産別・戦線の闘い 第5回/郵政労働者の闘い

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0319号06/01)(2016/10/01)

郵政労働者の闘い
産別・戦線の闘い 第5回
JP資本とJP労組中央本部が一体となった攻撃を許すな!

(写真 6・1JP労組大会で組合員にビラ配布)

「無期雇用転換」を逆手に取った解雇要件協約化・就業規則化に絶対反対で闘おう

星野 勝紀(JP労組東京銀座支部)

教育、自治体、郵政、医療など各産別の闘い、及び「労働者階級と諸戦線の闘い」を掲載しています。

★はじめに

 8月24日、韓国の民主労総ソウル地域本部と日本の動労千葉・全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部・全国金属機械労働組合港合同の3労組から「東京11・6―11・12~13国際共同行動で戦争と労働法制解体攻撃に反撃を!」のアピールが全世界の労働者・労働組合に発せられた。
 郵政の職場で働くすべての仲間のみなさん、11・6日比谷野外音楽堂を満杯にして、あふれんばかりの労働者の力で朝鮮戦争を阻止しよう! 世界の労働者と連帯して帝国主義の戦争と労働法制改悪―労組解体攻撃に絶対反対で闘おう!

★時代は戦争情勢=革命情勢

 世界大恐慌がますます激化・深化し、戦後の世界体制が音を立てて崩壊していく未曽有の大激動情勢に入っている。 この数カ月をふりかえってみたい。
 6月、イギリスの国民投票でEU(欧州連合)からの「離脱」。ことの本質は、EU体制とそのもとで進められてきた、あるいはサッチャー以来の新自由主義に対するイギリス労働者階級の怒りの爆発だ。資本主義の発祥の地から、ついに資本主義の終わりが始まったのだ。
 さらに7月1日、バングラデシュの首都ダッカで日本人7人を含む23人が殺されるテロが起きた。この事件の最大の責任は安倍にある。低賃金の労働力を求め、日本のブルジョアジーはバングラデシュの労働者を強搾取し、さらに中国に対する軍事拠点の候補地としても狙っている。こうした安倍の侵略と戦争政策がダッカ事件を引き起こした元凶だ。
 8日には、米韓による高高度迎撃ミサイル(THAAD)の在韓米軍への配備が発表され、朝鮮半島における戦争危機が一気に高まった。さらには南中国海をめぐる領有権問題で、オランダ・ハーグの仲裁裁判の判決をめぐって中国は領有権を主張し、19日から一部海域で軍事演習に入った。こうした動きも含めて何が起きてもおかしくない情勢だ。
 こうした東アジアをめぐる情勢に対して、韓国民主労総は、7・20ゼネストを準備し、ハンサンギュン委員長に対する労働弾圧(5年の懲役)に対して総力で闘っている。
 さらにトルコでは15日からイスタンブールを中心とする「軍隊内の大規模反乱」、7・7アメリカ・テキサス州での銃撃戦。日本においては「相模原事件」。数カ月のうちに様々なことが起きている。
 世界中で起きていることの本質は、新自由主義の崩壊が、貧困と低賃金・失業の拡大、医療・社会保障の解体をもたらし、それが極限的な社会の分裂と破壊、人種差別・民族差別、階級分断、1%と99%の極限的な階級矛盾・階級対立の激化を引き起こしていることだ。
 もはや、世界のブルジョア階級は、資本主義の延命策として、みずから進めてきた新自由主義の崩壊に対して万策尽き果てている。唯一戦争によってのみ生き延びようとしている1%の支配階級に労働者はだまされてはならない。そして、労働組合が帝国主義の戦争に率先協力する機関に変質したことが労働者の戦争動員を許したという歴史の教訓を生かすのであれば、1%の支配階級の延命の手先となっている連合・JP労組中央本部を現場の労働者の力で打倒し、ストライキで闘う労働組合を自らの手に奪い返すことである。

