北海道座談会 JR北海道の廃線化攻撃を許さない!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0330号04/01)(2017/09/01)

※北海道座談会
JR北海道の廃線化攻撃を許さない!

動労総連合・北海道の結成は大きな希望!

 JR北海道の廃線化攻撃と闘う北海道の労働者の座談会を7月22日札幌市で行いました。北海道の現実は日本社会の現実です。しかし、動労総連合・北海道の結成で大きな団結と希望が生まれています。

●参加者
成田昭雄さん (動労総連合・北海道副委員長)
城地良和さん (元NTT労働者、北海道労組交流センター代表)
河野晃興さん (タクシー労働者、自交総連SKさくら交通労働組合委員長)
桜井幸雄さん (民間労働者、札幌圏連帯労働組合委員長)
古川美佐江さん(福祉作業所労働者、婦人民主クラブ全国協議会・北海道支部代表)石川次郎さん (国鉄労働者)

※JR北海道の廃線化は、日本社会の縮図だ!

○司会 北海道問題は、JRの危機のみならず社会の崩壊であり、日本の労働者の課題だ思います。今回、動労総連合・北海道の結成を機会に座談会を企画させていただきました。

○城地 今、自分の実家は日高管内の旧・静内(しずない)町(現・新ひだか町)ですが、日高本線は、苫小牧から鵡川(むかわ)駅までは動いていて、鵡川から様似(さまに)駅の間が、途中の静内を含めて復旧しておらず、運行が止まったままで、バスによる代行輸送となっています。もう2年になります。JRは廃線にしたい。もし必要なら自治体が負担してくれ。その負担額は年間で20億~30億円。10町で負担だと言いますが、とても負担できる金額ではない。管内の自治体は、新ひだか町、新冠(にいかっぷ)町が中心となって道や国に対して、廃線にしないでくれと要請している。先日も国交副大臣と東京で会って来た。「今の鉄道の現状では、鉄道の線路としてすべてを残すことは不可能です」と言われた。そのことは自治体もわかっているが、国がお金を出さなければ無理だと。DMV(デュアル・モード・ビークル、 列車が走るための軌道と自動車が走るための道路の双方を走ることが出来る車両)という鉄道バスが、四国では2両あって、それを北海道にも導入してくれということで、試験走行もした。しかし、費用がもたないということでJRは断念。それを国でバックアップしてくれないかと陳情している。そして、最近新たな実態は、自民党の道議会議員で藤原が超右の議員ですが、この間「学校の先生は勤務時間中に組合活動をしている。自治体のファックスや電話を使って組合活動をしている」と道議会で追及する。すると道の教育委員会は実態調査に入る。それで教組はビビって何もやらない。そういう労働運動をダメにしてきた原因を作った道議会議員が、JRの路線廃止問題で「バスにしよう」と発言している。北海道は車社会で、車がないと生きていけない。鉄道をあてにしているのは、高校生と高齢者です。今、実態はバスが代替で走っている。バス停は駅にあるが本数は少ない。日高線は国道ですが、1本しかなく迂回路がない。水害があるとダメで通れない。日高管内は病院が少ない。特に産婦人科は苫小牧にある。JRがないから、子どもが産まれそうになったら事前に1週間位病院に泊まる。費用がかかるという実態です。そして、本数が少ないから病院は日帰りで行けない。高校生は通学ができないので、日高管内の学校は学力テストをしても全道で一番低い。だから苫小牧に行くが、通えないので下宿する。教育費の負担も増える。どう打開するか。ワンマンカーが走っていますが、1人や誰も乗らない時もある。鉄道がなくなると自治体が寂れる。だから鉄道が必要なのです。赤字だから鉄道をなくす。でも公共の輸送機関は必要です。国鉄分割・民営化は失敗だった。鉄道を復活させる運動をしていきたい。

○成田 疑問がある。国交省がバスの運賃の補助金を減額することを撤回したという話がある。鉄道を運行することには補助しないと乗れない状態にして、線路をはがしておいて、乗らないから悪いと言う。バスの補助金を減額することを撤回した。バスに転換したという要素がある。公共性のある鉄道が任務を果たすべきだ。分割・民営化した結果で、外注化して、地域の責任にするのはとんでもない。路線を守るために公共性があるから鉄道を元に戻せと要求することが正しいと思う。

○城地 30~40年前から思っていますが、日高線について今の鉄道のルートはダメだと。本当に残すのだったら山側を通せと。今は海岸なのでいつも侵食されている。いずれなくなってしまう。

