闘う合同一般労組 破産・解雇攻撃との闘い 東部ユニオン

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0318号11/01)(2016/09/01)

闘う合同一般労組
破産・全員解雇攻撃との闘いに突入!勝利するまで闘う!

東部地域合同労働組合東部ユニオン 吉崎製作所分会

■本田技研本社に対する抗議・申入れ行動

 7月29日、14時に青山1丁目にあるホンダ技研本社に対して、社前抗議行動と申し入れを行い、背景資本ホンダ・山下ゴムに会社解散・全員解雇の責任を取らせる闘いに突入した。
 ホンダ資本は人数を2人に制限するなど、あれこれ妨害を企てたが、当該4人と東部ユニオン執行部2人が会社の中に入り、申し入れを行う。組合の申入れ書の要点は以下の通り。
 「吉崎製作所はホンダの1次下請けの山下ゴム傘下にある会社であること。会社の解散が決定して以降、山下ゴムがホンダのラインを止める不祥事を起こして社長が更迭され、吉崎の会社解散も延期になってきた。4億の負債があるというが山下ゴムから来た社長・経営陣が、山下ゴムから社員を20人も吉崎に派遣し、その給与を吉崎の負債に転嫁してきた。吉崎製作所を山下ゴムの会社の一部部門のように扱い赤字を意図的に作りだし、組合つぶしのために破産した。破産して組合を潰した後で吉崎が行っていた生産をどこかで再開するとすればそれは偽装解散だ。ホンダはどこで生産を再開するか知っているのではないか。吉崎の社長が金型はホンダの所有物といった。そうであるならホンダも破産に責任がある。山下の株式を13%所有しているではないか」。
 これに対するホンダの総務の回答は「ホンダの関連会社、取引している会社は数百社に上る。山下ゴムとも取引があるが、山下ゴムがどういうことをしているかホンダは知らないし、関係ない。経営に関与していない。金型がリースの可能性はある。ホンダの所有物をリースしているということ。しかしそれをどこへ持っていったとかはわからない。技術的なことは総務の私たちはわからない。金型がどこで作られたかも社内でも秘密になっていて総務の我々が知りえる話ではない」というものである。
 ホンダ資本は知らぬ、存ぜぬという回答に終始したが、吉崎で使われていた金型がホンダ所有でリースされていたという話を引き出せただけでも、ホンダ技研本社行動に立った意義は大きい。

■7月14日に破産申請を申立てた吉崎製作所―山下ゴムの不当労働行為を追及!

 吉崎製作所は、本店を東京都葛飾区奥戸に置き、千葉県白井市に工場を持つ自動車部品メーカーであり、「金属プレス加工業」が主たる仕事である。2012年暮れに山下ゴム株式会社に買収されるまでは本店でも生産を行い、千葉県白井の第1、第2工場と共に3つの工場を有していた。吉崎製作所が製造した金属部品を山下ゴムの関連工場でゴム付け加工する。ゴムのついた部品は、防振ゴム(エンジンの振動を抑える為の部品)となり自動車のエンジンルームなどに取り付けられる。
 2013年1月に葛飾工場を閉鎖・移転し、白井の二つの工場のみで生産を行うようになる。2016年7月14日に破産申請をして、7月15日に以下の「告示書」が白井工場に張り出された。
 「告示書 破産者 株式会社吉崎製作所 上記の者に対し平成28年7月14日午後5時00分 東京地方裁判所において破産手続開始決定がされ、当職が破産管財人に選任されました(事件番号 平成28年(フ)第5009号)。本件建物及び建物内の一切は、当職が占有管理するものですから、みだりに立入り、あるいは搬出等する者は、刑法により処罰されることがあります。平成28年7月15日 破産管財人弁護士 小林和則」
 東京東部地域合同労働組合東部ユニオン吉崎製作所分会は、2012年11月に結成された。2012年9月に旧吉崎経営から株式を100パーセント取得した山下ゴムの指示で吉崎製作所の経営陣は東京都葛飾区にある葛飾工場を千葉県白井市にある白井第1工場および第2工場に移転・統合することを葛飾工場の従業員に通告し、12月中に移転に同意するか退職するかを迫った。納得いかない従業員数名が東部ユニオンに労働相談に訪れ、10人中4人で吉崎分会を結成して葛飾工場移転撤回を求めて会社に団体交渉を申し入れた。当初、会社は葛飾工場の従業員のほとんどが自主退職するであろうと目論んでいたが、組合の結成によりあてが外れて、急きょ移転を12月から2013年1月に延期して計画の修正をはかった。2回目の団体交渉で新たな移転計画が出され、組合は移転後の労働条件を確認して白井工場への移転に同意した。2013年1月に白井工場に異動した組合員は白井第1工場・第2工場の従業員に組合への加入を呼びかけ、活発に活動を行った。その結果、最大時で40人中15人を組織して会社に対して労働条件の改善を求め、定期昇給の実現、夏冬一時金の支給、時間給社員の待遇改善等を実現してきた。
 千葉県白井の第1、第2工場へ異動後の組合活動に危機感をいだいた山下ゴムと吉崎製作所は組合破壊の支配介入を目論んだ。当初から組合の存在を敵視していた会社は、当時課長だった鈴木を使い、組合員に「山下に弓を向けるのか」等、組合敵視の発言を行わせ、非組の従業員には組合に入らないように仕向けた。また当時次長だった藤本は組合員を仕事の打ち合わせにかこつけて個別に呼び出して、組合不信を煽る言説を行った。当時工場長だった小笹は出荷担当であり常時事務所にいた越智組合員に対して「仕事もできないくせに偉そうなことを言うな」等パワーハラスメントを行い、組合活動を委縮させている。
 今回の会社破産・全員解雇は山下ゴムが東部ユニオン吉崎製作所分会を潰すためになされた不当労働行為である。赤字の責任は山下ゴムにある。吉崎製作所が行っていた生産はどこかで誰かが行う。偽装破産・組合つぶしは許さない。我々は山下ゴムを不当労働行為の当事者として解雇撤回、雇用責任を取らせるまで粘り強く闘い抜く。