★堪忍袋の緒は切れた 

 郵政民営化から8年、職場は様変わりした。「人材育成」と称した人事交流=強制配転から始まり、「民営化させないため」と称した人員削減合理化=非正規職への置き換えで、今や郵便の職場はその6割が非正規となった。JPEX子会社化の破産の現場への責任転嫁=雇い止め解雇、あらゆる施策が破たんし、そのつけは現場に転嫁されてきた。
 職場の日常は、圧倒的人員不足ゆえの長時間労働と交通事故・郵便事故の続発。分断支配から発生する労働者同士のパワハラやイジメ。当局はお構いなしに、ヒトラーさながらの指さし呼称を強制し、しびれるほどの長時間のミーティングで強権支配。あげくのはてに、DOSS(集配業務支援システム)の入力に追われ、人間が破壊されていく。カモメールが終われば年賀はがき、カレーだラーメンだ、何だかんだとノルマの強制。あげくの果てに、ロッカー点検だ。「俺は犯罪者か!」「俺が何か悪いことでもしたのか!」全国の郵便局でそうした叫びが聞こえてくるではないか。

★今こそ民営郵政とJP労組中央の支配を覆そう 

 みんなが日々感じている職場の日常こそ民営化の正体だ。それじゃあ、こんな職場に一体、だれがしたんだよ。その正体こそ、民営郵政とそれを支えるJP労組中央本部に他ならない!
 JP労組は、民営化と連動して当局の肝いりでつくられた全郵政とJPU(旧・全逓)が右翼的に組織統合した産物だ。民営化に屈服したJPU(旧・全逓)は、全郵政の生産性向上で企業に尽くすという組合綱領を飲み、過去の闘いを自己批判し、二度とストライキを闘わないと誓った。これこそ、小泉政権のねらいであった。戦争政策を進めるためには、闘う組合などあってはならない。これが支配階級の本音だ。しかし、組合本部を右翼再編しようと、職場には渦巻く怒りがあり、反乱の芽は、当局、JP労組中央の二重の支配の中にこそある。
 労組交流センター・全逓部会に結集する全国の郵政の仲間は、民営郵政とそれを支えるJP労組中央打倒を掲げて、全国のすべての郵政労働者の利益を代表して闘いぬいている。職場の仲間はその姿を見てきたし、「ひとり」から始まる闘いは、職場全体に蓄積されている。誰もが当局にひと泡吹かせたいと心の底では思っている。その声に応える方針こそブツダメ・ストライキである。
 ブツダメとは、仕事をサボることではない。郵便番号を読み、住所を読み、宛名を確認する。誤区分、誤配を防止するための基本中の基本だ。基本動作の徹底で郵便事故・交通事故に対して安全を確保するための正義性がある。しかし、当局は圧倒的な人員不足にもかかわらず、超勤削減と称して基本動作の余裕すら奪い、「誤配しない」「交通事故を起こさない」という労働者の誇りすら奪っている。ストライキには労働者が人間らしく誇りを奪い返すものとして圧倒的な正義性がある。そして世界の労働者と連帯するゼネストへの道がそこにあるのだ。全国で苦闘するすべての郵政労働者にブツダメ・ストライキを実現する力がある。そして必ず実現できる。「どうせ労働者は立ち上がらない」とたかをくくっている連中の度肝を抜くことが実際に起きているではないか。

★非正規青年の渾身の決起

 非正規労働者の渾身の決起は、2011年郵政非正規ユニオンの結成として開始された。それまで、無権利でいとも簡単に首を切られ低賃金を強いられていた青年労働者が職場から立ち上がった。非正規の青年労働者は奪われた団結権を自らの力で奪い返し、決起を開始した。この決起は東京多摩から始まり、その決起が燎原の火のごとく広がることを恐れ、当局は雇い止め解雇を強行してきた。
 しかし、断固として解雇撤回闘争を闘う中で、東京を中心に職場からの渾身の決起が続いている。日本郵政とJP労組中央本部に激震を与えて非正規職撤廃の闘いに発展している。職場におけるスキル評価に怒り、パワハラやイジメに怒りで震えながら団結することに希望を見つけ、闘うことに展望を見出している青年の姿こそ、この世の中をひっくり返す主体なのだ。毎日のパワハラに震えるくらいの怒りをもって叫んだ青年の声は「正社員に堂々とものが言いたい!」、そのとおりだ。そう言わせている元凶こそ民営化であり、資本主義の最末期の新自由主義政策に他ならない。真の敵こそ民営郵政とそれを支えるJP労組中央なのだ。この二重の支配を打ち破ることこそ正規・非正規の分断を打ち破る非正規職撤廃の闘いへと通じる道だ!

