動労総連合第31回定期大会報告 結成30年 動労総連合の新たな発展を!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0322号03/01)(2017/01/01)

動労総連合第31回定期大会報告
第2の分割・民営化粉砕! 結成30年 動労総連合の新たな発展を!

 動労総連合は、12月11日~12日、千葉市・DC会館において第31回定期全国大会を開催した。結成30年を迎える中、九州、北陸、東京で新たに結成された単組の仲間を迎えて開催された。そして、激変するJR情勢と文字通りの第2の分割・民営化攻撃と対決し、本格的組織拡大の実現へ全力で闘う方針を確立した。(以下、討議の抜粋、敬称略 文責・編集部)

★石井真一副委員長の冒頭挨拶
青年中心の動労総連合へ
 去年の大会に比べてもすごい熱気で重大な大会になろうとしている予感がします。動労総連合も10組合になり、結成30周年で布施初代書記長の講演、レセプションもありますので大成功させていきたい。パククネは民主労総のゼネストから始まってすごい熱気で打倒され、アメリカではトランプ大統領が1月就任で、世界は大激動に入っています。その中で動労総連合が1年を総括し、来年にどう向かっていくか重要な定期大会になると思います。昨日(12月10日)、常磐線の相馬と浜吉田間の開通に反対して、仙台、原ノ町、いわき、東京で闘ってきました。原ノ町ではJR水戸支社幹部が来た相馬馬追いセレモニーを直撃して闘いました。署名も取れ、頑張ってと声をかけられた。われわれの闘いは非常に支持されている。安倍総理も来たが「絶対許さない。帰還強制も許さない」と闘った。これから青年部が中心になって闘う動労総連合にしたい。熱烈な討論をお願いします。

【1日目の討議】

○渡辺靖正(動労千葉・司会) 決意表明でも現場報告でもいいのでよろしくお願いします。

○動労西日本 私は広島印刷所廃止阻止闘争の切り開いた地平と勝利の展望の報告をします。
 2015年JR西日本は広島事業所廃止の正式決定をしました。職場の労働者全員の首を切る攻撃でした。動労西日本は当該事業所で働く私を先頭に、職場ぐるみの反対闘争を呼びかけました。10か月に及ぶ闘いを通して早期退職、強制出向などの攻撃をはねかえし、一人の首切りも許さない歴史的勝利をかちとったのです。国鉄分割・民営化以来、JR西日本の合理化施策が現場労働者の抵抗反撃で挫折に追い込まれたのは初めてです。あわてたJR西日本は2016年7月31日、広島事業所廃止を強行し、動労西日本と私への露骨な報復人事、不当配転を発令しました。不当労働行為の極みです。広島印刷所廃止白紙撤回、不当労働行為粉砕を掲げた闘いの永続的非和解的発展が不可避です。
 この勝利の地平を切り開いた組織的土台は何であったか。それは動労西日本の組合的団結の強化にありました。春闘から6波の広島事業所ストライキの全てを、全支部全組合員の総決起、総結集で闘いぬきました。そこで培われた力こそJR資本と御用組合の反動を力勝負で打ち破った原動力です。そして当該地域である広島の合同労組、広島連帯ユニオンとの共同闘争として闘い抜いたことです。10か月間毎月、広島事業所の前で広島連帯ユニオンの仲間が共に担うことで、闘いはJR産別を超えて地域を揺るがす大闘争に発展しました。さらに、2016年被爆71周年8・6ヒロシマ大行動に参加した韓国民主労総の城西工団労組の仲間が、ストライキの現場に駆けつけ共に闘う国際連帯大闘争に飛躍させることに実を結んだのです。
 広島事業所廃止で狙われたことは、労働法制全面解体の先取り攻撃です。安倍政権の「働き方改革」の最大の決戦場がJRです。1人からでも絶対反対の闘いを開始すれば、団結を拡大できる条件があります。
 動労西日本は、2016年7月27日に広島県労働委員会に不当労働行為の救済申立てを行いました。JR西日本による広島印刷所廃止は、組織拡大を妨害する団結破壊であり労働組合法7条3項違反、五日市駅配転は労働組合法7条1項違反です。
 私の配転先は山陽本線五日市駅で、動労西日本委員長の職場です。8月1日私が出勤した際、現場長は「あなたは駅の仕事をやらなくていい」と言いました。JR西日本会社は、五日市駅にしか私を配転することが出来なかった。これは半分勝利です。しかし私の本来の労働を奪い返す闘いをやらなければなりません。現在、月1回朝、JR西日本広島支社前、JR山陽本線五日市駅前で行動をやっています。第2の分割・民営化との最先端攻防である広島印刷所廃止反対の永続闘争の発展を切り開く一切は組織拡大です。そして三江線廃止絶対阻止へ沿線住民と団結して全力決起します。

