闘う合同一般労組「評価制度廃止」の闘いは、「共同性奪還」の闘い―9・4昭誠館門前闘争の報告

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0319号10/01)(2016/10/01)

闘う合同一般労組
「評価制度廃止」の闘いは、「共同性奪還」の闘い―9・4昭誠館門前闘争の報告

(写真 9・4星野闘争と一体の昭誠館門前闘争)

職場闘争で新たな星野奪還闘争を切り開こう!

原 祥吾(徳島医療福祉労働組合書記長)

■星野闘争と一体の職場闘争を決断した理由  

 星野奪還!徳島刑務所包囲デモの9月4日早朝、私の職場である昭誠館門前闘争への結集、本当にありがとうございました。医療福祉部会の仲間はもちろんのこと、合同・一般労組全国協の皆さんが共に闘ってくれたことが、本当に嬉しく力になりました。
 今回は、「職場闘争と星野闘争が一体である」ということと、「ゼネストで星野さんを奪還する。地元からその拠点を作り出すぞ」という2つを目標として、職場門前闘争をやりました。
 国鉄闘争と星野闘争は、労働運動と階級的団結の中軸をなしてきたと思います。国鉄闘争の「不当労働行為は認定しても解雇撤回はしない」ことと、星野闘争の「無実の証拠がいくらあっても獄中に閉じ込める」ことは、資本・国家権力の同じ意図が反映されています。つまり、「国鉄解雇撤回と星野奪還を許すことは、国家権力自身が自分達のやってきたことの間違いを認めることになるから、絶対にしない」ということです。動労千葉と星野闘争は、これをぶち破ってきました。
 この闘いにつづこうと、私が職場で分会を結成したきっかけは、私への昨年の夏賞与50%カットと、管理職によるパワハラでした。くしくも分会は、動労千葉の国鉄解雇撤回闘争の最高裁決定の日である昨年6月30日に結成となりました。結成後、当局との2度の団体交渉、労働委員会での賞与カット等に対するあっせん闘争を行ってきました。
 闘争のテーマとしては、「アミーユ事件」や「広島の介護施設美泉での利用者死亡事故」等をふまえ、①「1人夜勤の撤廃」、②労働者を分断する「評価制度」の廃止、③その自己評価を口実にした賞与50%カットの全額支給の3つを掲げて闘っています。
 今、当局は16春闘の3月中旬頃から、組合の再三の団体交渉開催要求を、「時間の都合が合わない」と言って拒否し、「回答書」1枚で全てを終わらせようとしています。当局は組合の追及に対し、「交渉をしてもらちがあかない」と繰り返すばかりです。しかし、当局は団体交渉や労働委員会の席上で、私への賞与カットの基準を明らかにするよう求めた際、「会社の経営に関することは、組合に言う必要はない。経営権の範疇(はんちゅう)だ」というふざけた回答しかしていません。つまり、当局は何も説明していないのに、らちがあかないと言っているのです。今年の夏賞与も、当局の団交拒否によって、いつどの程度支給されるのかわからず、現場が混乱しました。私は、昨年夏よりもさらに賞与をカットされました。
 このような現状を変え、今こそ「階級的労働運動が職場の主流派になる」飛躍を勝ちとるために、職場門前闘争に決起しました。

■「9・4職場門前闘争」に対する職場の反応について

 9・4星野闘争に向け、組合が職場門前でビラまき等をやった際、職場の反動的な人間は、「職場に迷惑をかけるのはやめてほしい」とか「職場がつぶれたら組合は責任とれるのか」等、言ってきます。また、「職場に不満があるのなら、職場を変わればいい。こんなに良い職場は他にないのに、なぜ組合はこんなことをするのか」ということも言ってきます。本当に「ふざけるな!」です。このように当局の立場を代弁する人間が、職場労働者を分断するのです。絶対反対で闘いたいと思います。
 「相模原事件」が起きた直後に、当局が「部外者は敷地内に入れない」というテロ対策のようなことを職場に通達しました。9・4当日には明らかに朝の門前闘争を意識して、「施設内の施錠等がきちんとできているか確認するように」という旨の通達をしていました。それまで、広島の美泉やアミーユでの事件が起きた時には、「昭誠館とそれらの事業所のことは関係ない」と言い続けてきた会社が、「相模原事件」だけは、結び付けました。これは、9・4門前闘争の産別を超えた階級的団結に、当局が心底震え上がったということを示していると思います。また、労働組合の活動を、「テロ」と同列に扱おうとする当局を絶対に許すことはできないし、「共謀罪」が国会で議論されようとしている今、我々は階級的団結の拡大で、これに反撃していかなければならないと思っています。

■「評価制度廃止」の闘いは新自由主義との闘い

 改めて、「評価制度」との闘いは、「正社員ゼロ化、総非正規職化」を打ち破る全ての産別に関わる問題だと思います。また、これは労働者を評価し、団結を奪って孤立させるという、新自由主義社会の構図そのものとの闘いだと思います。「2018年問題」は、まさにこの人間を評価し切り捨てていくというあり方がもたらしたものであり、戦争・改憲への動員を狙った攻撃です。「はじまる前に戦争を止めよう!」は全労働者の叫びです。「儲けるための労働」ではなく、「人間が共に助け合って生きていくための労働」を、労働組合の団結と闘いで、奪還していかなければなりません。