★「新しい常識」で闘う

 神奈川で人事交流=強制配転に対して、拒否闘争が労働委員会闘争へと発展している。「人材育成」と「人事権は聖域」を振りかざしてきた郵政当局を震撼させる闘いが爆発し、圧倒的正義性をもって意気軒高と闘われている。生産性向上で企業に尽くすという綱領に従う組合役員は、現役執行委員の強制配転にすら闘えないのだ。それを闘うことは可能なんだと全国の郵政労働者を鼓舞激励している。

★首切り協約化絶対反対で闘う

 安倍政権が、「働き方改革」と称して、戦後労働法制の解体とそれを通した労組解体攻撃で、改憲・戦争への道を進めている中で、郵政の職場もさらに大きく変わろうとしている。
 連合・JP労組中央本部は、改悪労働契約法による無期転換制度を日本郵政各社と8月25日に労働協約を締結した。
 郵政における無期転換制度の1年半前倒しではっきりしたことは、非正規労働者に対するさらなる分断支配と団結破壊であり、無期雇用社員(アソシエイト社員)とは名ばかりの非正規の固定化だ。さらに、劣悪な条件付きの採用区分の増設によって、正社員そのものを無くしていく攻撃であり、郵政を皮切りに社会に全体化していく攻撃である。だからこそ、郵政労働者が先頭になってこうした攻撃と闘うことが、階級の利益を代表する圧倒的正義なのである。
※無期雇用社員(アソシエイト社員)は、事業所閉鎖により勤務場所が喪失した場合は原則解雇。
※10月1日以降採用の期間雇用社員は、『契約更新要件制度』を新設し、勤続4年半を超えた後の次期契約更新時に、①当該契約更新時のスキル評価がB(習熟度なし)以上であること②当該契約更新時の評価を含む直近2回の基礎評価のどちらかが全て「できている」であること③直近半年間に懲戒を受けていないまたは見込みがないこと(懲戒を受けた者については、会社が量定を見極めて契約更新を判断)。 
 以上の内容からも、おおよそ非正規労働者に対して「正社員への道」などとは到底言えるものではない。そして、労働組合が解雇要件を協約化するということは、解雇撤回を闘わない宣言であり、資本の言う「使えないやつは首だ」という論理を労働組合が認めた証だ。「首切り協約化」したJP労組中央本部を絶対に許すわけにはいかない! 法律で決まろうが、協約で決まろうが、現場から反撃を組織することは可能だ。
 関西の仲間(正社員)は、非正規の仲間に対するスキル分断を許さず、スキル評価は不当労働行為だとして労働委員会闘争に立ち上がった。全国の郵政労働者は関西の闘いに続こう!
 闘いはこれからだ! 全国の職場から創意工夫して、分断攻撃を許さず職場の団結を固める方向性で、あらゆる闘いを展開しよう。
 11・6日比谷野音に全国の郵政労働者は「民営郵政とそれを支えるJP労組中央打倒」を合言葉に総結集しよう!
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スキル評価制度は団結破壊の不当労働行為だ!

労働委員会闘争開始!

 関西労組交流センター全逓労働者部会は、郵政で行われている非正規労働者への「スキル評価制度」の廃止を求める労働委員会闘争を開始しました。
 8月30日、大阪府労働委員会に対し「スキル評価制度は労働者の団結を破壊する不当労働行為だ。日本郵政会社と日本郵便会社はスキル評価制度をただちにやめよ。10月1日実施予定の無期転換制度をやめよ」と申し立てを行いました。すべての郵政労働者の怒りの先頭に立って闘いを開始したのは、富田林郵便局の平沼和典さんと吹田郵便局の村山晃さんの2人のJP労組組合員です。