○動労東京 動労東京の委員長をしています。2点報告します。
 1点は、昨日のJR東日本本社抗議闘争です。仙台、福島、茨城、東京で、常磐線全線開通阻止、帰還、被曝の強制阻止の決定的な闘いを開いたと思います。同時に、動労千葉の高石正博さんを先頭に解雇撤回をめぐるJR東日本本社の団交要求へのデタラメな回答に対して、決定的な1047名解雇撤回闘争を打ち抜けました。12~13時まで本社前抗議行動をやり、14時から新宿大ガードから東日本本社を回り、解散点の伊勢丹前までデモ行進しました。都庁の小池弾劾の闘いとしてもやりぬきました。
 午前中、神奈川の仲間たちは相模原運輸区、横浜運輸区の早朝ビラまき、東部の仲間たちは隅田川機関区に署名とビラまき、西部の仲間たちは中野電車区にビラまきをして、新宿の闘争に参加しました。被曝労働拒否と帰還強制反対の署名には、日貨労で応じた人が数人います。JRの青年たちが自分で考え判断するという変化が始まっている。南部の仲間たちは、大田運輸区前でビラをまき、そこを通った大井工場の労働者が「運転士と車掌兼務だけは許せない。一緒にやろう」と声をかけてきた。ビラまき全体の雰囲気が変わっていることを感じました。「選択と集中」というなら、ビラまき、署名が力を発揮すると思います。
 そして、動労東京はついに支部結成へ動き始めました。団体交渉に職場の仲間に参加してもらった。終電から初電までの間に全部車両を掃除する。終電で中がどんなに汚れているかと追及したら「僕は埼京線で通ってますけど電車はきれいです」と当局が応えた。「当たり前だ、俺たちがきれいにしてるんだ」と、職場で労働者が一番怒った。職場の支配権を握ることを目指して闘おうと思います。
 パククネを倒した韓国民主労総の闘いの主力も鉄道労働者です。どんな職場、職種にいようと鉄道労働者の誇りをかけた勝負ができる。階級的労働運動で勝負する動労総連合が決定的闘いを牽引する位置にあると思います。敵は必死になって構えている。こっちも徹底して構えて、闘う迫力が職場の労働者に伝わる勝負をやる時がきたと実感しています。東京は動労総連合の仲間たちと日本の労働運動を作り変えると改めて決意します。

○動労福島 一昨年動労総連合に入り、外注化阻止、組織拡大を取り組んできました。今年3月郡山総合車両センターの外注化阻止ストライキの際は全国から駆けつけてもらい、ありがとうございました。
 郡山総合車両センターの外注化では2015年11月に要求書を出したが、1年間塩漬けにされました。理由は、交渉委員にはJR以外の人間は入れないと言って突破できない。
 しかし、職場の安全は非常に悪くなり、会社が出した結果で9月1か月で不具合検査の統計件数が全部で135件もある。外注化を一手に引き受けるJR東日本テクノロジー&メンテナンス=JRTMの責任による故障が135件中113件もあり84%です。発生率ではJR1人当たり15倍の発生率です。不具合発生原因の4分の1が経験不足、技術不足です。会社の統計でも外注化で車両故障が断然増えていることがはっきりした。
 その中で塩漬け状態をなんとかしたい。基本は外注化反対の闘いをちゃんとやることです。以前は国労の役員で、情報は入り要求も上がってきた。その中でチラシを作ったり運動を作った。動労福島になり、情報も入ってこないし運動が停滞したのは事実でもう1回作り直す。新しい人間関係を作り、職場を歩いて要求と怒りを吸い上げ、ビラを出すなど運動をしっかりやり直そうと思います。地労委斡旋も使って打開していきたい。
 12月2日、孫請け会社の東北鉄機と第2回の団交を組合員の労災をめぐる問題で2時間くらいやりました。労働者を物扱いしかしていないことは明らかで、組合が求める謝罪には一切応じず、本当に許せない。同じ作業をしているのに賃金格差がすごい。JR本体の4割減とも言われている。「JR並みの賃金をよこせ」の要求も出しました。大事なのは団交の内容を職場の労働者に返すことで、16日にビラで知らせたいと思います。
 JR東日本リテールネット、キオスクの団体交渉が1月11日に決まりました。支店の総務課長が組合員のところに来て「あんたの組合は認めない」と嫌がらせをしたが、「不当労働行為を許さない」と要求した。賃金も福島県の最低賃金のすれすれです。そういう怒りの声を団交で叩きつけていきたい。団交相手はみなJRの出向者、管理者です。下請け、関連会社との団交ですが、JR資本と勝負する構えでやっていきたい。
 外注化阻止、被曝労働拒否、1047名解雇撤回の3本柱を掲げて闘いたい。青年の組織化、組織拡大をやり抜いて、動労総連合が歴史を動かす組合にする一端を担いたいと思います。

