5月10日、動労総連合は1047名のJR採用を求め新たな申し入れ

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0327号06/01)(2017/06/01)

5月10日、動労総連合は、1047名のJR採用を求めて新たな申し入れ

5月10日、動労総連合は、1047名闘争勝利、JRへの採用を求めて、新たな申し入れ(動労総連合申第3号)をJR東日本に提出した。

 動労総連合申第3号
 2017年5月10日

東日本旅客鉄道株式会社  
 代表取締役社長 富田 哲郎殿

 国鉄動力車労働組合総連合 中央執行委員長 田中 康宏

 申入書

 2016年11月24日、東日本旅客鉄道株式会社は、国鉄分割・民営化によりJR不採用になった組合員のJR採用を求める「動労総連合申第6号」(2016年7月8日付)に対して、「当事者ではない」として団体交渉の開催を拒否する不当な対応を行ってきた。
 一方、回答に際して会社側は、JR設立委員会の斉藤英四郎委員長がJRの「当事者」であること、国鉄改革法23条5項に規定された内容を認める回答を行った。しかし、「懇談議事録JR西日本井手正敬会長と語る国鉄改革前後の労務政策の内幕」において、名簿不記載基準の策定がJR設立委員会の斉藤英四郎委員長の指示によるものであったかどうかについては、「関知しない」「評価しない」という対応を行ってきた。
 だが、2015年6月30日、動労千葉組合員に対するJR採用差別事件(平成26年(オ)第370号 平成26年(受)第465号)の最高裁決定によって、名簿不記載基準が不当労働行為意思の下に策定されたものであったことが法的に確定している。
 この不当労働行為たる名簿不記載基準の策定について、上記「懇談議事録」には、「選考基準は、斉藤さんが作れと言うので、不当労働行為と言われないギリギリの線で葛西が案を作り、それを斉藤さんに委員会の席上、委員長案として出してもらい、それは了承された」という井手正敬の発言が記されている。
 すなわち、JRの「当事者」である斉藤英四郎委員長が、名簿不記載基準の策定を「指示」し、それに従って葛西が「案」を作ったことが明確に記載されている。
 一方で、国鉄改革法23条5項には、「承継法人の職員の採用について、当該承継法人の設立委員がした行為及び当該承継法人の設立委員に対してなされた行為は、それぞれ、当該承継法人がした行為及び当該承継法人に対してなされた行為とする」と規定されている。
 従って、JR設立委員会の斉藤英四郎委員長の指示によって不当労働行為が行われたということは、JRが不当労働行為を行ったということであり、その法的責任は直接JRに及ぶ。
 以上の事実に基づけば、不当労働行為によって国鉄職員をJR不採用としたことの法的責任が、JRにあることは明らかである。
 従って、以下の通り申し入れるので、団体交渉により誠意をもって回答すること。

 記

1.名簿不記載基準の策定がJR設立委員会の斎藤英四郎委員長の指示によって行われたかどうかは、JRが直接に不当労働行為を指示したかどうかという重大な問題であることから、斎藤英四郎委員長が名簿不記載基準の策定を指示したのかどうかを明らかにすること。
2.上記事実の下では、JRへの国鉄職員の採用・不採用及び不当労働行為の法的責任がJRにあることは明らかであると考えるが、会社の見解を明らかにすること。
3.国鉄分割・民営化(JR会社発足)にあたって「JR不採用」とされた動労千葉組合員を、1987年4月1日に遡って採用すること。
4.団体交渉を拒否する不当な姿勢を改め、直ちに団体交渉を開催すること。
 ―以上―