○成田 国鉄時代から「海岸にしないで山側にした方がいい」と言ったら、国は「では廃線にしよう」と言ってきていた。ダイヤ改正の度に住民の意見を聞き「この時間帯を増やしてほしい」と要求すると、「それ以外の時間帯は切りましょう」と言ってくる。「使いづらいと言うならなくしましょうか」と言ってくる。より良くするという考えはないんです。乗れないような状況を作っておいて、分割・民営化で外注化を進めて、ローカル線の廃止をして、バスを運行させる。現場を知っているわれわれが、住民と共に闘いをしていくことが大事だと思います。

○桜井 貨物輸送の問題が北海道にとって重要だと思います。食料輸送でしょう。北見の玉ねぎなど瞬間的に運ばなくてはいけないからJRがないとだめだと思います。トラック輸送も人員不足でひどくなってきているから運びきれないという問題が起きてくる。帯広は274号線が止まっているから、これで高速で事故があったらすぐに陸の孤島になるリスクもある。だから全部維持できない。帯広、釧路、網走、旭川、稚内などはないと困ると思う。もう一つ、JRはずれていて、全然理解していないと思うけれど、どういったところに人が集まっているかと言えば、「道の駅」です。JRの輸送ルートを「道の駅」を
組み合わせた展開はできないのかと思います。コンビニもガソリンスタンドも全部廃業にして地方は困っている。仕事で274号線を使って夕張までかよっているんです。途中に川端という駅がある。そこは必ずすごい多くの車が止まっている。あそこで乗り換えて札幌や千歳方面に出て行く。そういったこともあるから駅舎があるから待ちやすい。地方のことを考えるとそういった視点も必要かなと思う。紋別市の上渚滑地区でスーパーがなくなって、町が委託・協力しセイコーマートができた話を聞いたことがある。民営で金が儲かるから鉄道や水を提供するというのではもたない段階に来ていると思います。

○城地 赤字だから乗る人がいないという議論ではダメで、あるべき公共交通はこうあるべきということを目指したい。ヨーロッパみたいに、赤字は関係ない、それは国が負担すべきです。そうすればまた人は乗るんです。あるべき姿を求めないと、資本の論理に負けてしまうと思う。問題は、資本主義だからむずかしいけれど、例えば100兆円の税金をどこに使うかという話、その議論です。明日革命ができればいいけれど。

○桜井 資本に依存したらダメだという時代に入ったということですよ。

○成田 JR体制が、鉄道を生かす、利用しやすい体制になっていないということです。
 金儲けでなく公共性を維持することが大事で、分割・民営化の結果がこうなったということですよ。

○古川 私の母の実家は日高町で、山の中です。鉄道の終点駅ですが、それがなくなってしまったから道路でしか行けない。その後、道路ができて、道の駅ができてかなり人が集まっていた。でも、高速道路ができたことによって、高速バスがそこに寄らなくなり、すごいダンプとか通っていたのですが、道の駅にも集まらない。町にも人が来ないし、若者がみんな出て行ってしまって、車も運転する人も限られたものになり、スーパーも1軒あったのが寂れてしまって、町全体が崩壊寸前になっている。従兄弟もいる。
 町も合併したが、人が来るわけではない。一番は儲かるか儲からないかで決まる。みんなあきらめている。車も乗り合いで、苫小牧の病院に行ったりしているが、それを運転する人もいなくなってしまったので、日高町自体が全然だめで、廃村が見えてきている。道の駅も占冠(しむかっぷ)の方に行ってしまった。

○石川  鉄道は、海岸線ではなく、もっと山側に持ってこなくてはだめなんです。北海道は大沼から長万部あたりまで、山側の方に道路をつくっていかないとダメです。政治家はわかっていると思う。だからそういう意味を含めて将来的なことを考えて、JRやバスの見直しが必要だと思う。
 北海道のJRは、旭川、小樽、札幌、千歳、苫小牧、室蘭くらいで、それ以外は採算取れないですね。小樽と札幌間は、海岸線なので、台風が来たり、土砂崩れなどいつ起きてもおかしくない。危ないです。新幹線を通らせないと思います。将来的には、ニセコの方に持っていこうとしている。

※JR北海道の赤字はつくられた赤字だ!