○川崎昌浩書記長のまとめ
 闘いの報告と組織拡大の報告で非常に心強い、良かったと思います。その上で組織拡大と団結が闘争を切り開いた核心だと思います。そしてビラ1つで職場が変わるような状況がある。後1人の仲間を獲得していけば波及していきます。非常な苦闘の中でJRと関連企業の団交を貫徹する。労働組合運動は要求をまとめ団体交渉する中から始まると思う。労働組合とは要求の積み重ねの上にある。3人の方の発言は動労総連合が職場で何をやるべきかよく表れていると思います。労働組合運動とは地道な運動です。それが華々しい活動になるのはストライキの時かもしれないが、そういう積み重ねの上に活動はあると確信した。3人の発言は核心を突く発言でした。各単組で発言を自分のものにして下さい。

【2日目の討議】

○動労福島(青年) 動労千葉のトイレ問題での運転士への処分が職場で話題になりました。職場では怒りがあっても、闘うことを取り戻していく壁がある。同僚は年齢層が2極化していて、30代と65歳を超えている年配世代。私と同じ30代は会社のリテール労組に所属している。リテール労組はユニオンショップ制で、社員は全員加入、非正規はいわゆる選ばれたランクづけがいい人が加入させられる組合。一番仲がいい人はリテール労組の組合員で、誘っても「組合違うから」と言われて、私たちの組合の存在が明確になればなるほど壁になっている状況。年配者は「この年で働けるだけで有難い。800円もらえたら御の字」と反応は弱い。皆の思いを数字に表していくことが課題です。

○動労連帯高崎 動労連帯高崎で書記長をやっています。高崎線をめぐっては2016年初めから何でもありです。
 1968年製の碍子を検査もしないで使い続けて、碍子が折れて3日間電車が止まった。直流1500ボルトが流れた。事件は始発前だったが、ホームに人がいたら何人の死傷者が出たかわからない。JRはいまだに調査中と言っている。いつまで調査しているんだ、次の事故が起きたらどうするのか。もっと批判を強めていかないといけない。他の組合は黙っているので、動労連帯高崎は安全問題を第一に掲げ、追及の手を緩めず闘っていかなければならないと思っています。
 11月、北上尾駅でケーブルが破断した。JRの発表では小動物がかじったと。私は北上尾駅の清掃も時々するが、ネズミはいる。ゴミ分別しているが、本当なら出た駅でネズミが入らないよう物置きに鍵をかけておけばそれですむ。ところが上尾駅と北上尾駅にはゴミ分別作業では、倉庫の中で作業できないので外において置く。改善しろと現場から散々言ったが改善しない。北上尾駅はステーションサービスに外注化されている駅の一つです。外注化は駅の業務だけで、施設管理はJRの責任です。それも事故の要因の一つになっていると思うが、JRはまだ調査中と言っている。この点も安全第一で追及の手を緩めることなく暴露していきたい。
 今年6月に新しい組合員が加入してくれた。動労連帯高崎の結成時から和田山委員長と漆原副委員長が30年間、職場闘争を積み重ねてきた。そうした風土の中でストレートに問題を提起することで組合員拡大につながったと思います。私の職場でも組織拡大を追求しています。私が動労連帯高崎だと明らかにして1年4か月、職場の様子が変わってきた。上に逆らっても首にはならない、それどころか昇給している(契約社員は1級から7級まである)と、私に同調する人が少しずつできています。組織拡大につなげようと思っています。動労連帯高崎も結成30年、新たなスタートを切りたいと思っています。

