動労千葉の5・2ストライキ、動労水戸の常磐線竜田延伸阻止・被曝労働拒否の3波のストライキは、民営化・外注化反対、非正規職撤廃-被曝労働拒否の労働運動の新たな地平を切り開いている。困難や制動があろうとも、労働者を信頼し階級的労働運動を進めることで、国労現場組合員が4・9政治和解に対するあきらめ感を打ち破り、労働者階級の誇りを取り戻し、自己解放的な闘いを甦らせることは絶対に可能だ。新津車両製作所分社化反対の3・10デモはその現実性を示した。

9・11郡工決戦先頭に階級的労働運動再生へ

 国労郡山工場支部は6月30日、動労水戸第3波ストと一体で「10・1外注化阻止」門前支部集会を開催した。外注化阻止の狼煙は上がった。集会宣言は感動的文書として組合員に受け止められ、翌朝門前で配布された。
 7月16日には「安全無視・偽装請負・強制出向の外注化」を止めるための公開学習会が森川文人弁護士を招いて開催された。
 本来の仕事をさせながら、外注先の労働者にわずか3か月の外注業務の教育・養成で外注化を強行するという安全無視の外注化を阻止するため、郡工支部は闘いの組織化を開始した。組合の違いを越えて、正規と非正規が団結を求めて闘い始めた。橋本書記長は「錆びついた歯車が油を得てギシギシと回り始めた」と実感を訴えている。福島200万人県民の生きるための闘いでもある。その根底的な息吹きは、熱海大会情勢に対し現場組合員と青年労働者の歴史的決起を牽引するものだ。

解雇者の組合員資格を奪い返そう!

 いま一つ決定的な闘いは、組合員資格奪還の9・3判決だ。「解雇者は組合員ではない」「和解で不当解雇ではなくなった」とするダラ幹の転向を暴き、組合員の手で1047名解雇撤回闘争をよみがえらせることだ。国労本部と宮里弁護士は「国労は一貫して企業内組合だ」「解雇者は組合員ではない」と、国労の闘いの歴史を改ざん・冒涜し、濱中保彦・元本部書記長は法廷で「和解で不当解雇ではなくなった」とまで言い放って、組合員の誇りと尊厳を踏みにじった。
 国鉄分割・民営化反対を貫き、1047名解雇撤回を闘ってきた誇りある存在が現場組合員だ。口先で「産別単一体」を叫ぶ革同幹部は、連合派と宮里弁護士の「国労は企業内組合」論に諸手を挙げて賛同している。スト権剥奪体制と実力で闘い、解雇者を組合員として守ってきたのが1957年国鉄新潟闘争以来の国鉄労働者の闘いだ。最高裁・寺田体制を食い破り組合員資格を奪還しよう。
 外注化反対、非正規職化阻止の階級的労働運動の実践で、命脈尽きたJR体制を打倒しよう。JR貨物の絶望的破綻と石田体制の凶暴な攻撃を絶対に許さず、貨物労働者の根底的反乱を組織しよう。青年労働者のほとばしる怒りと熱情を団結させよう。9・3組合員資格奪還から9・11郡工外注化阻止決戦を、首都圏車両センター外注化阻止と結合した全国闘争に押し上げよう。
 今秋、国鉄闘争全国運動のさらなる発展で11月労働者集会を勝ち取ろう。

国鉄/JR,特集0294

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