労働委員会闘争で郵政職場から反撃を
※職場闘争と一体の労働委員会闘争で郵政職場から反撃を!
安倍の「働き方改革」と真っ向勝負の労働委員会闘争を東京で開始!
星野 勝紀(銀座郵便局・JP労組組合員)
関西に続いて東京でもついに、「18年問題」を見据えて、「5年ルール」を悪用した無期転換攻撃に対して4月3日、東京都労働委員会に申立書を提出し、労働委員会闘争を開始した。
日本郵政は「5年ルール」の1年半前倒しとして、2016年10月にJP労組と労働協約を締結し、就業規則化した。そして2017年4月、全国で7万9千444人の無期雇用社員(アソシエイト社員)が生み出された。退職金も無しで、一生低賃金がそのままという雇用形態の労働者が約8万人も生み出されたことは、まさに安倍の「働き方改革」そのもので、これまでの正社員という概念を一掃するものとしてある。さらに、2016年10月以降採用の非正規労働者は、5年を前にしてスキル評価でふるいにかけられ、一定の条件を満たさない場合は雇止め解雇になる。とんでもない首切り攻撃だ。今でさえ、職場の6割が非正規職になった郵便職場が、こんなことを許していたら10割非正規職化は遠い未来の話ではない。
安倍は改憲・戦争政策と一体で、戦後労働法制の解体をとおして、労働者の勝ち取ってきた諸権利を奪い、労働者の団結そのものを解体し戦争に動員しようとしている。しかし、それは職場からの反撃がないことを前提としている。今回の労働委員会闘争で、当局と本部で決めたことは「覆せない」という常識を打ち破る闘いとして職場闘争と一体で展開していきたい。「民営化は悪だ」「成果主義は悪だ」の世論をつくりだす土台は職場にこそある。
職場生産点に反乱の芽はある
やはり、問題になるのは直接の職場攻防である。ブルジョアジーは、戦後一貫して労働者支配を貫徹するために職場支配権にとことんこだわってきた。民営化を契機に旧全逓と旧全郵政の統合によって立ち上げられたJP労組は、職場支配権を民営郵政に明け渡すものとしてあった。すべてが本部と郵政資本との取引で決められている現実を、職場からひっくり返すことにとことんこだわろう。どこの職場も圧倒的な人員不足から、超勤は常態化し、強労働と長時間労働が蔓延(まんえん)している。本部は、人員不足を問題としながらも、コストコントロールと称して「仕方がない」としている。
郵便内務への合理化攻撃は、集配外務への付帯作業の増加として現れている。限界を超えるような業務運行によって、郵便事故や交通事故も多発している。反乱の芽は、集配外務の職場にある。当局はその芽を摘むために、労務支配に力を注いでいる。軍隊式の体操や朝礼などである。抵抗する時間も惜しいぐらいに配達時間に追われている。毎日へきえきとしながらも、その毎日が続いている。この現実に対して「誰か声をあげてくれないか」。これが声なき声だ。
我々は、労働委員会闘争を皮切りに、この職場の現実を必ず変えて、労働者の手に職場を取り戻す闘いをなんとしても展開していく。
職場も社会も同じで、安倍の戦争政策推進―働き方改革と一体の当局の合理化攻撃・労務支配によって、現場の労働者はマル生分子として組織されているか。否だ。安倍の改憲と戦争政策は激しく推進されている。しかし、戦争推進勢力には組織されていない。職場も同じだ。戦争に組織されるか、革命に組織するかの一大党派闘争の大チャンスだ。
職場支配権の奪還を!
そうして職場を見た場合、現場の労働者が根底で怒っていることは何か。銀座局では東京ポストマンスタイルと称して、朝から帽子を着用し帽子のつばをもって挨拶唱和。各班から監視を立てて、声出し郵便体操。エア四輪のバックバージョン。スローガンを指さして安全唱和を全員で絶叫。局前のUターン禁止。このUターン禁止こそ、イライラの絶頂を迎える。配達に出るまでの労務管理のオンバーレードに追い打ちをかける意味のないUターン禁止(『だんけつ』参照)ここで勝負することを決意した。
3月28日、火曜日は全体朝礼(150人くらい)の日で、タイミングよく交通事故ゼロ100日達成班の表彰式と重なった。前日は自班の事故をめぐって、事故事例研究会で班長がつるし上げになったばかり。局長以下、管理者が居並び、表彰からミーティングへと時間が経過していった。みんなのイライラもピーク。早く配達に行かせろという思いで一杯だ。
それも呑み込みながら私が発言した。「意味のないUターン禁止を解除すべきだ!」という内容で静寂を破った。朝礼の列から、私の発言を援護射撃する発言も飛び出し、職場の空気が一変した。朝礼が終わって駆け寄ってきて「その通りだ。俺はルールを破っている」と感激している労働者。午後になっても「朝の発言イケてましたよ! 私なんて何も言えなくて、自分が不甲斐ない」と涙ぐむ女性労働者。管理者の中からも「貴重な意見ありがとうございました。検討したい」という始末。
さらに、その翌週の全体朝礼では、一人の労働者が、仕事に使う物品が足りないことを問題にして声をあげ、多くの労働者が呼応し管理者と対決が始まった。職場支配の力関係が変わる瞬間がそこにあった。
こうした職場闘争と一体で、労働委員会闘争を東京全局に宣伝し、あらゆる郵政職場から反撃をつくりだそう!