○動労西日本(青年) 各単組で抱える問題を集約して動労総連合で統一ストライキを行っていきたい。統一ストは総連合の名を広め、組合加盟が広がっていく。安全保安闘争、賃金闘争、全部ひっくるめて全国一斉ストライキをやるべきだと思います。
○動労東京(青年) 今回初めて動労総連合大会に出て、運転士や駅勤務、清掃等いろんな人がいて、鉄道のあるべき姿は皆の中にある。鉄道とはどんなものなのかを議論したい。
○闘争団員 私は2002年11月に闘いの場を東京に求めて北海道から出てきました。来年4月で足掛け15年です。やらなければならないことがあるのではないかと考えた時、仲間が動労総連合北海道準備会を決断した。私も帰って動労北海道の建設をやっていきたい。

○動労総連合・九州 2016年2月に動労総連合・九州を結成しました。一生闘える仲間が闘争団の中にいて、国鉄戦線で闘えるという喜びがあります。私は国労時代に役員の経験はありませんが、委員長として労働組合の指導に責任をとる立場で頑張っていこうと思います。JR九州は2016年に株上場を決定していたので、2月に結成しました。JR九州に弾劾闘争をして、川崎書記長に来ていただき派手にやれたと思っています。団交を申し入れたら「調査の結果、私たちの組合にJR社員がいない。組合員名簿を提出して下さい」と文書で回答がきました。調査したことも、名簿を出せということも不当労働行為です。
 組織拡大の展望はつかんでいます。不満はどこの職場でもたくさんある。私たちが一緒に闘える組合として現場に伝わるよう宣伝戦を繰り返していく。今年1年、毎月執行委員会をやり団結も作り上げてきた。来年は組織拡大を絶対やる決意で展望を提起していきたい。12月には今年で10回目の恒例の年末餅つきをやります。闘う動労総連合・九州を作っていく。

○動労総連合・新潟 世界の中心であるDC会館で発言できることに感謝しています。
 私は、背面監視、ビデオ撮影、車に搭載するGPSなどで上司からのパワハラがしつこくあって、ノイローゼ状態になった時、組合が立ち上がり加入しました。現在はパワハラは一切なくなりました。新潟も若い人の組織拡大も考え、来年ストライキを実行したい。準備や手法を先輩同志の方々の意見を聞いて着実に進めていきたい。

○動労北陸 3点報告したい。 1つは、北陸には数人の組合員がいますが、組織拡大を実現していきたい。運送会社で働いている労働者も獲得していく。
 2つは、北陸の国労の実態です。国労は大会でストライキをやる、団交をやるという方針を出した。しかし、地方の分会長は「ストライキや団交の仕方もわからない」と言っている。動労総連合の旗の下に結集せよと働きかけをしていきたい。
 3つは、北陸新幹線ができて金沢は賑っているが、並行在来線は廃止、第三セクター化して、新潟、富山、石川と3分割されている。さらに北陸新幹線を敦賀、京都まで延伸するとなった時、石川県、福井県も分断される。地区の分断を乗り越える闘いを実践する。

