特集 2月国鉄集会へ 解雇撤回とローカル線切り捨て反対の新たな闘いへ!

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0335号02/03)(2018/02/01)

特集 2月国鉄集会へ!
2月国鉄集会へ 解雇撤回とローカル線切り捨て反対の新たな闘いへ!

 2月国鉄集会にむけて、国鉄闘争国運動の呼びかけ人会議を開催しました。以下、呼びかけ人の発言を紹介します。

葉山 岳夫さん(弁護士)

 2015年6月の最高裁決定は、被告の鉄建機構(鉄道運輸機構)の上告を棄却し、同時に「解雇を無効とし採用せよ」という動労千葉側の請求も棄却しました。しかし、地裁・白石判決、高裁・難波判決の「不採用基準の策定と適用は分割・民営化に反対する動労千葉などの組合員であることを理由とした不当労働行為である」については維持したのです。
 高裁判決の難波裁判長は国労の裁判では〈停職6か月以上または2回以上〉という不採用の基準は明確だとして組合側の請求を棄却していました(05年9月15日)。
 しかし、動労千葉12人については自らの判決を覆して、国鉄分割・民営化に反対する労働組合の組合員であることを理由にした不当差別だとして不当労働行為と損害賠償請求を認めた。不当労働行為の認定について一定の勝利をかちとりました。
 この過程において、動労千葉と国鉄闘争全国運動は、当時から単なる裁判闘争ではなく労働運動の一環として裁判闘争を闘い、傍聴闘争や署名運動を展開し、最高裁では9次の提出行動、10万筆以上の署名を集めて裁判闘争を展開しました。裁判を労働運動の一環として位置づけて実行されたのです。これが一定の勝利につながりました。動労千葉や全国の支援の活動が大きな成果をあげたと思います。
 ところが、JR東日本は「最高裁決定とJR東日本は無関係」と団体交渉を拒否し、労働委員会の斡旋(あっせん)も蹴っています。
 しかし高裁段階において弁護団は、井手正敬とJR連合の会長らとの懇談会議事録を明らかにしました。当時、JR設立委員長だった斎藤英四郎の所へ井手と葛西敬之が出向き、活動家を不採用にする基準の作成を陳情したのです。斎藤も「活動家が新会社で暴れてはたまらない。一定の基準をつくることは大賛成だ。葛西君つくってくれ」となり、葛西が不採用基準を作ったのです。
 設立委員会の斎藤委員長が不採用基準の策定に関与したことについて、地裁で事実調べはできませんでしたが、高裁段階から明確にしてきました。
 国鉄改革法23条では、職員採用については、名簿を国鉄が作成し、設立委員会が精査して決めることになっていました。名簿作成と採用を2段階に分離した上で、設立委員会は名簿作成に関与していない建前で進みました。
 団体交渉を国鉄や設立委員会に申し入れても、設立委員会は「関与しないから団体交渉の対象にはならない」、国鉄側は名簿作成は設立委員会の基準に基づいてやるから団体交渉の対象にはならないとして、双方とも団体交渉を拒否したのです。
 国鉄改革法23条5項は、職員の採用について、「設立委員がした行為は、承継法人(JR)がした行為とする」と規定しています。不当労働行為も〝行為〟です。不当労働行為をなした場合は新会社に及びます。これは彼ら自身が明記した法律上の規定です。
 そういう経過で葛西が不採用基準をつくって、1987年2月3日以降、この不採用基準で外せと全国に連絡したのです。ただし、当時の鉄道労連など分割・民営化路線に合致する者は外さなくてもいいとして、児童買春などハレンチ行為で停職処分になった者らは採用する格好で名簿の作成をしたのです。
 設立委員会を2月12日に開き、斎藤英四郎がつくった不採用基準として設立委員会の場で決議しています。これは労働省の『資料・労働運動史』昭和62年版にも明記されている事実です。斉藤個人だけでなく、設立委員会も関与しているのです。
 それが15年6月の最高裁決定で不当労働行為として認定されました。国鉄改革法23条5項により設立委員会のした行為はJRの行為とみなされるので、これは不当労働行為をJRが行ったことにほかならないのです。
 ここがJR東日本の最大のウィークポイント(弱点)です。彼らは表面的には「国鉄がつくったものだ。関係ない」と押し通す格好でやるのですが、法律上はJRの行為として現在に至っています。
 これをどう突破するかが大きな課題です。初めからJRの不正義性は明らかですが、隠蔽(いんぺい)に隠蔽を重ねています。これをどのように認めさせるか。これは労働運動の一つの大きな運動として展開しないと、弁護士だけががんばってもうまくいきません。労働委員会闘争を労働運動として展開することが何よりも必要です。
 いま労働委員会は非常に反動化しています。かつて千葉県労働委員会では、「四党合意」問題で自民党副幹事長だった甘利明の証人調べを決定したこともあります。それから激烈な反動が生じて、労働委員会が萎縮してしまいました。そういう状況をどうひっくり返すのかも大きな課題です。労働運動としての労働委員会闘争は、国鉄1047名解雇撤回闘争の大きな柱になります。これは正義の闘いです。弁護団も皆さんと共に闘っていきたい。

