不当処分・運転士剥奪許さない! 銚子抗議行動!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0320号03/01)(2016/11/01)

不当処分・運転士剥奪絶対に許さない! 銚子抗議行動に決起!

 10月17日、佐倉駅で運転席から用を足してしまった問題で千葉支社と二回目の団体交渉が行われた。だが支社は団交が終わった途端、当該の仲間に、運転士の職を剥奪(はくだつ)してCTS成田駅清掃業務に11月1日付で強制出向するという通知を行った。減給処分に加え、「信用を失墜させた」などと言って運転士生命まで断つというのだ。絶対に許さない! われわれは仲間を守るために闘う。強制出向の通知を直ちに撤回しろ!

生理現象で処分するな!

 時間に縛られ、時間厳守が求められ、運転席から離れることもできない列車の乗務員にとって、トイレがどれだけ切実で深刻な問題なのか、鉄道で働く者なら誰だって分かっているはずだ。自分のトイレのために列車を遅延させるわけにはいかないというストレスと闘い、必死に我慢して耐えて、それでも我慢の限界をこして運転席からしてしまった。それがどうして一人の労働者としての人生を奪うようなところまで責め立てられなければならないのか。
 どんなに気をつけても、生理現象は自分の意志ではどうにもならないことがある。お腹の調子が悪くても簡単に休むことはできない。彼は利尿作用のある血圧降下剤をのみながら運転していた。「指令に連絡すれば駅のトイレに行っていい、列車が遅延しても構わない」と言うが、そんな綺麗事では済まないことは誰もが経験している。社会には全く出ていないが、どうしようもなくなって運転席で洩らしてしまい、座席を交換せざるを得なかったことだって、実際に千葉支社であった。乗務員をそこまで精神的に追い詰めるのがトイレ問題だ。運転士を袋叩きにすれば済むような問題では断じてない。

「報道されたことが悪い」

 しかも、当初は会社自身が「事情だけ聞かしてもらったらすぐ乗務に戻す」と言っていたのだ。それが、報道された途端に対応が全く変わり、「報道等によって信用を失墜させた」ことが処分理由にされた。だが、報道するかどうかはマスコミの判断であって、本人がやったこととは何も関係ない問題だ。
 なぜ報道されたことが処分や強制出向の理由になるのか? なぜ判断が変わったのか? 会社は何ひとつまともに回答できない。ただひたすら「事実に基づいて判断した」などと繰り返すだけだった。処分し強制出向で何かひとつでも良くなることがあるのか。何ひとつない。要するに「これだけ厳しくやっている」というJRの経営幹部の自己保身、責任逃れのためだけに運転士を袋叩きにしているだけのことだ。
 また、佐倉駅は総武本線と成田線の分岐点だ。銚子方面から乗務してきたとき、距離的にもここに乗務員用のトイレがあれば、気持ち的にもどれほど楽かは誰もが感じていた。だからホームの端にトイレを設置してほしいという要求をずっとし続けていた箇所であった。改めてそれを強く求めたが回答なし。
「これでは乗務員などやってられない」。職場は怒りの声で沸騰している。

尼崎事故と根っこは同じだ!

 しかし、もっと重大な問題がある。今起きていること、JRがやっていることは、尼崎事故を引き起こした問題と根っこは同じだということだ。人格や人権まで否定するような形で運転士を締め付けたこと、それへの恐怖が、停止位置不良・若干の列車遅延という日常いくらでもある些細なミスを、107名の生命を奪う最悪の事態にまで拡大させてしまったのだ。
 乗客からクレームをつけられた車掌が、その場で突然高架から飛び降り自殺を図ってしまうという近鉄奈良線の事件は、形をかえればいつ尼崎事故となってもおかしくない事態だ。
 この間、運転士や車掌が乗務中ずっと監視され、細かなことで見せしめ的に攻撃され、些細な事で乗務をおろさせるといったことが毎日のように続いている。「胡坐(あぐら)をかいた」といって摘発された運転士は、今もずっと乗務を外されたままで、同じように運転士の職を剥奪されようとしている。職場はもう限界だ。こんなことを続けていたら間違いなく重大事故が起こる。だから、われわれは声をあげることを決断した。
 仲間への不当処分・強制出向攻撃を絶対に許さない。JRの職場の現実を社会に明らかにする。必要とあればストライキを含む闘いにも立ちあがる。処分撤回・乗務復帰まで闘い抜こう。
 (日刊動労千葉より転載)