○動労千葉(CTS) 千葉鉄道サービスの幕張事業所で働いています。就業規則改悪をめぐる闘いの報告と課題で発言したい。就業規則改悪は会社から突然出してきた。幕張では、2016年2月中旬に出して3月中旬には結着、しかも団交のテーマではなく各関係労組と職場代表の意見を聴取して就業規則を労基署に出せば終わりということでやってきた。非正規のパートや契約社員の組織化をめぐるでかいテーマだった。4月実施を職場の怒りで阻止した。10月に強行された内容は2月に比べれば緩和されたが、基本は変わっていない。労働契約法を逆手にとり、5年で契約解除という攻撃に怒りをもって弾劾することが大事だと思います。
 CTSは1年更新だったが、60歳を過ぎても無期限で同じ条件で働き、雇い止めはなかった。今年10月1日から改悪された就業規則は5年での契約終了が明記された。自分も含めて来年4月以降の契約は何一つはっきりしない。団交で、会社は「5年経ったら新たな契約行為だと考えている」と言い、あくまで5年で終了だ。「必要なら会社は新たに採用するという、とんでもない改悪だ」と明確にすることが重要だ。
 闘いの総括ですが、自分は非正規で就職して3年くらいで、CTSの中で少数派がどうやっていくのかと思ったが、非正規でも職場丸ごと揺さぶることが出来れば会社と十分闘えると、本当にこの過程で実感した。職場の労働者が怒りを爆発させれば、会社も簡単には無視できない、十分渡り合えると実感できた。もちろん、動労千葉幕張支部が十何年も外注化反対をストライキで闘ってきたことをCTSの人たちは見ている。本部を先頭にガンガン団交をやり、ビラで返す。支援する会で千葉全域にビラをまくなど、全体の力で動いた。非正規でも、職場でもたとえ少数でも、勝負できると実感できたのは自分にはすごく大きかった。簡単に5年ルールで契約解除はできない力関係をこの過程で作ったことは非常に大きい。
 だけど油断している場合ではない。来春闘から自分も含めて無期雇用かどうかが始まる。来春闘から1人も雇い止めさせない攻防に入っていく。
 最後に、課題は組織拡大です。少数では最後の決定力はない。職場全体を対象に揺さぶる闘いなくして組織拡大はない。来年こそ組織拡大していきたい。

○動労水戸(青年) 動労総連合青年部の結成へ向けて話したい。2年前にJR青年労働者の交流会を始め、今回で13回目です。昨年の大会も青年部結成へ向け話をしましたが、具体的議論は進まなかった。先月、何人かと相談した。いくつも単組ができて青年部を作ることが真正面の課題になってきた。青年が総連合本体に入って先輩方と一緒にやるのも重要だが、青年の組織で青年が闘っている実態がすごく重要だと思います。自分と同じ世代の人たちが、全国でこれだけいて闘っているのが望みになる。今は徹底して若い人たちに分断の攻撃がかけられている。正規でも非正規でも、会社や住所は違っても、団結して闘っている人たちがいる実態を作り広げていきたい。青年交流会を大事にしつつ、そこで議論した中身をニュース等で発行し、組織拡大していくことが一番の課題かなと思っている。
 職場のことですが、今年7月、機関から交番検査に異動して5か月、今まで話せなかった人とも話す機会が増えて、皆すごく考えていると思いました。外注化問題も、俺たちが出向に行かされたのは何だったんだと真剣に考えている。エルダーの雇用の場を確保すると外注化したのに全然違う。勝田でも来年定年を迎える人が掃除しか行くところがない。今年退職を迎えた人も掃除に行くなら俺はもうやめると。検修の仕事にプライドを持ってきた。掃除を下に見るということではなく、掃除は掃除で重要な仕事、検修は検修ですごく重要な仕事です。労働者が積み上げてきた誇りを壊す会社の攻撃であり、敵ということを鮮明にしなければいけない。組合が違うと言われると先に進めないという話もあった。しかし組合が違うというより、労働者にとって何が大事か。敵は資本であることを職場で若い人と議論しながら、「自分たち自身の力で闘いを作っていこう」と訴えながら組織拡大につなげていくことが重要です。大会を機に、組織拡大に向けて頑張ります。

○動労水戸(青年) 私の職場の状況を話します。ライフサイクルで水戸駅に行き、夏場は水戸駅で、管理駅の除草と除草剤まき、ペンキ塗りなどやリました。冬になり融雪機の整備や掃除をやり、これからは融雪機の作業をやることになる。雪が多い地域ではないのでいつもあるわけではない。日勤の時はやることがない。12月に入ってライフサイクルの話が出てくる。水戸駅では来年3月に3年経ったので1人帰る。しかし2人来るという話が出ている。今でもライフサイクルの仕事は、一つの仕事を5人で回しているのに、さらに増える。「こんなのだったら正直3年もいる必要ないよ」という話です。他方、水戸支社では運転士も車掌も足りない。その中でも会社は強行してくると思うが、この制度をぶっ壊すには運転士の声が一番効く。対象となっている運転士が「ライフサイクルはおかしい。こんなのやめろ」とはっきり声をあげないとなくせない。怒りの声を動労水戸の結集につなげて、ライフサイクルをなくしたいと思っています。
 水戸支社では、東労組がスト権投票をやっている。今までは駅にいても「職場集会があるから出てよ」と話をされていたが、スト権投票の話は全然しない。陰の方で話している。労働者のことを考えてストを打つという話ではないと実感しています。