伊藤 晃さん(日本近代史研究者)

 廃線反対の運動には2つ焦点があります。一つは、労働者にとって労働と職場を奪われること。もう一つは、地域の住民にとっては生活が奪われる問題です。
 労働と職場が奪われる問題は全国で共通課題ですから、一つの署名にできると思います。だけど地域の問題はそれぞれ生活や条件も違います。それぞれの地域で実行委員会などの主体をどうつくるのかです。内房線廃止反対運動の教訓を全面的に活かすことを考えなければならないと思います。
 こういう運動を全国にたくさんつくるのは現在の私たちの力量ではなかなか難しいですね。当面、主体がある所に力を集中して、一つ二つの実践のケースをつくることを考えるべきと思います。動労千葉争議団も物販で全国を回っている。地域でどのように考えているか。知恵も出てくるかもしれません。

入江 史郎さん(スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合委員長)

 国鉄闘争にはいろんな可能性があります。安倍政権が春闘に手を出していますが、連合が支配者の思い通りにならない現状だからです。
 われわれが国鉄闘争で30年を超える闘いを持っていることが一番の武器です。国鉄分割・民営化の行き着く先が戦争と改憲です。ここが対決軸であることに揺るがずに確信をもって闘うことが大切だと思います。しかも動労千葉という分割・民営化と闘ってきた強固な闘争主体を持っているからです。署名運動を、連合や全労連を対象にして、どんな小さい組合でも訪ねていって地道にやっていくことで次がみえてくると思います。
 労組交流センターや全国の仲間が、この闘争を通して主体になっていくことが一番だと思います。そこから、地域で自分たちの存在に関わる運動を迫られている人びととつながる可能性が生まれると思います。われわれが主体として闘争をしない限りつながってはきません。
 JXホールディングスと東燃ゼネラル石油が1年前に経営統合したJXTGは、日本の石油市場の半分以上を占めています。連結売上だとトヨタの次の規模です。世界的に原油は20年ぐらい余剰の状態が続いていますが、競争原理が働いていません。しかし『選択』という雑誌がJXの権力闘争を書いています。これだけ大きくなっても自分たちの意思をまとめきれていません。それはJRの中にもあると思います。リニア談合やスパコン疑惑など、みんな安倍の側近です。
 われわれが国鉄闘争で主体的なプレイヤーになる条件をもっていることはすごいことだと思います。

花輪 不二男さん(世田谷地区労働組合協議会顧問)

