6・10鈴コン分会勝利報告集会に86人が結集

2019年7月31日

月刊『労働運動』34頁(0340号09/01)(2018/07/01)

6・10鈴コン分会勝利報告集会に86人が結集!

※9年間の故田口組合員解雇撤回闘争に勝利、職場支配権にむけ第二次闘争への突入を宣言!

吉本 伸幸(鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議 事務局長・鈴コン分会 書記長)

 6・10鈴コン分会勝利報告集会が、鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議第7回総会として、東京の赤羽会館で開催された。当日は平行して国会前闘争も行われていたが、雨の降りしきる中で86人が結集した。

9年間の第一次闘争に勝利!

 3か月雇用で非正規の鈴コン分会が、9年間の故田口組合員解雇撤回を闘い続けて、遂に団結の力で勝利を掴み取った。どんなに苦しくても、どんなに辛いことでも、徹底して仲間の団結を軸に我々は負けなかった!
鈴コン分会は今年3月12日、中労委において故田口守組合員の解雇を撤回させる勝利決着を勝ち取ったのだ!
 故田口組合員の解雇は、2009年11月10日の鈴コン分会解体を狙った「見せしめ解雇」だった。そもそも3か月雇用のアルバイトには、定年はなかった。しかし会社は、「正社員にならい、アルバイトに定年がないのはおかしい」と意味のわからない理由で、「田口組合員は60歳だから賃金を下げて働いてもらうが、納得出来ないのであれば3か月雇用の継続をしない」と一方的に雇い止めを強行してきた。田口組合員を解雇し鈴コン分会の解体を狙った攻撃だった。最初、職場で17人中15人を鈴コン分会は組織し、職場支配権を取っていたが、田口組合員への見せしめ解雇で「会社に逆らっても勝てない」「解雇とわかったら闘えない」等で三役を鈴木富美子社長に籠絡され、鈴コン分会は瀕死の状態になり、天国と地獄を味わった。
 しかし、田口組合員解雇撤回を闘おうと再度6人が結集し、新生鈴コン分会が9年間にわたる職場闘争の激闘で完全勝利を収めた。鈴コン分会は、「非正規でも闘えば勝てることを実証した!」。故田口組合員の解雇は、「我々一人ひとりが解雇されたと同じだ」と職場で徹底的に闘い続けた。
 鈴コン分会は第一次闘争を完全勝利した。鈴コン分会闘争は、職場で団結して闘えば安倍政権の「働き方改革法案」を粉砕出来ることを示している。

職場支配権へ第二次闘争に突入

 職場では、「会社を守り支える会」(SJK)解体と多数派形成に向け、職場で全ての労働者をまきこんで、第二次職場闘争に突入している。
 共闘会議呼びかけ人の花輪不二男代表は、勝利報告集会の開会あいさつで、「鈴コン分会闘争の隊列を拡大し、世の中を突き動かそう」と第二次闘争に臨む決意を表明された。呼びかけ人の山川博康さん(ス労自主副委員長)、永田雅章さん(動労千葉OB会会長)、池田学さん(動労水戸執行委員)3人から発言をいただいた。永田さんは「改憲・戦争を阻止する2020年に向かう決戦は、鈴コン分会みたいな組合を全国にどれだけ作れるかの勝負だ」と訴えられた。

弁護士のあいさつ

 藤田正人弁護士、木下徹郎弁護士からも発言を頂いた。その発言を紹介する。
 藤田弁護士「弁護団は3人で、団長は鈴木達夫さんです。本当に鈴コン分会ありがとうございます。闘う労働組合がまず少ない。闘って勝つことはもっと少ない。そういう闘いに弁護士として関わらせていただいたことは本当に嬉しいことです。
 2011年11月集会で吉本さんに声をかけられました。ストライキをやって懲戒で、会社の悪口を言って首になった。こんなことはありえない、一緒に突っ込むしかないと思いました。優秀な弁護士の木下君も弁護団に入っていただき、高裁で勝利和解しました。それから2、3年経って大勝利で、本当に驚いてます」。
 木下弁護士「二つくらい言いたいことがあります。
 一つは、吉本さんは『しんどかった』と言いましたが、9年間闘うのは生半可のことじゃない。人生の1割くらいを費やしています。弁護士がやったのは本当に一部です。賃金の仮払いの処分を得て、闘う軍資金を得た。あとは、裁判のお手伝いをしたということです。結局我々が関わったのは3年弱くらいです。後はみなさん満身創痍になりながら、ここまできたことは本当に喜ばしく思います。その一部に関われたことは本当に誇りです。やはり主人公は労働者だというのを改めて確認します。これが一点です。
 二つ目ですが、弁護士を10年くらいやっていますが、非正規の方で職場に復帰を果たしたのはこの件だけです。大概、解決金で職場を去る方向です。やはり継続性が無いです。だからこれは本当に大きいことなんです。世の中でいろんな酷い目に遭いながら、声を上げられない労働者にとってはすごく勇気になることだと確信しています。
 鈴コンの闘いをぜひ広くわかりやすいように広めていく方法があればと思います。ここからの第2ステージは、鈴コンにとっても正念場だと思います。けれども労働者全般にとってもすごく大事な時期でもあります。こういう成果は是非広げて、世の中の労働者にさらに勇気を与え、また頑張っていっていただければと思います。弁護団も微力ながら今後も何かあればお手伝いが出来ればと思います」。

支援労組や全国協、学生が発言

 続いて、動労千葉、動労水戸、動労東京、合同・一般労組全国協の闘う仲間、全学連が発言した。鈴コンの勝利の大きさをつかみ、鈴コン分会に続いて闘う決意が述べられた。

鈴コンは職場生産点から闘う

 最後に、鈴コン分会3代目鈴木善弘分会長が、9年間の激闘を総括し、「職場生産点から闘っているのが鈴コン分会の本道です」と断言した。
 集会の最後に、闘争勝利を記念して、鈴コン分会から動労千葉と動労水戸に「解雇撤回・非正規職撤廃」の赤いのぼり旗を贈呈した。
 今までもそうでしたが、これからも職場闘争を軸に、鈴コン分会は「解雇撤回・非正規職撤廃」で闘い、全国の非正規労働者の先頭を走り続ける。職場から闘う労働組合を甦らせて闘おう! 非正規でも職場で労働組合を作って闘えば勝利出来る!