戦争を止めようと訴え11・6労働者集会に組織しよう!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0320号02/01)(2016/11/01)

戦争を止めようと職場で訴えて11・6労働者集会に組織しよう!

田中 康宏(国鉄千葉動力車労働組合委員長)

★ 10月1日に開催された 11・6労働者集会実行委員会で、動労千葉の田中康宏委員長が提起した内容を掲載します。

 韓国・民主労総が9月27日に公共運輸労組の無期限のゼネストに入りました。これがどれほど大変なことなのか。執行部は逮捕されたままです。11・6日比谷野音を満杯にすることが、この闘いに連帯する一番の道だと思います。
 CTS(千葉鉄道サービス)の就業規則改悪が今日強行されました。7カ月間に渡る闘いは、動労千葉にとって本当に大きな経験になりました。この時代に階級的労働運動をつくり出していく展望をつかみとることができたのです。
 CTSの就業規則改悪は、全ての労働者を5年で選別解雇する攻撃です。それをかいくぐって無期雇用になったとしても最低賃金レベルの時給制。それを就業規則の一方的改悪という形で強行しようとした。それを見た途端、認識が一変しました。安倍政権の攻撃の本質がいっぺんにクリアになった。そして、全力を尽くして訴えたら職場は怒りの声で炎上した。ゼネストの芽はここにあることをつかんだのです。
 組合員には、「CTS就業規則改悪を粉砕するためにJR本体の組合員がストライキに入ろう。これはすべての労働者の未来にかかわる問題だ」と訴え、2波のストライキに立ち上がりました。正規と非正規が持続した団結をつくり、気持ちをひとつにして闘うことは簡単ではない。でも、その闘いを通して、どうすれば正規と非正規の団結が現実にできるのかをつかみとることができたのです。
 その過程で、JR本体でも新たな闘いが始まりました。繁沢副委員長に対し、定年後の再雇用先について、不当に隔離・配転する通知が出されるという問題が起き、撤回するまで再雇用の契約を結ばずに徹底抗戦することも決断しました。
 さらに、3月のダイヤ改定後、一部の乗客が乗務員を撮影して「ハンドルから手を離した」「居眠りしていた」「指差喚呼(しさかんこ)してなかった」等インターネットで拡散したことを理由に、職場への異様な締め付けが一斉に始まった。解雇、運転資格剥奪(はくだつ)等、乗務員を袋叩きにするような事態が生み出されたのです。
 執行部は全支部オルグに入り、6月の定期委員会では「反合・運転保安闘争の再構築」という方針をうち出しました。そうしたら「俺が乗務している工事用臨時列車をストライキに入れてくれ。闘いの武器になるはずだ」という意見が出された。工臨列車の運転席は夏場は50度近くになる。その業務に携わった組合員が脳梗塞(のうこうそく)で何人も倒れている。組合員は「これだ」と決意をひとつにして、工臨列車の指名ストに立った。
 新自由主義・資本主義が崩壊しようとしています。すべてが矛盾のるつぼです。人が人として生きていけない。労働運動の深刻な危機の中で、社会全体が津久井やまゆり園事件のような現実に置かれている。そうした現実の中から労働者が団結を回復し、新自由主義に対抗しうる運動のあり方をいかに構想できるのか。JR―CTSの闘いを通して、その方向性を少しつかみかけている気がします。
 2月以来の闘いで、CTSでは「闘う労働組合が必要だ」という意識が職場全体のものになった。まだ本格的な組織拡大は未達成ですが、これはひとつの到達点です。だから、考慮を重ねて、ここで形式的にストライキをやるよりも、その気持ちを大切にしようと判断して、9月30日と10月1日のCTS抗議闘争を組みました。
 労働者の怒りは満ちている。それを組織して労働運動を再生する道は必ずある。仲間を組織し、11月集会にともに進んでいきたい。この間の闘争から、その確信をつかみとりました。

韓国ゼネストに続こう

 民主労総は9月27日、公共運輸労組が無期限のストライキに入りました。民主労総は徹底して原則的に、かつ徹底した大衆性・柔軟性をもって、そしてひたむきに労働者を組織し、この闘争を打ち抜いています。訴えの一言一言が、すべてを獲得する意志と決意に満ちています。この姿に学ばなければいけない。
 11月集会は東北アジア―朝鮮半島をめぐる戦争の危機と対決する集会です。アメリカでは、「北朝鮮への空爆」「中国との開戦」が現実に検討されており、安倍は戦争法を制定し、改憲に突き進もうとしています。
 11月集会は、安倍の「働き方改革」―戦後労働法制の解体攻撃と対決する集会です。国鉄分割・民営化型の攻撃が全社会に拡張されようとしています。正社員ゼロ化・解雇自由化、就業規則の万能化をもって労働者のすべての権利を奪うということです。
 全世界で、労働法制大改悪に対するゼネストが始まっています。フランスでは全産別がストに入り、インドでは1億5千万人がゼネストに立った。
 日本では安倍政権が「同一労働同一賃金」「非正規職という言葉を一掃する」「最低時給1千円」などとペテンを唱え、それに連合も全労連もマスコミも迎合している。でも、安倍がやろうとしていることは、正社員ゼロ化と全労働者を最低時給にするということです。これをやったら社会は崩壊する。ゼネストの組織化をめざして、怒りに火をつけなければならない。11月集会は反撃への一歩を踏み出すことを宣言する場です。
 「働き方改革」との闘いは、単なる法改悪の問題ではない。現実の方が先行しています。その現実に闘いを起こさなければ批判にはならない。逆に、どんなに小さくても職場から闘争を起こせば、怒りは結集する。国鉄分割・民営化に勝ち抜いてきたわれわれこそが、本当にこの闘いを組織できる存在です。
 11・6集会は東京で開きます。東京で勝負しなければ勝てません。焦点は小池都知事による丸ごと民営化・都労連解体攻撃と対決し打倒することです。
 3労組で11月集会を取り組んできて、もう19年になります。民主労総のハンサンギュン委員長が獄中から発したメッセージの一節に、〝民主労総20年。20年たったら、自らすべてを変えなければいけない。その挑戦が民主労総に問われている〟とあります。11月集会も19年。自らを変え、時代に食らいついていかなければならないと思います。国鉄新10万筆署名を組織化の武器に活用してください。「国際連帯で戦争が始まる前に止めよう」と、街頭だけでなく、ぜひ職場の仲間に訴えてほしい。「戦争が迫っている。これをどう止めるか」を職場で真剣に訴えて、組織してほしい。11・6の成功へ、全力での取り組みをあらためてお願いします。