○動労千葉(運転士) 各単組の話を聞いて、全国的に広がっていることを実感しています。千葉では、本来の運転士の組織拡大が北嶋君以来ストップしていて、僕も57歳になるので本線やる後3年のうちに何とかしないといけないと思っています。今、時代がかなり変わった。10~15年前は、若い人が話を聞いてくれなかった。今は会社の方針も水平分業で転籍までやるとなっている。僕も勉強して、職場に帰って運転士の組織拡大も可能じゃないかと思っている。水戸、千葉には本線運転士がいるので、やはり運転士をきっちり組織化しないといけない。清掃の方も増えるけれど、やはり動労という意味で運転士の組織拡大をやらなけきゃいけない。今なら出来ると実感しました。各地方も大変ですが、運転士の組織拡大をやりましょう。
○動労千葉(貨物) 千葉の貨物の話をします。昨日、動労千葉の青年から「貨物はもっと怒っていいんじゃないか」と言われました。郡工の日貨労の若い組合員が本部の方針に怒って会社を辞めたそうです。実家の農家の仕事をやるという話だが、そこまでして怒ってやめた。うちの職場は皆ロートルで、怒りを通り越しあきらめ状態ですが、俺らも怒りをもって立ち上がらなければいけないと感じました。JR貨物は2年間新採を取らなかったが、来年度に新採200人を募集したら90人しか応募がなかった。誰も貨物会社に魅力を感じない。会社は一応黒字だが、労働者の賃金を削って数字を合わせているだけです。会社はその場しのぎで、再生できるのか。株式一部上場などちゃんちゃらおかしい。本当は分割・民営化が間違っていたということだ。

○動労千葉(検修) 革マルの川俣が幕張に来たが、これは会社の組織破壊攻撃の一環だ。動労千葉を抜けた人もエルダーで来ているが、会社からの嫌がらせ、組織破壊攻撃だ。毎朝の点呼で、山田支部長を先頭に、糾弾行動を行っている。幕張支部は外注化攻撃と闘っている。わかったことは管理職が増えただけだ。CTSにも管理者が増えた。外注化して経費節減とか合理化と言うが、全く経費節減になっていない。JRにも自分の仕事は日中せず、時間外で仕事して超勤稼ぎする奴がぞろぞろいる。外注化を粉砕しよう。
○動労西日本(近畿支部) 国労から動労西日本に入った。動労総連合が頑張ってくれて、弾圧を乗り越えて皆さんと団結できていることに感謝をしたい。 議案書に京都府職舞鶴支部のことありますが、動労西日本も舞鶴支部の取り組みの実行委に入ってやろうとしている。
 求められているのは青年の組織化、本当に若い人たちがいいを顔している。闘いや生き方を語って組織拡大していきたい。

○動労水戸 12・10常磐線延伸反対闘争があった。これからが本番の闘いになる。富岡、楢葉、竜田、相馬間という一番原発に近いところがまだ残っている。線量が高すぎて除染をしても線量は下がらない。そこを絶対に通させない闘いが必要になると思います。「動労総連合を全国へ」ということで、東京から福島、仙台までの画期的闘いが出来ている。止めていきたい。
 MTSに組合員がいる。職場では募集しても集まらず、辞めていく人が増えている。その中で休日勤務が一方的に1月間3~4日も入っている。その中で労働者同士がいがみ合う殺伐とした状況になっている。分断されているが怒りはある。それをどう結集し組合拡大につなげていくかが問われている。

○動労神奈川(青年) 第31回大会で私も31歳、歴史的な地平を受け継ぎ頑張っていきたい。
 先月22日に労働委員会第1回調査をやった。弁護士が和解の説明したが、「私達は若いが、和解には応じない」と決意表明し出鼻を挫いてやりました。動労水戸の方から「労働組合というのは格好いいものじゃない。どう格好良くするのかが闘いだ」と言われて、格好いいなと思いました。私だけの労働委員会ではなく、新潟や動労西日本の仲間と闘争三銃士ということで闘っていきます。1047名解雇撤回と一体で、解雇撤回で絶対勝利していきます。

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★田中康宏委員長の総括答弁

第2の国鉄分割・民営化との闘いは、日本の労働者の未来をかけた決戦だ!

