ひめじょおん―女性部から/組織せよ、組織せよ、組織せよ

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0319号11/01)(2016/10/01)

ひめじょおん――女性部から
―― 組織せよ、組織せよ、組織せよ ――
労働組合運動こそが社会を変革する★UTLA執行部 アーリーン・イノウエさんとの交流

■組合執行部をまるごと獲得

 アメリカの公立学校がチャータースクールへと次々に変えられていく公設民営化攻撃が激しさを増す中で、公教育の崩壊を許すなと、11月集会にも参加しているアーリーン・イノウエさんやセシリー・マイアトクルスさんなどロサンゼルス統一教組(UTLA)の革新派メンバーは、「ユニオンパワー」というフラクを結成しました。闘う組合をつくるには、執行部をまるごと獲得しなければならないと、1年以上を費やして多角的・包括的なキャンペーンを展開し、2014年のUTLA指導部選挙で、執行部7人全員と多数の中央委員の議席を獲得しました。圧倒的勝利の要因は、アーリーンさんたちが自ら何百という学校に出向き、組合員の話を聞き、ユニオンパワーの目指す行動計画を示して、組合に絶望しかけていた人たちの心を取り戻していったことです。

■闘いと組織化は一体のもの

 6月9~20日の12日間、労組交流センター教育労働者部会の招きで、UTLA執行委員のアーリーン・イノウエさんが来日し、各地を訪れて教育労働者を中心に交流を深めました。執行部発足から1年半で目覚ましい変革を実現してきたユニオンパワー執行部チームの組織化の力を学びたいと、膝を交えて意見交換ができるよう、小さな集まりを各地で持ち、UTLA執行部に着任したユニオンパワー・チームが組織化に取り組んだ教訓を以下、学びました。
 組織せよ、組織せよ、組織せよ―一握りの戦闘的な活動家が闘争するのではなく、一人でも多くの仲間と共に闘えるよう、「エスカレーティング・アクション」という段階的にパワーアップしていく闘いを重ねて、最終的にはストライキを視野に入れた協約交渉のキャンペーンを展開しました。「個々の闘いは、ストライキ態勢を作るものにし、拡大する力を地域に示し、私たちの勝利を確実なものとするための一歩として組み立てるべきであって、一発で効果を狙うようなものであってはなりません」と、アーリーンさんは語っています。
 闘うために組織し、闘いがまた組織化を推進することを続けて、2015年2月26日に、UTLA始まって以来の歴史的な大集会が成功したのです。こうした行動が、当局にストライキをやる力があることを示し、組合員83%の投票率によって97%の賛成票を得る協約結果をかち取ることができたのです。ユニオンパワーの闘いから学ぶことは、非常に大きいと思います。

■世界的な社会変革をつくり出すのは労働組合の国際連帯

 アーリーンさんは、社会を変革するには労働組合が不可欠であると、大きな確信を得たそうです。労働者は、職場で、コミュニティーで、社会・人種・経済における正義に取り組むことが大事ですが、「私たちの取り組みは、自分たちの組合、自分たちの街に留めるべきことではなく、広く世界的な社会変革をつくりだすものでなければなりません」(レーバーノーツ集会のアーリーンさんの基調報告)」。
小島 江里子(千葉労組交流センター女性部)