○桜井 大学の同期で土木関係の連中と呑んだ時、「新幹線はお前らを儲けさすためにやっているんじゃないの」と言ったことがあって反発を買いました。採算とれるわけがない。

○成田 新幹線は土壌の問題もあるが、利用する側の問題がある。札幌から乗るためには、地方からバスや車に乗ってきてから乗る。地方はつぶれていっている。利用する側は何倍もお金をかけないと新幹線に乗れない。生活が大変になる。新幹線は一部が儲けるためにということでしょう。北海道の新聞やマスコミは「新幹線はマイナスがあってもプラスはない」と書いている。
 そして、根室本線(滝川―釧路間)の東鹿越(ひがしかごえ)駅―新得(しんとく)駅間は鉄橋が落ちたままで不通になっていて、バス代行輸送を行っている。なぜ不通になっているかというと、橋が崩れたということです。理由があって、橋脚が老朽化している。鉄橋が乗っかっているが、橋脚にショックが当たらないように鉛が入っている。その上にゴムが入っていて弾力がある。
 しかし、橋脚の補修も点検もしないからどんどん老朽化していく。継承者や技術者がいない。金のために事故が起きてから不通にしている。私たちは保線労働者でしたが、湿地帯でも研究して、橋脚に負担がかからないようにして維持してきた。国鉄時代は、大きな事故はなかった。修繕や補修をしてきたからです。運転士は線路がなければ鉄道を走れない。

○古川 北海道で新幹線ができて喜ぶ人がいるのかなと思う。だって新幹線のために自分たちの駅がなくなって、運賃が高くなって、誰も乗らないよ。

○石川 新幹線は地盤の強いルートにして走らせている。あのルートを考えたような公共輸送を考えた方がいい。

○古川 自衛隊がいるところには駅を絶対に作っている。こんなところに駅があるのと思う。

○城地 静内に陸上自衛隊の駐屯地がある。以前はJRに乗っけて戦車とか運んでいた。
 だから軍隊のためには必要だったけど、それすら必要ないとなった。今は国道を走らせている。もし、JR北海道が半分になってしまったら、運転士も駅で働く人もいらなくなるよね。そういうことに対して、JRの労働者はどう思っているのかな。

○桜井 若い労働者もJRからどんどん辞めていっている実態があると聞いた。すごい立派な研修所が稲穂にできて、積極的に人を雇うのかなと思っていたのですが、どんどん辞めていっている。

○石川 JR北海道が赤字だとわかって、2~3年で辞めて、本州の地元に帰っている若者も多い。何十人に一人です。

○成田 外注化で本来の鉄道の仕事ができなくて、辞めていっている若者が多いということもあると思います。

○石川 5~6年前にJR北海道の副社長になった西野が、JR東日本から来た。JRがNTTのようになる。JR北海道が見直しされて、JR東日本とくっつくのではないか。
 たぶん新幹線も札幌まで通すと言っているが、やめた方がいいと思う。まず道路も含めて公共輸送を整備することが必要。そうしないと北海道が劣化していく。稚内、釧路、苫小牧方面も見直しをしないといけない。

○河野 さっき100兆円の税金をどう使うのかという話をしていたと思いますが、明治時代に作られた北海道の地図を見ると、北海道の隅々まで鉄道を整備する計画になっていた。当時は石炭があって鉄道があったんですね。そういう形で税金を使っていた。炭鉱がいらなくなって、今度は鉄道もやめると言う。今、北海道内で年間3000億円を道路に使っている。鉄道の維持管理費として必要なのは、年間300億円。10分の1を鉄道にかければ維持できるわけです。国の政策として税金を3000億円、道路に使っているわけです。だから自然災害や住民の選択で鉄道の価値が下がったのではなくて、意図的にそっちに振ったわけです。人災ですよ。やる気でやった。分割・民営化もその一環です。道路を整備して自動車産業を儲けさせて、ゼネコンなどの業界も儲けさせて、意図的にやってきた。

○成田 鉄道が必要だとはっきりさせて、道路にかけるお金を鉄道にもかけなくてはいけないということが大事だ。

○河野 ここまで来ると、北海道の地方都市とかなくてもいいくらいの選択をしている。今度は核のゴミのマップもできるけれど北海道は必ず入ってくると思います。そういうふうに意図的にもってきていると思います。

※動労総連合・北海道の結成は北海道の大きな結集軸!