 出された意見の一つひとつが時間をかけて討議し今後の運動に生かしていく大事な意見でした。単組に持ち帰り議論を深めてもらいたいのが、私が感じた最大のことでした。
 その上でもう一度訴えたいのは、国鉄分割・民営化30年、動労総連合結成30年で一つの節目ですが、敵の側も考えています。このままではJRは崩壊するから分割・民営化に次ぐ大転換をやる。労働者の団結をメタメタに破壊して、労働者を突き落とすということです。
 JRという鉄道会社のあり方を抜本的に変える攻撃です。ホールディングス化、JR本体は何の業務もせず、設備を持ち、株を保有するだけになる。水平分業、分社化です。労働者はJ
Rの社員でなくす。2017年にポテンシャルから転籍させる。グリーンスタッフの募集は2016年度で止める。つまり首都圏の主要駅を全部外注化する。常磐線主要駅の北千住駅から始め、南口は別会社にして無人化し、駅全体は委託する。
 「選択と集中」と言って、三江線廃止や北海道の路線の半分廃止などを全国でやる。JR東海の雑誌「地方からの撤退」の大見出しは掛け声ではない。地方に必要なのは終末期医療だけと書いてある。選択するのは政府と資本、選択されるのは労働者です。みんな蹴落として生き残った人間だけが選択される。運転士や検修係、清掃の仕事に誇りを持っている労働者は用なしの連中という選択が始まる。運転士のトイレ問題に強制出向処分などJR側の構えが全く変わった。第2の分割・民営化に立ち向かわなければいけない。
 国鉄分割・民営化の時、「労働者の雇用や権利はもちろん、安全、社会のあり方すべてをひっくり返す歴史的攻撃、戦後最大の労働運動解体攻撃だ」と言ったのは動労総連合だけだった。国労は「頭を低くすればやり過ごせる。4万人は残る」と、JR東労組は10万人首切りの手先になって敵の側についた。
 安倍政権がやろうとしているのは、改憲と戦争、労働のあり方を転換する攻撃です。戦争も労働のあり方も職場から始まる。JRをモデルに拡張していく。これが安倍政権の基本戦略です。組合員の多くがJRグループ企業の非正規で働いている仲間達、この現実を生み出したのが国鉄分割・民営化だった。やっぱり動労総連合だと多くの仲間が結集してくれた。
 労働運動が変質し、社会のあり方が変わり、日本の雇用労働者約6000万人中2000万人が非正規職という現実を生みだしたのが国鉄分割・民営化だ。
 動労西日本の青年から統一ストライキという話があった。もう少し情勢を見ないといけないが、統一ストライキをやらなければいけない時が来ると思っている。単純に賃金の問題ではなく、第2の分割・民営化攻撃をすべての労働者に知らしめて対決することは、日本の労働者の未来がかかった問題だと明確にする統一ストライキをどこかでやる。その統一ストライキを一定の力や意義あるものにするために、民主労総が困難な中から始めて200万人を獲得したような闘いにするため組織拡大をやりぬくことが問われています。
 来年から外堀を埋めることから始まる。ポテンシャルはもう別会社に転籍させる。そしてグリーンスタッフの廃止。否応なく選択肢が無い形で駅の外注化が進む。次は車掌になる人間がいなくなる。今、乗務員の車掌兼務でもめている東労組は何故このことを言わないのか。外注化、転籍問題に触れたら潰されるかもしれないと全部避けている。運転士、車掌はどうなるか。東武鉄道では、駅、車掌、運転士で別会社を作る。募集要項を見ると「東武鉄道関連の駅、車掌、運転士の会社に入って、その後、東武鉄道本社への採用試験を受けることができます」と書いてある。管理者になる人間だけが本社の採用試験を受けてなっていく。整備検修会社、保線や電力など3つの会社しか募集しない。本社は別にある。全部矛盾だらけで破綻し、尼崎事故を引き起こすことになる。現場は本線運転士も含めて別会社になる。
