『国鉄分割・民営化と闘って30年』を読んで

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0338号09/01)(2018/05/01)

『国鉄分割・民営化と闘って30年 労働運動の変革をめざして』を読んで

大木 勇次(東京交通労働組合員)

 小池百合子知事の登場により、東京都丸ごと民営化との闘いが焦点化しました。本丸は都営交通民営化であり、核心は東交をつぶし、都労連をつぶすことです。かつて小池が呼び寄せ、都政改革本部特別顧問に就いていた上山信一(特別顧問廃止で打倒)は、橋下徹前大阪市長と一体で大阪市営交通民営化を強行した人物であり、小池はその上山・橋下にならって民営化攻撃をかけてきています。
 大交への攻撃は賃金・コストをやり玉に挙げ、徹底的に合理化と賃下げを強制し、新会社への採用は試験による選別、200人以上の労働者が退職に追い込まれました。不採算路線廃止(市バス)も含め国鉄分割・民営化と同じやり方です。
 都営交通民営化、東交への攻撃も必ず同じ手法をもってかけてくるはずです。その時、「公営交通の維持発展」という方針では闘えません。外注化・非正規化攻撃とも闘わず、自分たちだけ生き残ろうという運動が通用するはずがありません。
 国鉄分割・民営化が何だったのか、我々はどう闘うべきかを今一度捉え返し、深める機会を本書は与えてくれています。
 動労千葉が東交等の労働組合と決定的に違うのは、指導部が組合員を信頼して方針を提起し討論するところだと思います。
 三里塚闘争でのジェット燃料貨車輸送阻止闘争をめぐって、「指導部は、『労働組合というものはゼニカネがかかっていなくても闘わなければならないことはある』と組合員に訴えた。自分の利益以外のことでは労働者は闘えないから労働組合も闘わない、という60年代以来の労働運動の風潮をはっきり批判したのである」(36頁)というところは、私が動労千葉にもっとも魅かれたところです。
 外注化攻撃に対しても、「JR本体の労働者が、CTSの労働者のためにストに立ち上がる。その中で分断を乗り越えてJRとCTSの労働者が一つに団結して闘う展望を切り開いたのだ」(175頁)とあります。すでに外注化で分断されている職場でどう闘うのか、そのヒントがあると思います。(他にもたくさんありますが書ききれません)。
 なにより動労千葉が「全体を獲得する立場」(278頁)で闘ってきたことに大きな意味があると思います。
 東交の現場から、定期大会の発言などをめぐって民営化反対の声が出始めています。しかしここから先が本当の闘いです。
 86年に国労が修善寺大会で「大胆な妥協」方針を否決し、執行部を打倒したものの、「国労新執行部は断固たる闘いの方針を提起することはできなかった。この執行部の中心実体である協会派系や革同系には、自分自身で闘いを切り開く発想がそもそもなかったのである」(91項)というような状態で留まっているわけにはいきません。
 全国労組交流センターには闘う方針があります。その下で、民営化反対の闘いを切り開いてきました。この道を信じて、都営交通民営化粉砕へ闘っていきたいと思います。