○司会 明日、結成記念集会ですが、動労総連合・北海道ができたことに北海道の現実を突破していく展望があると思います。千葉でも動労千葉をはじめ地域の労働者や市民が集まって「内房線と地域を守る会」ができました。みなさんの思いを聞かせて下さい。

○城地 北海道ではあきらめている人が多い。

○河野 北海道の路線廃止問題は、必ず毎日の新聞に出ている。こういう地方で協議会がもたれたとか、自治体とJRの話し合いが拒否されたとか拒否しないとか、毎日出ています。それだけ地域の問題として深刻な具体的問題があるからです。千葉では動労千葉が断固反対で労働組合が声をあげたから運動の核ができたと思います。今は小さくポツポツ反対があるだけで、それをまとめる結集軸がない。その結集軸をつくることに動労総連合・北海道がなれたらいいなと思います。

○成田 昔を思い出していたのですが、ローカル線を切り捨てるためというよりも、ローカル線があるから邪魔だという考え方と議論したことがある。利用者ですが、枝線をとってもいいから100㌔を超える線をなくさないで下さいと言って、こっちは我慢するからこっちを残して下さいと言ったが、どちらも残らなかった。今は誰かが音頭をとって、北海道規模の各地区で妥協点を探っているだけです。以前の北海道の地図のようにするためには、北海道はあってはならないことはあってはならないと言わないといけない。動労総連合・北海道では、路線を維持していくために、利用者の立場も考えて、自分たちが意識的に声を出していく。住民パワーも含めて結集させる。「この線はなくしていいが、この線は必要だ」ではダメだと思う。

○河野 全部結集させるためには、黒字とか赤字とかではなく、何人以下とか何人以上とかではなくて、ライフラインだから必要なんだと運動していく。

○成田 残すことで利用価値があって、文化は残す、町は繁栄する、作物も輸送する、だから必要なんだという声をあげていくことが大事だと思う。ローカル線廃止の議論は、それが大事だと思う。

○河野 条件論議をした時に、だめになる。こっちはいいけれど、あっちはダメではなく、絶対反対でやるしかないと思う。

○城地 30年前の国鉄分割・民営化を思い出したんです。実はみんなで反対したんです。労働組合も全動労も社会党なども地域も一緒に反対したんです。街も寂れる、人もいなくなると、反対しました。でも本当にそうなってしまった。だからわれわれは小さいけれども核となってそういう闘いをつくっていくしかないと思う。連合の中でも闘っていく。

○成田 今からでも遅くないから、ここからスタートして将来を見据えて闘う。語りかけて、みんなに訴えていく。北海道の87%が「国鉄分割・民営化は間違っていた。運動が必要だった」と言っている。鉄道網は公共性があるから代替ではなく、子どもや高齢者にとっても必要だと交通弱者を作らないためにも声をあげていこう。

○城地 さっきレーニンの『社会主義と戦争』の学習会をしましたが、そこにヒントがあると思います。都議選もやって、われわれが何者かを明らかにしたことが大事だったと思います。みんな見ているんです。いい加減なことをやる組織なのか、最後まで責任持ってやってくれる組織なのかと。そこだと思います。本当のことをちゃんと言うんです。

○桜井 運動的には、JR問題のシンポジウムがあって、大学の先生や国労の人が参加した。こうしたシンポジウムを続けていこうと話している。動労総連合の結成と一体で、こういう人たちとも結びついてやっていければ、ちょっとおもしろいなと思います。動き出すと反応があって、見えてくると思います。

○成田 いろいろな問題が出てきているけれど、代替的なことだけ提案するのはダメですね。これは負けです。交通弱者はもっと増えます。そして大事なのは、病院問題です。鉄道があれば通勤、通学も含めて、交通弱者は生まれないです。

○河野 動労総連合を結成した上で、大事なことは、公共性ということもありますが、もう一つ、成田さんが言ったちゃんとした仕事をする体制が必要だと思います。労働の誇りというもの、それがもう一つの柱だと思います。その二つが、地域住民を含めたライフラインという問題と現場労働者の誇りが合わさったら動労総連合はうまくいくのではないかと思います。今の地方の問題は、切り捨ての面と労働現場が荒廃している面と両方あると思います。

○成田 わからない政治家がわかったふりして、しゃべっているでしょう。鉄道業務は24時間です。「風呂に入った」と言っても、現場で汚れた身体を洗って帰るのですから、何が悪いんだということです。時間内に入らなければ帰る時間に入れない。そういう実態がわかっていない。赤字から国賊、風呂入ったからだめだとすり変わっていった。国鉄はつくられた赤字で、分割・民営化した。しかし、生きるために、生活するために国鉄を残せということです。私たちも闘うので、住民と共に線路を守って共に生活しましょうと、取り組んでいきたい。