 動労東京の組織拡大はものすごく教訓的です。現場組合員の意見を吸い上げて団交をやって、団交報告を返す中で組合支部結成まで実現した。矛盾はそこまで来ているということです。あらゆる職場が同じ現実です。動労福島でも恐らくあと1年でそうなる。「800円で働けるのはありがたい。この歳で働けるってありがたい」と言っても、本当はそう思っていない。悔しくて悔しくて、そう言わなかったら自分の気持ちを維持できないからです。それを労働組合は形にしなければいけない。怒りは渦まいているが、具体的な姿になっていない。それが動労総連合の任務だと思います。
 改めて、全国大会の第一の任務は、第2の国鉄分割・民営化攻撃に立ち向かうこと。ここに労働者の未来はかかっているのです。第1の分割・民営化攻撃では労働運動がここまで後退してしまった。しかし今度は違う、本質的に崩れようとしてるのは敵の側だ。新自由主義の行き場はもうない。逆転する時代であり、皆さんの必死の闘いがそういう条件を作ってきていると思っています。
 その上でいくつか出た個別の問題について話したい。
 「鉄道のあるべき姿」という問題。これは反合理化闘争の核心問題だと思います。合理化としてかけられてくる問題は、「技術が進歩したから列車は160キロまで大丈夫だ。システム化し人間の力は必要ない」とやってきたが、現場は「そんな数字は危険だ。ここまで合理化したら大変だ」と思っている。しかし合理化は進み、労働者の力、人間の力は必要ないように言う。あるいは3Kといわれた仕事は全部外注化し、超低賃金の労働に置き換えられる。現場はこんなのでいいはずがないと思っている。合理化、外注化が生み出した矛盾が闘争になる。それが本来の団結の核心問題です。その闘いが反合理化・運転保安闘争、労働の誇りを取り戻すということです。鉄道や運転、検修、機械関係、清掃もなにも
かも現場が一番わかっている。これを結集して反合・運転保安闘争を強化したい。
 国鉄1047名解雇撤回闘争で、当該の闘争団員が「自分は遣り残したことがあるから北海道に戻って断固やる」と発言しました。大会で承認をお願いしたいが、九州の闘争団の仲間、北海道の闘争団、秋田の小玉さんも国労闘争団。国労の政治決着は許さない。国鉄分割・民営化の解雇は、自分達の問題だけじゃない、全労働者の権利を破壊する解雇だった。これだけは絶対譲れないと動労総連合に来てくれた。1047名協議会を独自に展開できる基盤をつくりたい。解雇者が九州や北海道から出てくる交通費だけで大変です。財政的基盤を作るために再組織しなければいけな
い。闘争団、争議団で動労総連合の中に特別の位置を持って立ち上げることをやり、第2の分割・民営化攻撃を粉砕する重要な闘いとしてやっていきたい。
 そして、何のために青年部を作るのか。青年が青年を組織する時に組織拡大が本物になる。そのために青年部を作りたいと思っている。それが本当に必要になってくるのは、第2の分割・民営化攻撃が本格的に始まり、管理者にならない現場は全部うち捨てられていく時だ。国鉄採用者が全部去った職場の中で、運転士が60歳や65歳まで本線運転士として仕事するなんて考えられますか。絶対やらせない。管理者試験に受かった者は40半ば過ぎで辞めさせていく、間違いなくそうなる。女性なら特にそうだ。邪魔者という感じで本人が選んだ形でやらせて、うち捨てられていく。その時に組織拡大が必要であり、動労総連合青年部が立つことが絶対必要だと思う。去年、青年部結成準備部を結成して1年間議論してきた。青年部が主体的に自分の問題として立ち上げることが大事だ。しかし丸投げはダメ。2017年3月ダイ改から議論を一挙に煮詰めて、立ち上げたい。青年部が始めようとしていることを全国のJRグループで働く全ての青年に訴える。青年が頑張っていることを知るだけでも意味ある。そういうことが青年部を育成する一番の課題だ。第2の分割・民営化決戦に絶対勝利するために作りたい。韓国がそうであるように社会を根本から変える意味を持つ一歩を印すと思います。本部も一緒になってやります。
 本当にありがとうございました。心から皆さんにお礼を言いたい。動労総連合が各単組の皆さんの血のにじむような努力で、新しい扉を開ける大きな可能性を与えてくれた。私は委員長として皆さんの奮闘に応えるようにもっと飛躍して頑張りたい。組合員一人ひとりが高めあう形で進めたらいいと思います。改めてお礼を言って総括答弁に代えさせていただきます。