 労働組合が非正規労働者を全体的に組織しなければ対抗でき
calないと思います。連合批判だけでなく、現場での闘いを求めていかなければなりません。労働組合的には、非正規労働者の組織化、全国的には切り捨てられる自治体や地域の奮起を促すかたちで、署名を全面的に展開していく必要があると思います。
闘う労働組合を発掘して、組織していく段階に来ています。
 鈴木コンクリート工業分会も狼煙(のろし)は上げたけども、そこどまりで展開できていません。どう拡げていくか、ラッパを吹くだけではいかないのです。この一段階を乗り越えていかないと具体的な組織化につながりません。時代の要請に応えられないのです。
 このままいくと戦争になっていきます。自衛隊の中で反戦兵士も生まれると思います。自衛隊へは、運転免許など生きるための資格を求めて入隊する青年は多いと思います。しかし「海外へは行かない。自衛のための軍隊」という認識は、安倍内閣ですでに超えています。権力側の中枢に食い込むような提起が必要だと思います。
 鉄道は自治体を結ぶ動脈であり、それを断ち切れば、孤立する自治体ができます。それを結びつけていくことです。今の国鉄闘争全国運動の力量ではすべてを取り組むことはできませんが、一つひとつ攻めていくことが必要です。点から線、さらに面に拡げていくことです。壮大な計画の中で、一つひとつ地道に闘いを積み上げていく以外にないと思います。
 非正規労働者の組織化をどうしたら拡げられるか考えています。これは、1047名闘争とつながっていくと信じています。

金 元重さん(韓国労働運動史研究家)

 国鉄闘争全国運動として具体的に今後どう運動していくのか。国鉄闘争の主体として要請されていることもあります。昨年は、分割・民営化30年で世論を喚起するいい機会でしたが、思ったほどマスコミなどで分割・民営化の問題点を社会化する動きはありませんでした。むしろ反動派の宣伝だった気がします。
 私たちが『労働運動の変革をめざして』本を出版したことは大きかったと思います。全国運動の総力を上げてがんばった成果です。分割・民営化について問題点を明らかにし、国鉄闘争の意義を拡げていく闘いとしてやりました。本の活用はこれからの課題です。
 全社会的に累積し、あるいはあふれ出している国鉄分割・民営化の矛盾の実態を集めてつなげていくことが求められています。本としては動労千葉の視点からしかまとめられていません。それ以外の北海道や九州の状況、国鉄闘争の中で苦労してきた人が、いまどうなっているのか、もっと目配りをして、いろんなことを切り開いていかなければならないと思います。
 北海道では大学教授が中心になって廃線問題の運動も始まっています。もう一度、国鉄分割・民営化30年ということで、現時点的な意味を総ざらいして、国鉄闘争につなげたいと思います。
 ヒントはあります。労働委員会の意義も見えてきました。労働運動だから、原点中の原点を取り組みながら、もう一度、新自由主義の破綻といわれながらもなかなか崩せていない分割・民営化の問題点を出して、そこをつなぐような提起ができればと思います。

根津 公子さん(「日の丸・君が代」 不起立処分者)

 学校、教育労働者こそが改憲との闘いの先頭にという提起はまったくそう思います。分会に1人、職場に1人いるだけでも、子どもたちだけではなく、同僚も保護者も気がついてくれます。そんなに難しくなくできると思います。私は、自分で体験しました。
 これからの人たちは、免許更新制もある。最後の更新が終わった後も再任用もあります。どこで発言すればよいのか、なかなか提案できないですが、昔の同僚たち、教員をやっている人たちにどんなふうに伝えればよいのかと思いながら、皆さんのお話を聞きました。
 現在、行われている2008年、09年の停職6か月処分の取消訴訟では、内容的には、裁判長も10・23通達の不当性を認めざるをえない裁判の展開を、私たちはしてきました。
 2007年については最高裁が都の上告を棄却し、停職6か月の処分を取り消しました。ところが08年の停職6か月処分について、地裁の裁判長は〈教育に中立なんてあるわけない。国家の考えを伝えるのは当たり前〉という判決です。 
 09年処分については、東京地裁の裁判長は本人尋問が終わったら、最終準備書面もなく5月に判決というのです。国家に反逆する裁判は途中で終わりにするというのです。これからが闘いです。
 (国鉄闘争全国運動ニュースから抜粋)