○司会 動労千葉が、レール破断に対して安全順法闘争をやって160㌔のレールを交換させたり、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争をやったこと、ローカル線切り捨てにストライキで反対したことなどが地域の人たちに伝わったことは大きかったと思います。

○成田 動労千葉がレール破断に対しても運転保安闘争をやったのは、市民権を得たと思う。ストライキをやっても「もっと頑張れ」と住民が支持した。職場を守ると同時に、線路を守る闘いもやってきた。

○古川 あきらめているのは、儲かるか、儲からないかという判断で考えてしまうからだと思います。利益になるからやるのではなく、国鉄は公共交通だったと思います。住民の運動もそこをうちぬかないといけないと思います。

○河野 住民の側がそういう論理に流されていっている。

○城地 動労千葉の外注化反対闘争の根っこだと思います。儲からないから外注化するという。役場も小さくする、病院も民間にするという。そうではない。必要なんです。外注化で攻めてくる。

○河野 韓国は「民営化は悪だ」と転換できた。

○古川 そこに町があるから鉄道を引こうとか、必要なんだと。とんでもないところにお金を使っているんだから。

※動労総連合・北海道結成は、北海道全員の闘いであり希望だ

○司会 最後に、各人の意見があれば話して下さい。

○成田 公共性は守るべきだし、技術継承をし、要員を減らしてはならないと思います。職場を守り、交通弱者を作ってはならないと思います。

○桜井 JRの中の人と結びつきながらやっていくことが必要だと思います。現場の人が鉄路の安全性の問題などで動きだすことが必要だと思います。国鉄労働者にも働きかけて運動を大きくできるようにしていきたい。北大の先生にも会って学習会もやっていく。

○石川 住民が納得するような北海道の公共性、輸送手段をつくること、道民が納得するような運動を訴えていけばいいと思います。鉄道や道路など地域が寂れないような公共交通の手段の確保をしていきたい。

○城地 動労総連合・北海道を作ったので、責任と自信を持ってぶれないで、勝つまで辞めない。運動はそれしかない。そのための仲間を増やすために頭をつかっていきたい。

○河野 成田さんから運転保安闘争について、安全問題と一体のストライキの有効性が話されたと思いますが、他の職種でも通用すると思います。動労総連合でその柱を立てることは大きいと思います。例えばタクシー職場でも、有休を取るとボーナスを減らされるということがあって、職場で「そんなことをやられるならストライキも必要だ」と話しています。それは、単なる自分たちの金の問題ではなくて、安全問題とも絡むわけです。休むことは安全、社会的責任の問題で、そういうことを考えたストライキというのは、波及力があると思います。動労総連合がやることによって、いろいろな産別で、できるようになって結集力になればいいなと思います。

○古川 婦人民主クラブ全国協議会・北海道は、動労総連合・北海道ができることになって作ったという面があります。国鉄闘争は深くて広さがある。みんな国鉄闘争は終わったと思っているところがあり、JRなんか乗らないという人もいる。でも、国鉄闘争は、もっと身近な非正規の問題とか、安全問題とか、職場にいると広く深く関わっている。動労総連合の取り組みはすごく活用できて、日々、ああそういうことを言っていたんだと気づくことがある。日常的に一緒に取り組んでいきたい。動労千葉の田中委員長が、「動労千葉の結成と婦人民主クラブ全国協議会は同時期に結成して、兄弟姉妹のように育ってきた」と発言してくれた。だから北海道でも動労総連合と一緒に、育てあうようなことをして
やっていきたいと思って作った。地区の人も協力してくれて作った。

○成田 動労総連合・北海道をつくる時に、ここにいる人たちに、昼夜を問わず汗をかいてもらって作ったということなんです。自分たちがいろんな職場にいながら、動労総連合・北海道を作らなくてはならないという熱意はひしひしと感ずるものがあって、どんどん取り組みが進んでいた。俺は本当に北海道に帰ってきてよかったと思った。みなさんの熱意は当事者以上にあった。自分も当事者だが、周りの人たちも当事者だということを理解しないといけないと思いました。

○司会 大きな展望が北海道に生まれていますね。今日はどうもありがとうございました。
 (敬称略)

(写真 7月23日動労総連合・北海道の結成集会)