関西のたたかいの中から 組合破壊を粉砕

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0338号08/01)(2018/05/01)

関西のたたかいの中から!
戦争・改憲のための組合破壊を粉砕したぞ!

(写真 奈良市庁舎前の座り込み闘争)

増田 順計(日教組奈良市書記長)

少人数学級、いじめ対応支援教員全面復活を!

 全国の教育現場で、教育の民営化のための非正規化と教育のマニュアル化が進められています。それは戦争のための組合破壊、団結破壊であり、奈良をはじめ関西においては、部落解放運動、解放教育の破壊と一体です。今春、私達は日教組奈良市の組織と、闘いの中心を担ってきた市費教員への解雇攻撃を粉砕し、戦争と改憲の時代を迎え撃つ新たな団結を勝ち取りました。

絶対反対で組合破壊を粉砕した3月闘争

 日教組奈良市は、仲川市長による3、4年生少人数学級、いじめ対応支援教員廃止=市費教員大量解雇、教育破壊絶対反対の3月闘争を組織の全力を挙げて闘い抜きました。そして、戦争と改憲、民営化のために、日教組奈良市の団結を根底から破壊しようとする攻撃を粉砕して、新たな団結の拡大を勝ち取りました。安倍政権は戦争と改憲のために、闘う労働組合を潰そうと躍起になっています。非正規職撤廃を掲げ、正規と非正規が団結して一人の解雇も許さず、評価制度にもパワハラにも絶対反対で激しく闘い抜いてきた、日教組奈良市の団結を破壊することが、今回の攻撃の核心でした。
 これを迎え撃って、私達は40日間にわたり、市教委交渉、市庁舎前抗議闘争、総決起集会、そしてストライキを展望する実力闘争として、市庁舎前座り込み闘争を連続的に闘いました。闘いの現場では、組合員が次々と教育労働者の誇りをかけて市長弾劾の声を上げ、朝な夕な日教組奈良市の旗が翻り、シュプレヒコールが響き渡りました。
 また、奈良はもとより関西各地からも連日のようにたくさんの労働組合が「支援ではなくて私自身の闘いだ」と駆けつけてくれ、PTAも独自に市長への緊急申し入れを行い、少人数学級、いじめ対応支援教員廃止に反対を表明しました。
 許せないことに仲川市長は、自らの公約も投げ捨て、3、4年生少人数学級といじめ対応支援教員廃止を強行しました。しかし、かつてない組合員の決起と地域の労働組合、保護者との血の通った団結の拡大が生まれ、組合破壊の目論見は完全に粉砕されました。
 労働組合の絶対反対の闘いが貫かれたことで、奈良市は一旦解雇した市費教員全員を、奈良県が任用する県費講師として改めて任用せざるを得ませんでした。また、議会においても、仲川市長の提案した2018年度予算案から、陸上競技場の大型スクリーン設置費(5億円)などへの支出に批判が噴出、5億7500万円減額の修正案が可決され、いじめ対応の名目で4千数百万円の教育予算を復活せざるを得なくなるという事態を生み出しました。
 しかし、復活された予算では、これまで現場の最前線で毎日子ども達に関わってきた教員が、「いじめ対応支援員」という名の嘱託職員に置き換えられました。「1週間で4日だけの拠点校配置」し、その具体的活動内容すら明確にできず、未だに配置さえできていないというしろものです。市教委は29人もの市費教員を切っておきながら、今度は「4月直前に予算がついてしまったので、フルタイムで来てくれる教員などもう残っていないから嘱託」だというのです。こんなでたらめなことがあるでしょうか。一切の責任は仲川市長にあります。

(写真 市役所前抗議闘争)

市費教員の怒りが解き放たれた

 少人数学級といじめ対応支援を担ってきた市費教員は、かつて「同和教育推進教員」と呼ばれ、部落解放運動の中で勝ち取られた歴史を持つ常勤非正規教員です。しかし、同和対策関連の法律が打ち切られた後、人権教育推進教員、さらに少人数学級担当と児童生徒支援教員、いじめ対応支援教員と、その度に名称を変更されてきました。
 それでも「部落差別や民族差別、貧困、いじめ、不登校など新自由主義社会が生み出す差別や抑圧に晒され、しんどい状況に置かれている子どもたちに寄り添い、そこから見えてきた教育課題を学校全体に返し」、教員の共同の力でいじめや差別を許さない集団を育てるという、奈良の教育を土台で支えてきた存在です。そこにはマニュアルやIT化に代わることのできない、教育労働者の階級性が宿っているのです。だからこそ解放運動と部落の団結の破壊を切っ先に、労組をねじ伏せ、民営化と非正規化を進めてきた仲川市長は、市費教員を大量解雇して、日教組奈良市の団結もろとも奈良の教育労働者が育んできた教育を破壊しようとしたのです。
 戦争と改憲の攻撃は闘いによって勝ち取られてきた一切のものを奪う攻撃でもあります。3月闘争はこれに対して、当該の市費教員の怒りを解き放ち、誇りをかけた決起を生み出し、日教組奈良市の闘う団結を一層強化しました。そして改憲と戦争の時代において、私達にとって「教育労働とは何なのか」という問題に労働組合として接近していく契機もつかめました。

改憲と戦争絶対反対! 全てを奪い返す教育労働組合の旗を起てよう!

 私達の要求は「今すぐ全ての市費教員を元に戻せ! 教育労働の誇りは決して譲り渡さない!」ということです。奈良市の子ども達は仲川市長によって、4月から29人ものかけがえのない先生を奪われ、「一人ひとりの子どもたちに向き合い、差別やいじめ、戦争を許さない子ども集団を育てる」という、数十年かけて育んできた奈良市の教育が破壊され、教育労働者の誇りが奪われようとしています。しかし、私達が渾身の力を振り絞って闘い抜いた3月闘争が、仲間と誇りある労働を奪い返すことのできるみずみずしく力強い団結を勝ち取った、日教組奈良市を打ち立てました。
 市費教員を先頭に、青年、女性、壮年まで、組合にはかつてない高揚感と、闘う労働組合の持つ力への確信がみなぎっています。闘いの第二ラウンドの始まりです。
 そしてこの闘いと一体で、日教組奈良市は、目前に迫った安倍政権の戦争と改憲にも絶対反対で闘います。自分の職場で、非正規化、解雇攻撃の前に分断されていくことと闘えない労働組合は、戦争という国家の全体重をかけた攻撃とは闘えず、屈服と戦争協力の道しかありません。3月闘争が切り開いた座り込み闘争の地平は、「教え子を再び戦場に送らない」誓いをストライキで実現していく道への第一歩です。日教組奈良市はさらなる闘いに飛躍します!
 全国の教育労働者の皆さん、職場に、地域に、第二、第三の闘う教育労働組合の旗を立てるときが到来しています。共に起ち上がりましょう!